再稼働協議も議事録なし 首相と3閣僚ら
藤村修官房長官は17日の記者会見で、関西電力大飯原発3、4号機(福井県)再稼働に向けた野田佳彦首相と枝野幸男経済産業相ら3閣僚による協議について、主要な議論の部分で官僚を退席させて議論しており、議事録を作成していないと明らかにした。東日本大震災発生直後の各種会議の議事録未作成に続き、意思決定の過程が不透明との批判を呼びそうだ。
藤村氏は「最終判断は政務で行う必要がある。自由討議で、記録を残すような話し合いではない」と強調した。要点をまとめた議事概要は協議後に枝野氏が事務方に説明して作成しているとしている。
2012/04/17 20:32【共同通信】
========================
〈来栖の独白 2012/4/17 Tue. 〉
まったく何という人たちだろう。国民を愚弄するにもほどがある。
しかしながら、もはや怒る気力すら湧いてこない。このような人たちを選んだのは私たちだ。小沢一郎さんは、「衆愚は衆愚から」と云った。そうなのだ。北朝鮮のミサイル打ち上げでも国民の多くはメディアに踊らされ、問題の本質に気づかず、通り過ぎた。本日なお、田中防衛相の問責などを野党は言い募っている。問題は、そのようなところにはない。
. . . . .
◆北朝鮮のミサイル発射が浮き彫りにした日本の問題 危機に対応できない「自衛隊法」の限界が明らかに 2012-04-16 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
========================
◆大飯原発 国民を煙に巻きつつ進められる再稼働 2012-04-17 | 地震/原発/政治
国民不在の原発再稼働を進める「チーム仙谷」
夕刊ガジェット通信2012.04.12 10:15
いやな話である。ずるいというか、姑息というか。国民の意思とは全く関係ないところで、与党の有力者と官僚、そして財界とが原発の再稼働を推進しているというのだ。
2012年4月11日付の東京新聞は、トップで「『チーム仙谷』再稼働主導」という記事を掲載した。現在、再稼働するか注目されている関西電力の大飯原発。再稼働の可否を最終的に決めるのは、4者協議(野田佳彦首相と藤村修官房長官、枝野幸男経産相、細野豪志原発事故担当相の3閣僚)である。しかし、その裏で民主党の政調会長代行である仙谷由人さんが動き、原発の再稼働を進めていることが記事で報告されている。
仙谷さんは、上記の枝野さんと細野さんに古川元久国家戦略担当相、そして齋藤勁官房副長官を加えた5人で「チーム仙谷」なるグループを作り、原発の再稼働について議論している。そして、仙谷さん自身は、「政府の新成長戦略の旗振り役」であることから、「電力不足は経済成長の阻害要因になる」と考え、「早い再稼働を前提」に議論を進めているというのである。
消費税増税問題で忙しい首相や官房長官は、「チーム仙谷」での協議を「追認」するようなかたちになっている。さらに、「チーム仙谷」による「一連の議論」は、「党内でも、知る人は少数にとどまる」というから驚きだ。経団連ら財界は、「安定した電力供給がなければ、生産拠点の海外移転が加速する」と「政府に圧力をかけ続け」、「監督省庁として原発をゼロにしたくない」経産省は、そうした財界の動きを「歓迎している」。
再稼働しないと「東電は安定経営ができず、さらに税金投入が必要になる」という理由で、財務省も事務次官が首相に「再稼働を働きかけている」。つまり、「オール財界、オール霞ヶ関が、もともと再稼働をめざす政権を後ろから押している」というのが、現在の原発をめぐる構図となっているわけである。
ホントかデマかも考えず、感情的に反原発を訴えるのは、どうかと思う。だが、福島第1原発の事故が起きてからは、原発に関する情報が身近になり、客観的かつ冷静に原発のことを考える国民も増えている。その傾向は、34万筆の署名を集めた「原発都民投票」などにもあらわれている。そうした原発に対する国民の関心をよそに、財界と霞ヶ関をバックボーンにして、「党内でも、知る人は少数にとどまる」ようなかたちで、与党の一部の人たちが原発の再稼働を決めようとしていることを、読者はどう思われるだろうか。
最終的に再稼働の可否を決める4者協議は「形だけ」のもので、実質的には再稼働を主導する「チーム仙谷」の協議が政府の方針を決めつつある。国民の声はおろか、民主党の議員の声も届かないような意志決定システムにより、原発の再稼働を決めさせていいのか。記事を読むと、それを阻止する仕組みはないように思える。このままずるずる再稼働が決まった場合、私たちにできる抵抗は、総選挙における投票活動くらいのものなのか。
一時は国民の圧倒的な支持を得ていた民主党だが、原発問題に注目していると、堕落していく様子が浮き彫りになる。かといって、そもそも原発を林立させた張本人である自民党に、いまだ不信感を抱いたままの人も多い。河野太郎さんのような良心的な議員を除いては。このように、総選挙になったらなったで、私たちは選択肢のない状況と向き合わなければならなくなるのである。
それにしても、民主党がこれほどひどくなるとは思っていなかった……。
(谷川 茂)
===================
◆福島原発事故 記録を隠蔽「愚者の楽園」/「衆愚の中からは衆愚しか生まれない」悪党小沢一郎に仕えて 2012-01-26 | 政治
愚者の楽園
田中良紹の「国会探検」
「普通の国」なら国がひっくり返るほどの大騒ぎになっている問題が大騒ぎにならないからこの国は異常である。
3月11日に発生したフクシマ原発事故で設置された政府の「原子力災害対策本部」が議事録を作っていない事が判明した。国家としてあるまじき行為、民主主義の根幹が否定された話である。ところがメディアは騒がない。日本は極めて静かである。本質的な問題を直視しようとしない国は「愚者の楽園」と言うしかない。
昨年5月に書いた『場当たりポピュリズムの末路』というコラムで、私は「大震災の発生直後からの政治の対応にどうしようもない違和感を感じてきた。理解できない動きの連続に唖然としてきた。それを想定外の事が起きたからという言い訳で政権は切り抜けてきたが、とてもそれだけで納得できるものではない」と書いた。
その違和感の正体がここにある。この問題を報じたNHKによると、事務局を務めた原子力安全・保安院の担当者は「業務が忙しくて議事録を作成出来なかった」と釈明したという。国民をバカにするのにも程がある。そんなデタラメが通用すると思っているなら国民も随分なめられたものである。
会議でメモを作らない官僚など存在しない。どんな緊急事態でも、どんなに多忙でも、メモを作るのが官僚の仕事である。総理大臣以下全大臣が出席した「原子力災害対策本部」の会議は、いわば行政府の最高レベルの会議であるから記録がない筈はない。それを「議事録がない」事にしたのは「会議の内容を隠蔽したい」と言っているに等しい。
誰が記録を隠蔽しようとしているのか。政治家が官僚に隠蔽を命じたとすればその政治家はもはや国民の代表ではない。国民主権を裏切る側の代表である。それとも政治家の指示もないのに官僚が隠蔽しようとしたのなら官僚は国民の代表を無視した事になる。それも国民主権を裏切る行為である。日本は民主主義国でない事になる。
放射能予測装置「スピーディー」の情報が国民に公開されなかった問題でも菅総理、枝野官房長官らは「知らされなかった」と釈明した。一方で文部科学省の官僚は事故直後に米軍に「スピーディー」の情報を提供した事を認めた。政治家は本当に知らされなかったのか。日本の官僚は国民の代表ではなくアメリカの下で働いているのか。米軍は放射能から守られ、国民は放射能に汚染した。大問題なのに誰も追及しない。
以前『秘密会がない国会は異様だ』というコラムを書いた。他国では当然のように開かれる「秘密会」がわが国会では開かれない。政治に未熟な人間は「何でも透明にするのが民主主義だ」と言うが、国民を外国の勢力から守り、経済を円滑に運営するためには、機密情報を元に政治家同士が議論する必要がある。国民の利益のために「透明にできない」場合もあるのだ。
しかしメディアには公開しないが、機密保持を条件に与野党の議員、すなわち国民の代表には教えて議論するのが「秘密会」である。国民の代表に公開すれば隠蔽した事にはならない。ところがわが国では肝心な情報を官僚が独占し、国民の代表に教えないから「秘密会」も開かれない。霞が関の中だけで結論を決め、一部の政治家にだけ教えて国会を誘導する。だから総理大臣も情報を知らされない可能性がある。それを変えようとしたのが09年の政権交代だったが、全く変わっていない事がこの問題でも明らかである。
問題を沈静化させるためか、藤村官房長官は23日の記者会見で「議事録を作成する」と発言した。しかし録音があるのかどうかは明らかにされず、職員のメモを頼りに作成すると言う。それが実際の議論通りなのかを国民は判断する術がない。もはや政府に都合の良い議事録が作られると考えた方が良い。そうなると政府と国会と民間とに作られた事故調査委員会の調査はどうなるのか。気の抜けたビールのような気がしてきた。
そして忘れてならないのが原発事故の対応を中心的に行なったのは「原子力災害対策本部」ではなく、東京電力本社内に作られた「原発事故対策統合本部」である事だ。事故発生の4日後、菅内閣は法律に定められた「原子力災害対策本部」とは別にわざわざ任意の組織を作って事故対応に当った。その議事録が明らかにならなければ今回の原発事故の対応を検証する事は出来ない。
「フクシマ」を将来の国民を守るための教訓にするには、「統合本部」の議事録の公開は必須である。政府が公開を拒むなら野党が国会で追及すべきである。つまらぬ党利党略に凝り固まって国民に人気のない自民党にとって起死回生の攻撃ポイントになる。それが出来ないなら自民党は昔と変らぬ官僚下請け政党と看做され、政権交代など夢のまた夢になる。
沖縄返還交渉で佐藤栄作総理の「密使」を務めた故若泉敬氏は、アメリカとの外交交渉で核持込の密約を呑まされ、沖縄県民に贖罪の心を抱いていた。一方で沖縄返還後の日本が日米同盟に絡め取られていく様に絶望し、極秘交渉の経過を『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』という本に著した。密約の暴露は日本に衝撃を与える筈であった。ところが誰も騒がない。重大問題に鈍感な日本を若泉氏は「愚者の楽園」と呼んだ。今回の議事録問題は私にそれを想起させる。
投稿者:田中良紹 日時:2012年1月24日02:59 *強調(太字・着色)は来栖
========================
◆小沢一郎が語った「原発/衆愚の中からは衆愚しか/マスコミは日本人の悪いところの典型」 〈悪党?〉2011-09-19 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
『悪党 小沢一郎に仕えて』石川知宏 元小沢一郎秘書・衆議院議員著(朝日新聞出版)
--第3部〈対決〉より部分抜粋転写--
p226〜
石川 ロシアは北方領土、中国は尖閣諸島に目をつけています。歴史からいうと第1次世界大戦後に列強が中国に入り込んでいったように、いま日本が周辺諸国から攻め込まれようとしています。これだけ好き放題にやられてしまっているのは、やはりリーダーの責任でしょうか。
小沢 リーダーのせいではあるけれど、それ以前に日本人自身の問題だな。よく言うように、国民のレベル以上のリーダーは出ねえんだよ。衆愚の中からは衆愚しか生まれない。だから国民のレベルアップをしないとリーダーも育たない。その意味でどうしたらいいのか。そういうことをもう少し日本人は自分で考えなきゃいけないな。
石川 はい。
小沢 いまの震災を例にすると、マスコミを含めてバカみたいに、やれ挙国一致だ、やれいま政権を変えるのはどうだ、ってアホみたいな議論をしている。これは日本人的な議論だ。欧米では違うんだよ。危機だからこそ強力な政権とリーダーを作らなければならないっちゅうのが彼らの考え方だよ。日本人はみんな丸く丸くなろうとする。丸くなって、談合ばかりしていたって解決しねえんだよ。原発事故にしても誰も責任をとらない。誰が責任者なのか、誰が決めているのか。わけがわからない。そこをマスコミが一緒になってもっと仲よくなれって。何を考えているんだよ。
-------------------------------------------------------