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毎週金曜日夜の官邸前・脱原発デモ「あじさい革命」 逮捕者が報じられない意味

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毎週金曜日夜の「官邸前・脱原発デモ」は、もう無視できない!野田(首相)を脅かす「あじさい革命」逮捕者が報じられない意味
現代ビジネス2012年年07月20日(金)経済の死角
 「これだけ官邸前に市民が集まるのは、40年ぶりです。長い闘いになる。再稼働されても、諦めずに頑張りましょう」
 ミュージシャンの坂本龍一氏(写真中央)はマイクを持って、こう訴えた。
 3月以来、毎週金曜夜の恒例になった首相官邸への反原発デモが7月6日も行われ、小雨が降る中、主催者発表で15万人(警視庁発表で約2万人)の大群衆が官邸の周囲を埋め尽くした。チュニジアのジャスミン革命になぞらえて「あじさい革命」と呼ばれる官邸前デモに参加したのは、若者のカップルや子供連れ、高齢者など様々。「再稼働反対」など、思い思いのプラカードを掲げ、抗議の声をあげながら歩く。500人動員された警察官と一部で小競り合いも起き、永田町一帯は騒然とした雰囲気に包まれた。
 参加者は、ツイッターやフェイスブックの呼びかけで集まった人がメイン。3月のスタート当初は300人程度だったが、雪だるま式に膨れ上がった。デモに参加した20代の女性は「みんな楽しそうで、気軽に参加できます」と答えた。主催する市民団体の一人も、「スタッフはデモなどで知り合った人たちが自然に集まった形で、100人以上がボランティアとして活動しています。みんな意見はばらばらですが、それでいい」と話す。
 デモでは、主催者側が終了時間を厳格に守るなど「規律」にこだわり、「40年前」('70年安保闘争)とはかなり雰囲気が違うのだ。実際、逮捕者はたった一人である。
「6月22日のデモの際、一人、逮捕者が出ました。しかし、公務執行妨害という微罪でもあり、マスコミには知らせていません」(警視庁広報課)
 当局にも、ある思惑がある。全国紙社会部記者が説明する。
「違法行為があれば当然、逮捕する。しかし、当局も無闇に逮捕者を出して、これ以上火に油を注ぎたくない」
 両者の思惑が妙に一致し、「革命いまだならず」なのだ。しかし、野田佳彦首相は6月、デモについて「大きな音だね」と表現し、反発を買ったばかり。今では、金曜日夜の外出予定もたてられないでいる。ニューヨーク・タイムズ東京支局長、マーティン・ファクラー氏は言う。
 「デモの背景には、国民が無視され続け、横に置かれていることへの憤慨がある」
 7月9日、反対運動を刺激するかのように、関西電力大飯原発3号機がフル稼働に達した。無視できない規模になったデモ---。着実に野田首相の足下を「あじさい」が脅かし始めている。
 「フライデー」2012年7月27日号より

          


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