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「全国“原発危険度”ランキング」原発撤廃を目指す超党派の議員で構成する「原発ゼロの会」が調査

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これが全国“原発危険度”ランキング!あの悪夢を二度と起こすな
zakzak 2012.07.06
 原子力発電所の再稼働問題が注目を集めている。昨年3月の東日本大震災以降、爆発事故を起こした福島第1原発の4基をのぞく、国内全50基が定期点検などで停止していたが、1日に大飯原発3号機が再稼働し、全停止状態が解けた。これを受け、反原発派が首相官邸前で大規模なデモを行うなどしている。そんななか、気になる格付けが発表された。その名も「原発危険度ランキング」。超党派の議員たちが独自に調査し、危険度が高い順にランク付けしたものだ。日本の原発は大丈夫なのか。
 1日に再稼働した大飯原発をめぐって反対派による抗議活動が繰り広げられている。原子炉再稼働前の6月29日には、東京・永田町の首相官邸前に1万7000人(警視庁発表)のデモ隊が押し寄せ、機動隊と激しくぶつかり合った。6日夕も同様のデモ隊が集結する。
 そんななか、原発撤廃を目指す民主、自民、みんなの党など7党9議員で構成する「原発ゼロの会」が、「原発危険度ランキング」を公表し、注目を集めている。
 作成にあたった社民党の阿部知子衆院議員の政策秘書、森原秀樹氏は、「再稼働した大飯3号機を含め、国内にある原発50基を対象に(1)原子炉の老朽化(2)地盤の脆弱性(3)法令違反の回数などの社会環境の3点に着目し、9項目に細分化して独自に数値化。危険性を算出しました」と説明する。
 ゼロの会が、真っ先に挙げたのが、老朽化が著しい1位の敦賀原発1号機だ。
 「敦賀1は、設置から41年たっており、日本の原発の中では一番古い。設計寿命の40年も過ぎている。現存する原発の中で、もっとも危険度の高い原発といえます」(森原氏)
 2位には、大飯原発1号機と2号機が並んだ。1号機は設置から32年、2号機は31年が経過し、設計寿命の40年が目前に迫っている。
 日本原子力研究所(現・日本原子力研究開発機構)の元研究員で理学博士の桜井淳氏は、「原発黎明期の1970年代に運転を始めた施設は経年劣化が懸念されます。事故を起こした福島第1をはじめ、軽水炉の第1世代に属する美浜、福島第2、浜岡、玄海、東海第2、島根も警戒が必要です」と話す。
 福島第1原発の事故により「地震列島」日本で原発を運営するリスクも浮かび上がった。至る所に活断層が走るため、原発真下の地盤の安定性が危ぶまれている。大飯、美浜、敦賀などが集中する「原発銀座」の若狭湾は特に警戒が必要という。
 変動地形学を専門とする東洋大の渡辺満久教授は「原発の施設は揺れ自体への耐性があっても断層のズレには脆弱です。敦賀1、2の地下に活断層があるのはほぼ間違いなく、ひと度、大きな地震が発生すれば地盤がズレる可能性が非常に高い」と説明。「浜岡や美浜、大飯、東通の地下にも活断層が潜んでいる疑いが濃厚です。安全性を担保するなら即時廃炉にすべきです」と警告する。
 先の震災後、国は原子力防災指針を改訂。避難計画など防災対策を重点的に行う地域を原発の「半径8〜10キロ圏内」から「30キロ圏内」にまで拡大した。ゼロの会ではこれを受け、「県庁所在地の松江市が30キロ圏内にかかる島根1も危険度が高いと判断した」(森原氏)。ランク付けに採用した項目に「バックアップ電源の状況」「防潮堤の低さ」を含めていないため、これらを考慮すると数値はより上がるという。
 森原氏は「ランキングはあくまでひとつの指標に過ぎません。リスク管理を徹底するため、専門家や行政がデータを持ち寄り、より緻密に分析すべきです」と提案する。
 あの悪夢を二度と起こさないために何をすべきか。これが最大の問題だ。
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玄海1号、敦賀1号、美浜1〜3号、福島第一1〜6号など老朽原発、緊急冷却で原子炉割れ大爆発!? 2011-07-10 | 地震/原発/政治 
 老朽原発に警鐘「玄海1号 最も危険」 

    

 中日新聞 特報 2011/07/09Sat.
緊急冷却で原子炉割れる!?
 原発の原子炉がガラスのコップのように割れてしまったら−。日本の原発ではその危険性が高まっていると警告する科学者がいる。もし、そうなれば、核反応制御不能となって大爆発を起こし、大量の放射性物質が広範囲に拡散する。福島第一原発事故の比ではない大惨事となりかねない。危険度トップは玄海原発1号機だ。(小国智宏)
「日本で1番危険な原子炉は、九州電力玄海原発1号機(佐賀県玄海町)です」。こう断言するのは、井野博満・東大名誉教授(73)=金属材料学=だ。
 玄海原発2号機、3号機は現在、定期検査のため運転停止中。菅直人首相がストレステスト(耐性評価)の実施を突然打ち出し、九州電力の「やらせメール」が発覚したため、地元の岸本秀雄町長は再稼働を了承する方針を撤回した。しかし井野氏は、むしろ運転中の1号機について大きな問題があるというのだ。
 原発は地震や事故など異常が起こると運転が停止し、緊急炉心冷却装置(ECCS)が働いて、原子炉を急速に冷やす仕組みになっている。福島第1では、電源を喪失してこのECCSがうまく作動せず、事故に至った。ところが玄海1号機ではECCSが働いた場合、逆に大きな事故が起きる可能性があるという。
 玄海1号機の運転開始は36年前の1975年で、九州電力の原発の中では最も古い。井野氏は言う。「1号機の原子炉圧力容器の鋼(母材)の壁は老朽化でもろくなっている。急速に冷やした場合、破損する恐れがあるのです」
 井野氏が例えるのは、ガラスのコップだ。熱いガラスのコップに冷たい水を急に入れると、内側と外側の急激な温度変化に耐えられずバリンと割れてしまうことがある。同じような現象が圧力容器にも起こりうるという。
 圧力容器の内壁は、核分裂で発生する中性子線にさらされている。鋼は、中性子線を浴びるほどもろくなる。通常、鋼はある程度の力を加えても変形するだけで割れることはない。しかし、ある温度を下回ると、陶器のように割れてしまう。この温度を脆性遷移温度という。もろくなればなるほどこの温度は上がる。
 井野氏によると、北大西洋を航行中に沈没したタイタニック号は、質の悪い鋼材が使われていて脆性遷移温度は27度だったという。そして氷山に衝突した衝撃で船体は割れてしまった。
 電力会社は、原発の耐用年数を推測するため、この脆性遷移温度を調べている。圧力容器の内壁のさらに内側の位置に圧力容器と同じ材質の試験片を4〜6組ほど設置。数年から十数年ごとに取り出して検査する。内壁より炉心に近い位置に設置してあるため、中性子の照射量が大きくなり、劣化が早く進む。紙片を調べ、将来のもろくなった状態を予測するのだ。
予想超す劣化 九電「問題なし」
 玄海1号機の圧力容器の脆性遷移温度はどうなのか。75年の運転開始時はマイナス16度だったのが、76年に35度、80年に37度、93年に56度と徐々に上昇してきた。「ここまでは、ほぼ予想通りでした。衝撃的だったのは昨年10月に九州電力が公表した2009年4月時点の温度です」。何と98度に跳ね上がっていたのだ。
 玄海1号機のような加圧水型軽水炉では、圧力容器内を150気圧、300度以上の高温高圧で運転している。容器に亀裂が入れば、爆発的な破壊に発展し、大量の放射性物質を放出することになる。
 井野氏らは、昨年12月、経済産業省原子力安全・保安院に説明を求めたところ、「驚いたことに、保安院はその時点で何の情報も持っていなかった。九州電力は『報告する義務はない』として知らせていなかったのです」。
 なぜ玄海1号機の数値は急激に上がったのか。井野氏は「鋼の中の銅の含有率が高かった可能性がある」とみる。「原因を調べるために、試験片を大学などに提供し、ミクロ組織の検査を行うべきです。少なくともその結果が分かるまで原子炉は止めるべきです」
 九電が03年に提出した報告書の予測曲線によると玄海1号機の脆性遷移温度は65度程度、誤差を入れても75度前後のはずだった。98度は、修正した予測曲線から大きく外れている。
 九電広報部は「試験片の98度というのは、66年運転した場合の想定温度。容器本体は80度と推定している。60年運転想定では91度。日本電気協会の定めた新設炉の業界基準93度を下回っている」と説明。「安全上問題はない」と説明する。
 しかし、井野氏は「予測曲線からあまりにもはずれている。根本的に見直し安全検査を徹底すべきだ」と訴える。
 玄海1号機と同じ問題を抱える老朽原発は、ほかにもある可能性が高い。井野氏はこの点を強く危惧している。
 「日本の原発は米国に10年以上遅れ営業運転を始めた。1960年代に運転を開始した米国やドイツの原発は、今ではすべて閉鎖されている。このために日本の原発は老朽化の先頭を走っています」
 原発は当初、30〜40年の寿命を想定して設計。70年に営業運転を始めた敦賀原発1号機は、2010年には閉鎖になるはずが、そうはなっていない。住民の反対運動などで新規建設が困難になったことや、既存の原発を延命した方が安上がりということなどから、国は寿命を延長する方針を決めたのだ。
 30年を超えた原発について、電力会社は国に老朽化対策の報告書を提出し、高経年化対策検討委員会で審議して認められると、10年ごとに最長60年までの延長が可能になる。
 玄海1号、敦賀1号、美浜1〜3号、福島第一1〜6号など20基近くの原発が30年以上運転されている。敦賀1号、美浜1号、福島第一1号機は40年を超えての運転が既に認められている。今後は50年、60年を目指す原発が出てくるかもしれない。
 井野氏は「老朽化すれば、故障やトラブルが増え、メンテナンスが大変になるのが普通。無理な運転をすれば傷みもひどくなる」と指摘する。
 玄海1号の98度はワーストで、50度以上の原発は7基。ただ、試験片を10年以上検査していない原発もある。「検査をすれば、玄海1号機と同じように脆性遷移温度が跳ね上がる圧力容器はほかにもある可能性は否定できない」
 井野氏はあらためて警告する。「全国の老朽化した原発を早急に総点検し、予測以上の脆化を示した原子炉はすぐに廃炉にすべきだ」


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