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「民主党政権が1日でも長く続くのは国の為にならない」元防衛相・農水相 石破茂 

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民主党政権が1日でも長く続くのは国の為にならない 自民党は“日本にふさわしい憲法をつくる”結党の原点に戻れ
神戸発:ラジオ政論 JBpress2012.08.10(金)
 自民党衆議院議員の石破茂氏をゲストに迎えた今回の『中山泰秀のやすトラダムス』(Kiss FM KOBEで毎週日曜24:00-25:00放送)。防衛相、農水相を歴任した石破氏が、日本の国防問題や政治の課題などについて論評した。
■北朝鮮や中東を訪れ、肌で感じた国防への危機感
中山 防衛庁長官、防衛相のご経歴から、石破さんといえば「防衛」のイメージが強いですが、防衛を自らの活動の中心に据えたきっかけは何ですか。
石破 「要するに好きなんだろう」と言われますけれども、確かに私は護衛艦も戦車も戦闘機も好きです。好きでなければこの仕事をやってはいけないと思うんです。
 護衛艦や戦車が好きだと言うと、それが“戦争大好き”とか“殺人鬼”を意味するような話になるんですが、それは違います。好きであらばこそ殺人の道具に使ってはならない。
 これは私だけでなく、現場にいる自衛官たちが一番よく分かっていることです。
 私が今の仕事に就いた理由は2つあります。1つ目は当選2回の時、北朝鮮をこの目で見たことです。今から20年前、当時はまだ日本人拉致問題も表に出ておらず、ミサイル発射や核実験なども行われていませんでした。
 ちょうど金日成初代主席の80歳の誕生日ということで、自民党、日本社会党、公明党などの超党派で訪問団をつくり、羽田からチャーター機で祝福に向かったのです。
 そこで、こんな国があるのかと大きなショックを受けました。なぜなら、北朝鮮では徹底した反日、個人崇拝が貫かれていたからです。
 例えば、現地のビルやダムの建設現場を日本人妻の案内で訪れると「一度も事故を起こさずに予定よりもはるかに早く工事が進捗している。全て偉大なる金日成様のお陰である」と解説される。
 このように皆がマインドコントロールされていて、異を唱える人はおそらく強制収容所に入れられてしまうんでしょう。その現実を実際に見て、「この国は必ず何かやる」と直感したのです。
 第2のきっかけは湾岸戦争終結後、医療や難民救済のために個人志願した医師・看護師たちと一緒にイラン、イラクを訪れた時のことです。そこで目の当たりにしたのは、1つの山を越えると別の国があり、違う宗教を信仰する人たちがいるということ。
 周囲を海に囲まれている日本人にその感覚はないかもしれませんが、例えば一夜のうちに1万人以上もの難民が押し寄せてきてテントを張っている光景も目にしました。
 冷戦時代にはなかったこうした状況を見て、「今後はこういう時代が来るのだ。防衛を真面目に考えないと大変なことになる」と肌で感じましたね。
 かつては国防を語ると、右翼じゃないか、好戦的じゃないかと言われました。また、年配の先生たちが「日本はこんな状態でいいのか!」と気炎を上げるのが国防部会で、近寄りにくかったと思います。
 しかし新しい時代の防衛議員は、法律や国際情勢に精通し、かつ戦闘機や戦車、艦船に何ができて何ができないのかを知ることが、これからもっと重要になると思います。
■オスプレイは「日本ができないこと」をやってくれる
中山 森本(敏)防衛相が米国を訪問して米新型輸送機オスプレイに試乗しました。これに対して沖縄県の仲井眞(弘多)知事が「何の意味があるのか」と批判しています。
 良い意味で地方分権が進化している中ではありますが、一地方である沖縄の首長が日本全体に関わる国防問題を揺るがしかねない状況になっています。
 石破さんはオスプレイ配備計画についてどうお考えですか。
石破 現在配備されているCH46ヘリコプターは、寿命がきて更新時期を迎えています。
 CH46は以前に自衛隊でも使用されており、昭和60年に起きた日航機墜落事故の際の生存者救出にも使われました。しかし、導入後50年以上が経過しており、今は使用されていません。
 これに代わる航空機は、オスプレイしかない。オスプレイは私が生まれる前の1953年くらいから開発が始まり、もう60年近く経っている。何度も失敗を重ね、何十人もの米国兵が命を落とし、日本円で約2兆円の予算を投じて開発されたものです。
 オスプレイは今後の米国における国防戦略の要です。今、日本にとっては尖閣諸島問題、アジア諸国にとっては南シナ海の領有権問題など、中国の影響力がどんどん拡大しいる。
 そこに従来の2倍のスピード、3倍の搭載量、そして5倍の航続距離を誇るオスプレイを展開すれば、アジア太平洋地域の平和と安全に大きく寄与するはずなんです。
 また、東日本大震災の時に米海兵隊は「トモダチ作戦」を通じて多大な支援をしてくれました。私も何度も被災地を訪れましたが、本当にありがたいと皆が言っていた。ここにオスプレイが入っていたら、もっと多くの方が助かったのではないかと思います。
 あるいは朝鮮半島で何が起きるか分かりませんよね。仮に朝鮮半島で日本人が危難に遭遇した場合、海・空自衛隊は法律上助けに行くことができません。
 なぜなら、外務相は輸送の安全が確認された場合に限って防衛相に対して自衛隊の出動を要請でき、危険な場合には派遣できないのです。これは自衛官が行きたがらないのではなく、法律がそうなってしまっている。
 そこで実際に動くのは米海兵隊ですが、その時に従来機よりもはるかに性能が高いオスプレイが投入されたら、どれだけ日本人の安全を保てるかということです。要するに日本ができないことを代わりにやってくれる航空機なのですから、政府はその事実をきちんと語るべきです。
 オスプレイはまるで世界一危険な航空機であるかのように言われていますが、事故が起きやすいのはヘリコプターモードと固定翼モードを切り替える時です。機体に問題があって生じた事故もありますが、多くはパイロットの操縦がメカニズムに順応できなかったことによるものなのです。
■オスプレイ配備に関する野田首相の発言は無責任
中山 石破さんが指摘された点に関連して、8月5日の産経新聞でも「同じパイロット関与 米・アフガンの墜落2事故」というニュースを取り上げています。
 記事によると今年6月に米フロリダ州で起きたオスプレイ墜落事故の操縦士が、2010年4月にアフガニスタンで起きた墜落事故の際に副操縦士を務めていたことが明らかになったそうです。このニュースについてどう思われますか。
石破 オスプレイは今まで何度も事故を起こしていて、その都度改良を重ねてきました。よくテレビでオスプレイ墜落の画像が紹介されますが、あれは1991年当時の画像です。つまり試作5号機ですから、まだ初期のモデルなんです。
 大事なのは、オスプレイがどんな航空機で、どのように整備され、誰が飛ばすかということです。例えば、初めて操縦するにしても、経験の浅いパイロットとベテランのパイロットでは大きく異なります。
 そういうポイントを一つひとつ検証したうえで「日本政府としてオスプレイの飛行に責任を持つ」と言わずに、どうやって住民を説得できるのでしょうか。
 野田(佳彦)首相は、当初「米国が配備するのだから日本は言える立場にない」とか「米国が安全と言っているのだから安全だ」という発言をしていました。一体どこの国の政府なのかと聞きたくなりますよ。
 何を配備するかは米国が決めることです。しかし、先に述べたような運用上のポイントについては、きちんと検証したうえで、政府は責任を持って事実を国民に伝えるべきです。
 また私は、この問題が起こった最初の頃、こう提言しました。「日米地位協定に基づく合同委員会は、日米のどちらかが開催を求めた場合に開かれることになっている。なぜそれをやらないのか」と。
 すると、やってみなければ分からないのに「米国はきっと受けてくれないですよ」と返答してきました。
 日本は主権独立国家なのですから、米国側に言うべきことは言うべきです。同時に、オスプレイの配備でどれだけ抑止力が高まるか、あるいは首都直下型地震や東南海地震などの自然災害が発生した場合、日米が協同して多くの人を助けられるということを、政府が国民にきちんと説明しなければいけません。
■民主党がやったことは「詐欺」。もう一度国民に信を問う必要がある
中山 国会では衆議院解散への動きがありますが、石破さんはどう見ていますか。
石破 社会保障と税の一体改革に伴う消費税増税は、いつかは言わなければならないことでした。ただ、今回野党である我々が民主党に協力するには、2つの条件がありました。
 1つは、民主党が3年前の衆議院総選挙で掲げたマニフェストについてです。
 あの時民主党は「消費税を上げる必要はありません」とか「自民党は無駄ばかり。無駄を削減すれば16兆8000億円の財源を作れます」あるいは「子ども手当がほしい人は民主党、いらない人は自民党」などと主張し、政権交代を果たしました。
 でも、嘘だったわけでしょ。消費税を上げないと言ったのだから、せめて「嘘でした。ごめんなさい」くらいは言ってもらわないと。
 もう1つは、与党として法案を出しているのだから、当然ながら与党をまとめるべきだということ。
 しかしいざ採決してみると、離党して新党を結成する議員がいたり、あるいは民主党内にいるのに「反対だ!」と言って回っている議員もたくさんいるのが現実です。
 自民、公明党に協力を呼びかける以前に、まずは自分の党をまとめるのが先ですよ。
 消費増税はもともと自民党が主張していたことですし、公明党も社会保障については一生懸命に考えている。民主党は嘘でたらめを言って当選したのだから、もう一度国民に信を問うのは当然でしょう。
 民法でも、詐欺による意思表示は取り消すことができます。これは一種の詐欺なのだから、国民は取り消しを求めることができるんです。
 これは決して党利党略ではなく、主権者である国民の権利をどう守るかの話です。国民が誰の言うことなら本当に信じられるのか。それを選び直すということは、主権者の権利を実現することだと私は思います。
■消去法でなく、前向きに選ばれる自民党になるために原点回帰を
中山 今の自民党について、石破さんはどのように見ていますか。
石破 3年前に自民党が大敗した理由は、民主党を支持した人が多かったこともありますが、それ以上に「自民党がおかしい、一回代わった方がいいのでは」と思った人がたくさんいたということだと思っています。
 大臣はすぐに代わるし、医療制度で「後期高齢者」なんて身も蓋もない言い方をしたりと、自民党はどこか国民と離れていた部分があったのではないか。
 しかし、自民党がダメだから民主党に代えてみたらもっとダメだった。ではまた自民党かというと、有権者は躊躇するわけです。やはりどこが支持されなくなって、どう直したのかを示すことは必要です。
 民主党がこれだけガタガタの時に、一気に攻めないでどうするのかと思います。自民党には与党時代のプライドもありますから、全てをかなぐり捨てることはできません。しかし、民主党政権がこのまま続いていいわけがない。
 多少の返り血を浴びることを恐れていては何もできないと思います。私は執行部ではないので、勝手なことを言っているだけかもしれませんが。
 いずれにせよ、このまま民主党政権が1日でも長く続くことは国のためになりません。何か起きてからでは取り返しがつかないという危機感を持つべきだと思います。
*中山 泰秀(なかやま・やすひで)氏
 前衆議院議員(自由民主党所属)。1970年大阪市北区生まれ。電通勤務を経て政治の道へ入る。2003年衆議院総選挙で初当選、2007〜2008年8月まで外務大臣政務官を務める。
中山 もし、石破さんが自民党総裁になった場合、どんな政治を目指したいですか。
石破 真実をきちんと見極めようと思います。真実を語るとあまり受けないのですが、それを語る勇気を持つことが大事です。
 そして、勇気を持って真実を語ったとしても、「何をいい格好しているんだ」と思われては意味がありません。「あいつの言うことなら本当だ」と思われる真心を持ちたいですね。
 自民党は、結党の原点に戻るべきです。日本にふさわしい憲法を作るのが結党の原点であり、国民に「自分の近くにいてくれる政党」だと思ってもらえるのが本来の自民党のはずです。
 せっかく野党にいるのだから、どこがいけなかったのかをしっかりと見直すこと。そして、民主党がダメだからではなく、「やっぱり自民党がいいから」と前向きに選んでいただけるようになりたいですね。
中山泰秀のやすトラダムス』 8月5日 24:00-25:00放送
*中山 泰秀(なかやま・やすひで)氏
 前衆議院議員(自由民主党所属)。1970年大阪市北区生まれ。電通勤務を経て政治の道へ入る。2003年衆議院総選挙で初当選、2007〜2008年8月まで外務大臣政務官を務める。
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