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玄葉光一郎外相「尖閣安保適用」/衝突事件は日米安保の対象になり得ないというアメリカの逃げ口上

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中国、尖閣安保適用に反発 日米中戦略対話求める声
産経ニュース2012.7.26 00:09
 中国外務省は25日、玄葉光一郎外相が24日に沖縄県・尖閣諸島(中国名・釣魚島)は日米安保条約の対象との見解を示したことに「条約は日米の取り決めだ。中国を含め第三者の利益を損なうべきではない」と中国メディアを通じて談話を発表、強く反発した。
 中国は、尖閣をめぐり、日本の同盟国である米国の動向に神経をとがらせている。米国の「真意」を探るため、野田佳彦首相が米中両国に提案していた「日米中戦略対話」を早期に実施すべきだとの意見も出始めた。
 「尖閣諸島は日米安保条約に含まれる。クリントン米国務長官に確認した」。25日付の中国各紙は、玄葉外相が国会であらためてこう答弁したことを報道、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は1ページを割いて関連情報も詳細に伝えた。(共同)
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中国外交部、玄葉光一郎外相の尖閣に関する発言に反対
サーチナ 2012/07/25(水) 17:55
 玄葉光一郎外相がこのほど「尖閣諸島(中国名:釣魚島)は日米安全保障条約の対象である」と公言したことを受けて、中国外交部報道官弁公室は25日、「中国はこれに重大な関心をよせ、断固として反対を表明する」と強調した。中国国際放送局が報じた。
 玄葉光一郎外相は衆議院予算委員会で24日、「尖閣諸島は『日米安全保障条約』の対象である。この点は米クリントン国務長官に確認された」と公言した。
 これについて中国外交部報道官弁公室は「尖閣諸島は古来、中国の固有の領土であり、中国はこの点では争う余地のない主権を有している。第2次世界大戦後、米日が中国の領土である尖閣諸島をひそかに授受したことことは不法であり、無効だ。日米安全保障条約は冷戦時期の産物で、日米2国間だけの配置であって、中国を含む第3者の利益を損なってはならない。中国は、関連国がこの地域の平和と安定にプラスなことをを多くするよう希望する」と述べた。(編集担当:村山健二)
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オスプレイは尖閣諸島まで1時間で到着 上海も行動範囲に
サーチナ2012/07/24(火)19:13
 米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ12機が23日、反対意見が飛び交うなかで日本に到着した。日米両国の官僚とメディアは、オスプレイ配備は尖閣諸島(中国名:釣魚島)を共同で防衛するためでもあると示している。オスプレイは米軍のもっとも先進的な輸送機とされているが、今年起こした2回の墜落事故により、日本の国民は不安を感じている。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。
 英BBCは、森本敏防衛相が22日に「オスプレイ導入で(日米が)日本の南西方面を含む抑止力を高めることが重要だ」と発言したことを伝えた。BBCは、日本の南西方面は尖閣諸島と台湾海峡を指し、近年の日本の『防衛計画の大綱』と自衛隊の演習は南西の防衛の重要性を強調していると分析した。
 テレビ朝日は22日、専門家や防衛相などを招いて討論を行った。同局が作成した図を見ると、オスプレイの行動半径は沖縄を中心に、尖閣諸島だけでなく、上海など中国の一部都市にも及んでいる。
 メア前米国務省日本部長はフジテレビのインタビューに対し、「オスプレイは米軍普天間飛行場から尖閣諸島までわずか1時間で行くことができ、そのうえ、搭乗する作戦部隊と戦車の数も既存のヘリコプターより多い」と述べた。また、オスプレイ配備の最大の目的は日本の尖閣諸島防衛に協力することだと話した。(編集担当:米原裕子)
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アメリカに奪われた尖閣諸島 『月刊日本』 2012-07-25 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉 
 アメリカに奪われた尖閣諸島 7月24th,2012 by月刊日本編集部
■尖閣問題の背後に潜むアメリカの存在
 国力が低下すると、その国の周縁地域には遠心力が働く。ユーロ危機により財政再建が困難となっているPIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)が、広域国家・EUの周縁に位置しているのは偶然ではない。
 これは日本においても同様である。普天間問題をめぐる沖縄の人々の反発は、もはや民主党政権に地方の遠心力を押えこむ力がないことを表している。民主党がマニフェストで掲げていた地域主権は、今日において実質的な実現をみたのである。
 この遠心力が領土問題へと発展したとき、それは国家分裂を招くことになる。
 4月16日、シンポジウムに参加するためアメリカのヘリテージ財団を訪れていた東京都知事・石原慎太郎氏は、都が尖閣諸島の一部を購入する方針を決めたことを明らかにした。購入の対象として魚釣島と北小島、南小島の3島を挙げ、後に久場島も含めると発表した。
 石原氏の発表は日本中にナショナリズムを巻き起こした。尖閣諸島の購入や活用のために都が募集した寄付金は、6月には10億円を突破するまでに至った。メディアや世論の多くも、石原氏の決断を支持しているように見える。
 中国の脅威に対抗するために尖閣諸島を購入するというのは、領土を守るための一つの選択肢としては理解しうるものである。尖閣諸島の行政区域である石垣市の中山義隆市長もそれを支持している。
 しかし、このナショナリズムの陰に隠されている問題がある。それは尖閣諸島におけるアメリカの存在だ。以下では、この点に注目しつつ尖閣諸島を含む沖縄問題について論じていく。なお、本稿は、関西学院大学教授・豊下楢彦氏の論文「安保条約と『脅威論』の展開」に多く依っている。
■日本人が行くことのできない島
 尖閣諸島は5つの島と岩礁からなっており、都が購入対象とした4島は現在個人の所有となっている。残り1島の大正島は国有地である。
 社民党の照屋寛徳議員の質問主意書に対する、2010年10月22日付の菅政権の答弁書によれば、久場島と大正島は1972(昭和47)年5月15日より米軍に射爆撃場として提供され、米軍がその水域を使用する場合は原則として15日前までに防衛省に通告することとなっているが、1978年6月以降は通告がなされていない、という。そのため、それらは30年以上にわたり使用されていないものと考えられる。
 また、これらの区域に地方公共団体の職員等が入るためには「米軍の許可を得ることが必要である」とされている。つまり、これらの島嶼は実質的に米軍の管理下に置かれており、日本人が行くことのできない領土なのである。
 2010年に日本中を騒がせた中国漁船衝突事件は、この久場島沖の日本領海内で起こったものである。
 日本人が行くことのできない米軍管理下の領域内で起こった事件なのだから、島の防衛は米軍が担当すべきであったはずだ。また、日米安保条約に「抑止力」があるならば、漁船衝突という事件を防ぐこともできたはずだ。
 しかし、中国に対して沸騰したナショナリズムに押し流されて、こうした問題が問われることはなかった。
 その後、当時の外務大臣・前原誠司氏がクリントン国務長官から、尖閣諸島が日米安保の適用対象であるという言質を得て、「勇気づけられた」と感謝の意を表明することとなった。
 日本国憲法を堅持している以上、日本は米軍の力に頼らざるを得ない。前原氏のとった行動は、領土を守るための一つの選択肢としては理解しうるものである。
 しかし、そこにあるアメリカの不作為、島嶼をめぐる日米関係に目を向けないのであれば、それはあまりにも不誠実である。中国の属国となることを避けるためにアメリカの属国となることを選択する人間に、国益を語る資格はない。
■なぜアメリカは尖閣諸島を欲したのか
 久場島と大正島の米軍への提供は、昭和47年5月15日に開催された日米合同委員会において、日米地位協定2条1(a)の規定に基づき決定されたものである。
 同時に、日米地位協定では2条3において、「合衆国軍隊が使用する施設及び区域は、この協定の目的のため必要でなくなったときは、いつでも、日本国に返還しなければならない」とも定められている。
 30年以上も使用していないのだから、アメリカはもはや島を必要としていないはずである。それにも関わらずアメリカが返還しようとしないのはなぜか。
 ここで注目すべきは、それが決定された昭和47年5月15日という年月日である。すなわち、アメリカは沖縄返還と同時に尖閣諸島の提供を求めたのである。
 以下全文は本誌8月号をご覧ください。
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尖閣諸島購入問題の本質=「中立の立場」という無責任きわまりない米国の立ち位置を覆い隠す役割 2012-05-13 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉 
 「尖閣諸島購入」問題の本質 米国の立ち位置隠し
 豊下楢彦
 中日新聞 文 化 2012/5/10 Thu.
 石原慎太郎東京都知事が、尖閣諸島のうち個人所有の3島を都として購入する方針を明らかにしたことで、その狙いや賛否をめぐり議論百出の状態である。しかし、問題の本質をえぐった議論は提起されていない。
 石原氏は購入の対象として魚釣島、北小島、南小島の3島を挙げている。しかし、同じく個人所有の久場島については全く触れていない。なぜ久場島を購入対象から外すのであろうか。その答えは同島が、国有地の大正島と同じく米軍の管理下にあるからである。海上保安本部の公式文書によれば、これら2島は「射爆撃場」として米軍に提供され「米軍の許可」なしには日本人が立ち入れない区域になっているのである。
 それでは、これら2島で米軍の訓練は実施されているのであろうか。実は1979年以来30年以上にわたり全く使用されていないのである。にもかかわらず歴代政権は、久場島の返還を要求するどころか、高い賃料で借り上げて米軍に提供するという「無駄な行為」を繰り返してきたのである。ちなみに、一昨年9月に中国漁船が「領海侵犯」したのが、この久場島であった。それでは事件当時、同島を管轄する米軍は如何に対応したのであろうか。果たして、米軍の「抑止力」は機能していたのであろうか。
 より本質的な問題は、他ならぬ米国が尖閣諸島の帰属のありかについて「中立の立場」をとっていることである。久場島と大正島の2島を訓練場として日本から提供されていながら、これほど無責任な話があるであろうか。なぜ日本政府は、かくも理不尽な米国の態度を黙認してきたのであろうか。
 言うまでもなく日本政府は一貫して「尖閣諸島は日本固有の領土であり、領土問題などは存在しない」と主張してきた。ところが米国は、1971年に中国が公式に領有権を主張して以来、尖閣諸島について事実上「領土問題は存在する」との立場をとり続けてきたのである。
 とすれば日本がなすべき喫緊の課題は明白であろう。尖閣5島のうち2島を提供している米国に、帰属のありかについて明確な立場をとらせ、尖閣諸島が「日本固有の領土である」と内外に公言させること。これこそが、中国の攻勢に対処する場合の最重要課題である。これに比するなら「3島購入」などは些末な問題にすぎない。
 しかし、仮に同盟国である米国さえ日本の主張を拒否するなら、尖閣問題が事実として「領土問題」となっていることを認めざるを得ないであろう。その場合には、日中国交正常化以来の両国間の「外交的智慧」である「問題の棚上げ」に立ち返り、漁業や資源問題などで交渉の場を設定し妥結をめざすべきである。
 いずれにせよ、石原氏が打ち上げた「尖閣諸島購入」という威勢の良い「領土ナショナリズム」は結局「中立の立場」という無責任きわまりない米国の立ち位置を覆い隠す役割を担っているのである。
(とよした ならひこ)=関西学院大教授、国際関係論・外交史
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中国 東京都の尖閣購入計画に態度硬化させ軍艦等派遣も検討/「日本は20年後には地上から消えていく国」 2012-05-18 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉 
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石原慎太郎著『新・堕落論』
新潮選書2011/7/20発行

       

p77〜
 若泉にとってその時の会話はよほど肺腑をえぐるものだったらしく、彼はその後すぐに生まれた次男に核という名前をつけましたが。
 現代この時点で核戦略に関する議論は新しい技術体系を踏まえてさまざまあり得よう。核兵器による攻撃は弾道ミサイルで運ぶ以外に、潜水艦からの発射や巡航ミサイル、あるいは今日では宇宙船搭載による等。しかし日本という狭小な国家は、今日の水爆ならばただの2発で全滅してしまいます。そんな国が、例えばまず1発の水爆で半ば消滅しかけているのに、それを救うべく他の一体誰が自らの危険を冒して乗り出してくるだろうか。
 特に中国が「軍民統合、平戦結合、以民養軍、軍品優先」なる16文字政策によって1989年から2006年にかけての17年間に軍事予算をなんと8倍に増やし、核に関しても十分な抑止力を超えた装備を備えた今、彼らのいうように「中国の国防は純粋に自衛のためのもの」と信じる者はどこにもいません。今限りで中国がいずれかの国に対して直接武力による侵犯を行う意図はうかがえぬにしても、日本との間にある尖閣諸島周辺の資源開発問題や、あるいは領土権そのものに関しての紛糾の際に、その軍事力はさまざまな交渉の際の恫喝の有効な手立てとなってくるのです。
p79〜
 しかしその間中国の潜水艦は沖縄の島々の間の海峡を無断で通過するという侵犯を敢えて行い、日本側はそれに抗議するだけにとどまる不祥事がつづき、日本側は、本来なら警告の爆雷投下ぐらいはすべきだろうに放置してきました。これがもし日本の潜水艦が中国なり北朝鮮、いや韓国の領海にしても無断で押し入ったなら当然撃沈されるされるでしょう。それが「国防」というものだ。国防のためにすべきことを行わない国家にとっては、領土も領海も存在しないに等しい。
 この尖閣問題はさらに今後過熱化され、日本、アメリカ、中国三者の関わりを占う鍵となるに違いない。要はアメリカは本気で日米安保を発動してまで協力して尖閣を守るかどうか。守るまい、守れはしまい。
p81〜
 尖閣諸島への中国の侵犯に見られる露骨な覇権主義が、チベットやモンゴルと同様、まぎれもなく、この国に及ぼうとしているのに最低限必要な措置としての自衛隊の現地駐留も行わずに、ただアメリカ高官の「尖閣は守ってやる」という言葉だけを信じて無為のままにいるこんな国に、実は日米安保条約は適応されえないということは、安保条約の第5条を読めばわかることなのに。後述するが、アメリカが日米安保にのっとって日本を守る義務は、日本の行政権が及ぶ所に軍事紛争が起こった時に限られているのです。
 つまりあそこでいくら保安庁の船に中国の漁船と称してはいるが、あの衝突の(略)アメリカはそれを軍事衝突とはみないでしょう。ましてその後ろにいるのが中国としたら、アメリカの今後の利害得失を踏まえて本気のコミットメントは控えるに決まっている。
  安保条約への誤解
 ちなみに現時点ならば、核兵器に関しては別ですが日本が独自に保有する通常兵器での戦力は中国を上回っています。(p81〜)F-152百機による航空集団はアメリカ空軍に次ぐ世界第2の戦闘能力があり、その訓練時間量は中国の寄せ集め機種での実力に勝っているし、制海権に関しても関しても保有する一次に7発のミサイルを発射し得る6隻のイージス艦を旗艦とする6艦隊は中国の現有勢力に十分対抗し得る。予定のイージス艦10隻保有が達成されれば日本独自で制海権を優に獲得し得る。ということを、政府は国民に知らしめた上で尖閣問題に堂々と対処したらいいのです。
 もともと尖閣諸島に関する日中間の紛争についてアメリカは極めて冷淡で、中国や台湾がこれら島々の領有権について沖縄返還後横槍を入れてきていたので、日本はハーグの国際司法裁判所に提訴しようとアメリカに協力を申し入れたのに、アメリカは、確かに尖閣を含めて沖縄の行政権を正式に日本に返還したが、沖縄がいずれの国の領土かということに関して我々は責任を持たないと通告してきています。
 さらに、かつて香港の活動家と称する、実は一部軍人が政府の意向に沿って民間船を使って尖閣に上陸し中国の国旗を掲げたことがありましたが、一方同時に沖縄本島ではアメリカ海兵隊の黒人兵3人が小学校5年生の女の子を強姦し県民が激怒する事件が重ねて起こりました。
p83〜
 その時アメリカの有力紙の記者がモンデール駐日大使に、尖閣の紛争がこれ以上拡大したら、アメリカ軍は安保条約にのっとって出動する可能性があるかと質したら、大使は言下にNOと答えた。
 しかし不思議なことに日本のメディアはこれに言及せず、私一人が担当していたコラムに尖閣の紛争に関してアメリカの姿勢がそうしたものなら安保条約の意味はあり得ないと非難し、それがアメリカ議会にも伝わり当時野党だった共和党の政策スタッフがそれを受け、議員たちも動いてモンデール大使は5日後に更迭されました。
 丁度その頃、アメリカでは中国本土からの指令で動くチャイナロビイストのクリントン政権への莫大な献金が問題化しスキャンダル化しかかっていたが、それとモンデールの発言との関連性ははたしてあったのかどうか。(略)
p84〜
 さて、尖閣諸島の安保による防衛に関してのモンデールの発言ですが、実はこの発言には、というよりも安保条約そのものにはある大切な伏線があるのです。はたして彼がそれを熟知して発言したのかどうかはわからないが。
 彼だけではなしに、政治家も含めて日本人の多くは、安保条約なるものの内容をろくに知らずに、アメリカはことが起こればいつでも日本を守ることになっていると思っているが、それはとんでもない思い込み、というよりも危ない勘違いです。
 「各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全をあぶなくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続きに従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
 前記の武力攻撃およびその結果として執ったすべての措置は、国際連合憲章第51条の規定に従って直ちに国際連合安全保障理事会に報告しなければならない。その措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全を回復し及び維持するために必要な措置を執ったときは、終止しなければならない」(日米安保条約第5条)
p85〜
 ここで規定されている日本領土への侵犯を受けての紛争とは、あくまで軍事による紛争です。尖閣でのもろもろの衝突事件は日米安保の対象になり得ないというアメリカの逃げ口上は条約上成り立ってしまう。
 だからヒラリー国務長官がいくらアメリカは日本の尖閣を守ってやると大見得を切っても、その後彼女の子分のクローリー国務次官補が圧力をかけてきて日本の政府にああした措置をとらせてきたのです。
 日米安保に関するもう一つの大きな不安要素については、ほとんどの日本人が知らずにいます。
 それはアメリカのれっきとした法律、「戦争権限法」だ。これは戦争に関する大統領の権限を強く拘束制限する法律です。大統領はその権限を行使して新しい戦争を始めることは出来るが、それはあくまで剥こう60日限りのことで、その戦争のなりゆき次第で議会は60日を過ぎると行われている戦争に反対しそれを停止させることもできるのです。
 しかしこれは彼等白人同士の結束で出来ているNATOが行う戦争には該当され得ない。
p86〜
 だから現在アフガンで行われている不毛な戦闘には適応され得ないが、彼等が作って一方的に押しつけた憲法にせよ、それをかざして集団自衛権も認めず、日本にとっても致命的なインド洋のタンカールートを守るための外国艦船への海上給油作業も止めてしまうような国での紛争に、果たして長い期間の戦闘を議会が認めるのかどうか。ここらは日本人も頭を冷やして考えた方がいい。
 私の発言でモンデールが更迭された後、フォーリーが就任するまでなんと1年近くもの間アメリカの駐日大使は不在のままでした。つまり日本などという国には、ことさら大使を置かなくとも何の痛痒も感じないということだろう。


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