自民党長老が「いよいよ出るぞ」と番記者に囁いた 橋下徹「愛人と隠し子」怪情報 「小沢の次はあいつだ」と永田町でふれ回る謀略の走狗
週刊ポスト2012/07/20-27号(2012年7月9日Mon. 発売)
p168〜p170(中段)
小沢一郎を政権から追い出したと高揚する既得権益集団にとって、次なる標的は橋下徹である。“小沢なき今”、彼らにとって大事な利権を脅かす恐れのある橋下を止めなければ安眠はない。新たな「人物破壊工作」が動き出した。
小沢のカネだけ問題になる
本誌前号で「『小沢一郎を消せ』と命じた本当の黒幕は誰か」と題した対談を行った。鳥越俊太郎氏と長谷川幸洋氏は、小沢に対する「人物破壊」の背景に、霞が関や米国の影を指摘した。地域主権と官邸主義を唱える小沢氏は「霞が関にとって危険人物」(長谷川氏)であり、厳しい日米交渉の経験から米国にとっても「警戒すべき人物」(鳥越氏)だった。
そうした権力構造の改革に対する脅威が、法務・検察による西松建設・陸山会事件のでっち上げを生み、「妻・和子の手紙」という政治謀略にもつながったのではないか。両氏は、既得権益集団の暴走により、政治家が消される危険性を指摘した。
だからこそ、既得権益派が力を持ち続ける限り「人物破壊」は止まらない。
毎日新聞は小沢一郎・元民主党代表が民主党に離党届を提出した7月2日の夕刊1面で、小沢氏が宗教団体「ワールドメイト」の関連団体に顧問として就任し、毎月200万円の顧問料を得ながらその事実を隠していた、との批判記事を大々的に報じた。だが、記事をよく読むと顧問料の金額は雑所得として報告書に計上されており、問題は顧問就任の事実を2010年度分の報告書に記載していなかった一点のみ。小沢事務所がいうとおり「事務的なミス」で、訂正すれば済む話に過ぎない。ところが毎日は、政治学者のコメントで「顧問の対価としては金額が極めて不自然」「罰則やペナルティーがないため、記載漏れが繰り返される」などと、問題を無理やり大きくしようとする創意工夫を見せた。
ワールドメイトとその関連団体は、以前から亀井静香氏や鈴木宗男氏ら複数の政治家に献金を行なってきた。いまさら新聞が細かな記載ミスを問題視するのは、それが「小沢一郎と宗教団体」の関係であるからに他ならない。だが、政治と宗教との関係自体を問題視するなら、公明党と創価学会の関係はどうなるのか。
問題はまだある。ワールドメイトの一件が報じられた翌日、民主党の藤田幸久・財務副大臣が不動産所得と雑所得で約200万円もの記載漏れを訂正した。こちらは所得自体を隠していたのだから、小沢氏の件よりよほど問題が大きいはずだが、新聞はベタ記事程度しか報じなかった。「反増税」の小沢氏と、「財務副大臣」だと、こうも扱いが違うらしい。
「人物破壊」が権力者の暴走として起きる以上、問題は小沢氏だけでは済まない。小沢新党との連携を口にするだけで敵と見なされることになる。たとえば消費増税反対派を側面支援した河村たかし・名古屋市長率いる減税日本の名古屋市議は、「政務調査費でコミック誌を買った」という“政治とカネ問題”で新聞各紙に厳しく批判された。先の藤田副大臣の問題と同時期だったが、どちらが重大か考えるまでもない。
そして、既得権益集団が小沢氏の次に狙う「最大の標的」が、国政進出に意欲を見せる橋下徹・大阪市長である。橋下氏が掲げる「統治機構を変える」「既得権を液状化させる」という理念は小沢氏と通じる。それに加え、橋下氏は有権者に対する情報発信に長けており、世論の圧倒的支持を受けている。中央集権にこだわる既得権益集団にとっては、小沢氏と並んで最大の脅威である。
これまでにも橋下氏は、昨年の大阪ダブル選挙の際、週刊誌で「父と叔父が同和地区出身のやくざ」「従兄弟が殺人犯」などと報じられ、人物破壊キャンペーンの洗礼を受けた。が、橋下氏はそれを逆手に取り、街頭演説では「実の父が暴力団? 結構毛だらけだ」「今の権力構造を変えるには、坊ちゃんやお嬢ちゃんじゃできませんよ」とはねのけた。打たれ強いところは小沢氏と似ている。
親族の話程度では、橋下氏はびくともしない。が、それは既得権益派をますます苛立たせた。
「ホステスとの間に隠し子がいる」
この数週間、永田町関係者の間に、ひそかに流され始めたのが、「橋下徹・大阪市長の女性スキャンダル」だ。
情報の発信源は、自民党で政権トップまで務めた長老とも、マスコミ界の重鎮ともいわれる。
大阪が地元の自民党関係者が打ち明けた。
「橋下の女性問題に関する情報は、あるベテランの自民党議員が以前から親しくしている橋下氏の関係者から聞いた話を、自身の番記者を集めたオフレコ懇談で喋ったことでマスコミに広がった。オフ懇の内容を聞いた新聞記者らが一部週刊誌に情報を流し、ちょっとした騒ぎになっている」
この長老議員は気をよくして、「近いうちに橋下の女の話が表に出る」と周囲に吹聴しているという。記者たちが騒いだのは、情報源が大物であることもさることながら、内容にインパクトがあったからだ。
「大阪・北新地の名門クラブに勤めていた元ホステスとの間に隠し子がいる」
7人もの子供がおり子煩悩で知られる橋下氏に、愛人との間に生まれた隠し子−−事実とすれば、小沢氏の「夫人の手紙」同様の衝撃を世間に与えることができる。
しかもこの情報は、大阪ではかねて噂になっていたネタだけに、「やはり本当だったのか」と記者たちは色めきたった。
大阪の情報筋をあたると、「週刊誌の記者からさっそく問い合わせが来た」(大阪市役所関係者)、「近々記事になると聞いている」(市政担当記者)などと、ちょっとしたお祭り状態である。
本誌記者は、噂の元となった北新地の高級クラブを訪れた。20年の歴史を持つ老舗で、料金はひとり4万円を超える。クラブに勤務するベテランのホステスに話を聞いた。
「つい先日、二人連れで客として来ていた連中が、『仲良くしていたホステスは誰や?』とか色々聞いていった。記者さんや違うかって店でも話してたんですよ。橋下さんは大阪府知事になる前までは月に2〜3回程度来ていたけど、当時橋下さんが気に入ってた子も、男女の付き合いではなかったんやないかなぁ」
そのホステスはすでに在籍していないという。
果たして真相はどうなのか。橋下氏を取材すると、後援会事務所はこう答えた。
「先ほど本人に確認したところ、そのような事実はないそうです。今後どこまでこのような根も葉もない話が出てくるんだろうね、と本人は笑っておりました」
2012-07-10 11:45:53
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◆「小沢一郎を消せ」と命じた本当の黒幕は誰か 鳥越俊太郎×長谷川幸洋 週刊ポスト2012.7.13号 2012-07-02 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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関連記事:
<小沢元代表>コンサル会社から顧問料 毎月200万円
毎日新聞 7月2日(月)15時14分配信
民主党の小沢一郎元代表が、神道系の新興宗教団体「ワールドメイト」の代表、深見東州(本名・半田晴久)氏が社長を務めるコンサルタント会社「菱(びし)法律経済政治研究所」(菱研、東京都杉並区)の顧問を務めていることが、2日に公開された国会議員の関連会社等報告書(11年度分)で分かった。複数の関係者によると、10年12月ごろに就任し、議員歳費(月約130万円)を上回る毎月200万円の顧問料を受け取っているという。来年公表分も含めた今年6月までの総額は約3800万円に上るとみられる。
関係者によると、顧問料は10年12月から毎月末、小沢元代表の個人口座に振り込まれていた。関連会社等報告書と共に11年分の所得等報告書には「印税、出演料、顧問料、役員報酬、年金保険配当金等」の雑所得が約3002万円と記載されているが、個別の金額を書く義務はない。
一方、10年度分の関連会社等報告書には、菱研の顧問を務めていることの記載がなく、同年分の所得等報告書には、「講演料、出演料等」の雑所得として約700万円と記載している。11年分との差額は約2300万円で、1年間の顧問料とほぼ見合っている。
10年度分の関連会社等報告書への顧問就任の未記載は、罰則はないが国会議員の資産公開法に抵触する恐れがあり、毎日新聞が6月28日に小沢元代表の事務所に対して文書で質問したところ、事務所側は「事務的なミス」として未記載を認め、報告書を同日訂正した。
菱研は会員制コンサルタント会社として91年7月に設立。信用調査会社やホームページによると、4800人余の会員がおり、会費収入などで年間3億円超の売り上げがある。
ワールドメイトは静岡県伊豆の国市に本拠を置き、ホームページによると信者数は約7万人。91年に宗教法人の認証を得るため静岡県に申請したが認められなかった。
毎日新聞の取材に小沢元代表の事務所は顧問料の額などについて「コメントする立場にない」としている。菱研は「顧問に就任していただいた。弊社会員のパーティーで講話をいただいている」と文書でコメントした。【杉本修作、山田毅】
◇事実上の政治献金
岩井奉信・日本大学教授(政治学)の話 顧問の対価としては、金額が極めて不自然。事実上の政治献金ととらえられても仕方がない。関連会社等報告書は、企業・団体との特別な関係を明らかにしようというのが法律の趣旨だが、罰則やペナルティーがないため、記載漏れが繰り返される。小沢元代表は「政治資金はすべてオープンにしている」と言うが、それならばこうした報告書も記載すべきだ。
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小沢元代表に顧問料:報告書を即日訂正…「事務的ミス」
毎日新聞 2012年07月02日 15時29分(最終更新 07月02日 15時38分)
民主党の小沢一郎元代表に対し昨年、議員歳費を超える額の顧問料が東京都内のコンサルタント会社から支払われていることが、関係者の話や2日公開の「関連会社等報告書」(11年度分)などから分かった。企業・団体からの政治家個人への「寄付」は禁じられているが、「顧問料」には上限額を含めて規制はない。ただし、元代表は昨年公表の報告書に顧問就任を記載せず、毎日新聞の指摘を受け即日訂正した。【山本将克、町田徳丈】
小沢元代表が顧問に就任したのは、神道系の新興宗教団体「ワールドメイト」の代表、深見東州(本名・半田晴久)氏が社長を務める東京都杉並区のコンサルタント会社「菱(びし)法律経済政治研究所」(菱研)。
毎日新聞は6月28日、小沢元代表の事務所に顧問就任の経緯や時期、顧問料などの質問状をファクスで送付。元代表の事務所はその日のうちに、衆議院事務局に対し昨年公表した関連会社等報告書を訂正し、遅くとも11年4月1日時点で菱研の顧問に就いていたことを明らかにした。
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〈来栖の独白2012/7/10 Tue.〉
一言だけ。私は、『週刊ポスト』誌ほどには橋下氏をかっていない。
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◆いまこそ、小沢一郎氏に期待する〜久しぶりに政治の世界が面白くなってきた 2012-07-04 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
いまこそ、小沢氏に期待する
大阪日日新聞 ザ・論点 2012/07/03
久しぶりに政治の世界が面白くなってきた。私は小沢一郎氏の離党で、政界に「新たな期待感が持てるようになった」と感じている。
■無罪で堂々党首に
消費増税に民主野田政権の大義はない。小沢氏が再三指摘したように、明らかなマニフェスト違反だからだ。3年前の政権交代総選挙で、「消費税は上げない」との国民との約束を守って戦い続けているのは小沢氏で、破ったのは野田総理の側。その点を認めない新聞、テレビをはじめとする大手メディアの論調はおかしい。消費増税は2年前の参院選で自民党が主張して戦った。その政策を丸のみして増税にひた走る野田政権のおかしさに、国民は「うそつき」ともっと怒るべきなのに、矛先を小沢氏に向け続ける世論は自らの首を絞める行為だ。
小沢氏は、消費増税に反対票を投じてから、離党するまで意外に時間を要した。これは「党首となって新党を率いることへのためらい」と思われる。強制起訴による政治資金規正法違反事件では、数々の外部からの重圧に屈しなかった裁判官により一審無罪を得ながら、検察官役の指定弁護士の控訴で再び二審の被告の座に引き戻されたことで、政治の表舞台へ再登場することへのちゅうちょがあったのだろう。小沢氏はもっと自信を持ってことに当たってほしい。この難局を乗り切れる政治家は他に誰もいない。堂々と同志の議員を率いて新党を立ち上げ、党首として主張を貫き国民に信を問えばよい。
「なぜ消費増税がいけないか?」を、私は再三指摘している。財務省官僚が自らの利権を温存して国家財政危機を演じる異様さに加え、自身が大蔵省官僚だったからよく分かるが、消費税は国民にとって最も不公平な税制だからだ。その逆進制から低所得者層ほど負担は重くなる、富裕層は既に何でも持っているからますます消費は先細りして税収自体がどんどん目減りする。
■官僚の背後に米国
小沢氏が戦っている真の相手は、財務省をはじめとする霞が関官僚だ。政権交代で政治主導を掲げ、役人の既得権に次々と切り込んだ。それを東京地検特捜部は、担当検事がうその捜査報告書まで作成して検察審査会による小沢氏の強制起訴へ持ち込んだ。官僚にとって「どうしても抹殺したい相手」は小沢氏なのだ。国民はもっと素直に物事を考えて行動すべきだ。「反消費増税と反原発」の小沢氏を支持するか否かは、官僚支配継続を受け入れるか否かの選択にほかならない。
日本の官僚支配の根幹は対米追従と、既得権温存。米国が日本の政治家を抹殺する時は、主に検察を手先に使う。中国に接近した田中角栄氏と小沢氏、北朝鮮と仲がよかった金丸信氏、ロシアとパイプのある鈴木宗男氏、また米国と距離を置こうとした細川護煕氏と鳩山由紀夫氏は官僚の面従腹背で辞職に追い込まれた。現在の野田政権を見ればすぐ分かる。消費増税、原発再稼働、オスプレイ配備を含めた沖縄米軍基地、TPP参加と、どれも米国の喜ぶ政策ばかり進めている。
自民党政権時代には、各省庁に精通した“族議員”がいて、官僚も時としては気が抜けなかったが、民主党は駆け引き能力を持たない幼稚な集団。すぐ洗脳できて官僚の意のままに動き、特に財相経験者は菅総理でも野田総理でも、コロリと手中に落とせる高級テクニックを彼らは有する。
■増税阻止に不信任案
小沢氏は速やかに同志とともに内閣不信任案提出に動くと見る。今回ともに離党した者だけでなく、既に民主党を離れている仲間も多いから提出議員数は全く問題ない。消費増税に相乗りした自民党は、不信任案に反対すれば話し合い解散のきっかけを失い大連立に突き進むしかない。結果として総選挙は来夏まで延び、いざ解散時には小選挙区候補者調整が民自間で進まず、「大阪維新の会」をはじめとする消費増税反対の新興勢力と入り乱れる激戦となる。逆に賛成すれば、即解散総選挙で消費増税は参院可決できぬまま廃案。いずれにせよ、自民党にとって都合のいいシナリオは小沢氏の反乱で描けなくなった。
■橋下氏は大同に付け
反官僚、反増税、反原発という基本線で、橋下徹大阪市長は小沢氏と近い。しかし、関電の大飯原発再稼働容認をみても分かる通り、最近は根幹をなす政策で微妙なブレが見られる。既存政党や財界支持者との良好関係維持を意識しすぎ、民意とのズレが生じている。橋下市長は、今こそ愚直にマニフェストを守り続けて行動する小沢氏に手を差し伸べ、教えをこうべきだ。(新日本海新聞社 社主兼社長)
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