出てくるのは反対者処分の話ばかり…小沢氏全文
民主党の小沢一郎元代表が2日発表した文書の全文は以下の通り。
『民主党離党にあたって』
平成24年7月2日
先月26日に衆議院本会議で消費税の増税だけを先行する社会保障と税の一体改革関連法案の採決に際して反対票を投じた者のうち38名に加えて、同じく今回の消費税増税法案に反対している参議院議員12名の計50名の離党届を、本日、午後12時半に衆議院議員分は山岡衆議院議員が、参議院議員分は広野参議院議員が輿石幹事長に提出いたしました。
私たちは衆議院での採決に際して、国民との約束にない消費税増税を先行して強行採決することは許されない、更に消費税増税以外の私たちが政権交代で訴えた社会保障政策などは棚上げして実質的に国民との約束を消し去るという民主、自民、公明との三党合意は国民への背信行為であると主張してきました。こうしたことから我々は採決において『行財政改革、デフレ脱却政策、社会保障政策など増税の前にやるべきことがある』と主張し反対票を投じました。
そしてこれまで、輿石幹事長には三党合意による増税先行の今回の法案の撤回を求めて、何よりも民主党が国民との約束を守り努力するという政権交代の原点に立ち返ることが最善の策であると訴えてまいりました。
週が明けて本日になるまで、三党合意を考え直し党内結束するという趣旨の話はありませんでした。出てくるのは反対した者に対する処分の話ばかりでした。国民との約束を守ろうとする者たちを国民との約束を棚上げにする者たちが処分するとは、本末転倒な話であります。
もはや野田総理の下での民主党は、政権交代を成し遂げた民主党ではありません。民主、自民、公明という三大政党が官僚の言うがままに消費税増税の先行を三党合意で押し通すことは、国民から政策を選ぶ権利を奪うことであります。
三党合意とは政策の違いを国民に示し国民に政党を選んでもらうという二大政党政治、いわんや我々が目指してきた民主主義を根底から否定するものです。
私たちは事ここに至って、国民の生活が第一の政策を国民に示し、国民が政治を選択する権利を何としても確保することこそ、混迷にあるこの国を救い東日本大震災で被災された方々をはじめ国民を守る政治家としての使命であるとの決意を新たにしました。
私たちは今後、新党の立ち上げも視野に入れて、政権交代の原点に立ち返り国民が選択できる政治を構築するために、本日、民主党を離党いたしました。
衆議院議員 小沢一郎
(2012年7月2日19時45分 読売新聞)
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岩手知事、小沢元代表と「一緒にやっていきたい」
日本経済新聞2012/7/2 20:25
岩手県の達増拓也知事は2日、民主党の小沢一郎元代表らが離党届を提出したことについて「大変いいことだ」と評価した。そのうえで「今まで以上に力を入れて一緒にやっていきたい」と述べ、元代表との連携を強める考えを示した。「小沢新党」への参加の可能性は「新党は姿も形もないので、何ともいえない」と明言を避けた。自らの民主党籍に関しては「ほかの一般党員・サポーターと一緒に対応する」と述べるにとどめた。
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民主分裂:小沢元代表離党 地元の岩手県連も分裂必至
毎日新聞 2012年07月02日 20時56分
小沢一郎民主党元代表の地元・岩手県では元代表らの離党届提出を受け、同党県連の分裂が不可避な情勢となった。1日には元代表が自ら地元入りして引き締めを図ったが、同県内の衆院議員5人(小選挙区4、比例1)の対応は離党3、残留2に割れた。
「事態がどう動いても県連は一枚岩でお願いしたい」。離党届を出した民主党県連代表代行の菊池長右エ門衆院議員(比例東北ブロック)は2日午前、同党会派の全県議を前に結束を呼びかけた。しかし小選挙区での離党届は小沢元代表(岩手4区)と畑浩治衆院議員(岩手2区)だけ。畑氏は週末に地元で「民主に残って次の選挙を戦うのもつらいが、出ても展望があるかと言われれば、進むも地獄、引くも地獄だ」と漏らし、最終的には「小沢先生の判断を了としたい」と離党を決めた。
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『民主党離党にあたって』(全文) 衆議院議員 小沢一郎/「小沢元代表と一緒にやっていきたい」岩手知事
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