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木嶋佳苗被告 控訴/裁判員法=国民の常識を裁判に反映させるとは書いていない/裁判員制度:廃止すべき

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木嶋佳苗被告、即日控訴「真実でないことが認定された」
JBpress 2012/4/14 15:21
  東京・千葉・埼玉で起きた男性3人の連続不審死事件で、殺人などの罪に問われ、2012年4月13日にさいたま地裁で死刑判決を言い渡された木嶋佳苗被告の弁護団が、即日東京高裁に控訴した。
  14日付けの朝日新聞記事によると、木嶋被告は判決後、さいたま拘置所で面会した同紙記者に対して「(自分の主張と)ことごとく逆の結果になり、かなりびっくりしました。正直言って残念というより、驚いた」「真実でないことが認定され、罪にされた」と語ったという。
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〈来栖の独白 2012/4/14 Sat.〉
 木嶋佳苗被告の裁判といい、北朝鮮のミサイル打ち上げといい、日本の巨大メディア報道は、その劣化、醜悪ぶりを見せつけた。  
 木嶋佳苗被告の裁判員裁判について、少しだけ書き留めておこうと思う。
 100日にも及ぶ審理で、裁判員の負担が大きかったということである。裁判員裁判など、やらなければよい。ひと一人のいのち(人生)について考えるのに、裁判員の負担が大きいからなどと短縮してはならない。裁判員の都合の方を優先してどうするか。裁判員の都合のために被告人の人生が歪めらるとしたら主客転倒だ。裁判員裁判は、オウム麻原彰晃(松本智津夫)氏の裁判が長期化したために、これではいけないと、短縮(拙速)を目指して始まった。精密司法から核心司法へと転換した。人の命がおろそかに扱われるようになった。被告人には、裁判を受ける権利がある。その権利が、裁判員の都合に左右されてはならない。
 木嶋被告には死刑判決が言い渡されたが、証拠のひとつもなく、推認によって被害死者が3名も認定された。これほど多数の被害者がいるのなら(しかも似たような死因である)、一つくらい証拠が挙げられてしかるべきではないか。「推定無罪」というのは、挙証責任が検察官にあるということだ。有罪を主張をする検察官が、被疑事実について立証しなければならない。一つの証拠も挙げられない検察官も検察官なら、曖昧な心証(状況証拠)で有罪を認定する裁判所も裁判所だ。
 最後に、[裁判員裁判の目的は裁判員法1条で「国民の理解の増進と信頼の向上」と定めている。最高裁や法務省が言う「国民の常識を裁判に反映させる」とは書いていない。国民に裁判への深い関心を持たせた意味は認めるが、逆を言えば、制度の目的はすでに達成されたといえ、この際廃止すべきだ]との元最高検検事田辺信好氏の意見に同意する。
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大飯原発再稼働を「チーム仙谷」は決めた/北朝鮮のミサイル発射に国民の注意を向けさせ、その隙に 2012-04-13 | 地震/原発/政治
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【裁判員制度のウソ、ムリ、拙速】 大久保太郎(元東京高裁部統括判事)
 〈序段 略〉
 わが国には、全体から見ればごく小数であるが、矢口洪一元最高裁長官や司法制度改革審議会のメンバーでもあった中坊公平氏など法曹(OBを含む)の中に極めて熱心な、刑事裁判への国民参加制度導入論者がいて、このような論者が同調者らとともに、先般の司法制度改革審議会(平成11年7月設置)を好機として強力にかかる参加制度の導入を図った。この意図が、以下に記す好条件を得て、参加主体である肝腎の国民一般には詳しい説明もされず、国民がどういう理由でそうなるのかほとんどわからないうちに法案となった。そして国会でも、影響するところの大きい法案でありながら、問題点が国民によくわかるような実質のある審議もされずに、平成16年夏の参議院議員選挙前の怱忙の間に法律となったのだ。
 好条件というのには二つある。一つはオウム事件、殊に麻原死刑囚に対する第1審裁判に代表される、一部の刑事事件審理の異常な長期化が、「こんなことでは困る。改革が必要だ」との空気を社会に瀰漫させていたことである。
 もう一つは、法務省および最高裁判所が裁判制度の専門家として、裁判員制度の導入意見に対し本来「それは違憲の疑いがあり、実際上も無理だ」として反対すべきであったのに、どういうことか反対しなかったことである。
 なお、重要なことであるが、国会で審議らしい審議もされなかったのは、もし法案の抱えている憲法問題や裁判実務上の問題が細かく議論され始めれば、疑問や反対がつぎつぎに出て来て、法律化などとてもできないことが明るみに出るからであったと思われる。私は、当時テレビの座談会で与党の有力議員が、国民に善きものを与えるかのごとく、国会の会期も残り乏しいのに「この国会で法案が成立しなければ、もう裁判員制度は成立しませんよ」と発言していたのを思い出す。このような次第だから、裁判員法は、文字通り拙速立法といわざるを得ないものである。
 ちなみに、裁判員制度の実質は刑事裁判のやり方(手続き)だが、まことに驚くべきことに、司法制度改革審議会の委員の中にOBも含め刑事裁判官はいなかったのである。
 国民一般が今もって「何でこんな法律が出来たのか」と疑問に思うのは当然なのだ。〈後段 略=来栖〉
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