「占領シナリオ」通り 政府無策のツケ露呈
産経ニュース2012.8.16 00:57
沖縄県・尖閣諸島に香港の活動家がいとも簡単に上陸したことで、民間人を偽装した海上民兵らによる「尖閣占領シナリオ」の危惧が現実味を帯びてきた。海上保安庁は上陸を許したことについて「強硬手段を用いない」との政府方針を明かしたが、仮に武装公船が抗議船メンバーの援護に駆けつけていれば、対応できなかった可能性がある。
日本政府内では、中国は秋の共産党大会での指導者交代までは対外的な高圧姿勢は控えるとの見方が大勢だった。だが、7月には漁業監視船が初めて3隻で領海侵犯するなどむしろ挑発をエスカレートさせていた。香港の衛星テレビによると今回、活動家らは尖閣に中国国旗まで立てた。
直接的な引き金は東京都や政府による尖閣購入計画とみられる。日本側が尖閣の実効統治を強めようとした直後、中国側は威嚇で切り返してきたとの構図だ。
日本政府が今回最も懸念を強めていたのは、中国政府が抗議船の行動を黙認していたことだ。政府高官は「国民に強まる大国意識とそれに比例するナショナリズムのガス抜きを図っている」と指摘する。だとすれば、同様の挑発行為が続発する危険性は高い。
尖閣をめぐる挑発行為への対応について、防衛省・自衛隊はこの1年あまり検討と演習を繰り返してきた。7月末には、岩崎茂統合幕僚長が尖閣出動に関する対処方針の策定も指示したばかりだった。
防衛省が想定したシナリオは(1)漁民や海上民兵が不法上陸(2)漁業監視船など武装公船が海保と警察を威嚇(3)南西諸島に武力侵攻−というものだ。抗議船メンバーの上陸はこの第1段階に向けた「予行演習」ともいえる。
今回は出港から時間的余裕があったため、沖縄県警は尖閣で待ち受けることができたが、闇夜にまぎれて上陸し、仮に武装までしていれば県警の装備では対応しきれなかった。
平時から自衛隊が海上保安庁、警察を支援できる法体系として「領域警備法」を整備しておくことは不可欠だが、野田佳彦首相が同法の整備を検討した形跡はなく、日本政府の無策のツケが露呈したといえる。
法整備をはじめ対策強化を早急に進めなければ「占領」という取り返しのつかない事態になる。(半沢尚久)
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◆尖閣 自衛隊統幕長が策定指示/課題は出動時期と、迅速な意思決定を含む政府レベルの対処のあり方 2012-08-13 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
尖閣不法上陸 今度は厳正な刑事処分を
産経ニュース2012.8.16 03:26 [主張]
尖閣諸島沖の日本領海内に香港(中国の特別行政区)の抗議船が侵入し、活動家7人が魚釣島に上陸した。沖縄県警は船に乗っていた者を含め14人を入管難民法違反などの疑いで逮捕した。野田佳彦政権は、中国による尖閣奪取への備えを一段と強めるべきだ。
野田首相は「法令にのっとり厳正に対処する」と述べた。これをきちんと示してほしい。
外国人の尖閣不法上陸は小泉純一郎内閣の平成16年3月、中国人活動家7人が魚釣島に上陸して以来だ。その際は沖縄県警が7人を逮捕しながら政治判断で送検を見送り、中国へ強制送還した。今回は逮捕者を送検、起訴し、国の断固たる姿勢を示す必要がある。
2年前の9月に起きた中国漁船衝突事件では、石垣海上保安部が中国人船長を公務執行妨害などの疑いで逮捕したものの、那覇地検が外交的配慮を理由に船長を処分保留で釈放した。このようなことを繰り返してはならない。
8年前は、逮捕までに時間がかかったが、今回は警察官や海上保安官らが事前に上陸し、備えていた。しかし、それでも、予測されていた活動家の不法上陸を阻止できなかったことは問題である。
今国会で審議中の海上警察権強化のための海上保安庁法改正案の早期成立に加え、海保の巡視船の増強や海上保安官の増員がさらに急がれる。尖閣諸島への漁業中継基地建設や警戒監視レーダー設置などの有人化対策も急務だ。
中国当局の意図は分からないが、中国共産党機関紙、人民日報系の国際情報紙、環球時報は「日本が強硬手段に出れば、中国は断固として報復すべし」とする社説を書いている。
活動家でなく、漁民を装った海上民兵が分乗した中国漁船が大挙して不法上陸した場合、海保や警察だけでは対応しきれない。漁船に中国の漁業監視船や海洋調査船などの公船が加われば、さらに深刻な事態が予想される。
野田首相は先月末の衆院本会議で、尖閣への自衛隊出動を検討する考えを示した。これを受けて、自衛隊も尖閣出動に関する対処方針の策定に動いている。自衛隊法に基づく海上警備行動など自衛隊の運用の仕方が検討されているとみられる。
南西諸島への自衛隊配備を含め、日本固有の領土である尖閣の万全の守りを固めるときだ。
「粛々と裁判に」石原知事 「首相は生命賭して尖閣に行ったらいい」
産経ニュース2012.8.15 20:53
「不法入国でしかも事前通告している確信犯なのだから、法律に則って粛々と裁判にかけたらいい」
東京都の石原慎太郎知事は15日夜、香港の団体メンバーが尖閣諸島(沖縄県石垣市)へ不法上陸したことについて、都内の自宅前で記者団にこう強調した。
都の尖閣購入計画のスケジュールなどへの影響は「まったくない」と語り、「海上保安庁などで有人の監視所を作り、気象の観測などもやったらいい」と指摘。一方で「野田(佳彦首相)が尖閣に行って見てきたらいい」と首相に尖閣視察を促し、「首相がこの段階になって行かないのは怠慢。消費税は生命を賭してやったんだから、生命を賭して尖閣に行ったらいいじゃないか」と話した。
都庁関係者は、「都が購入したとしても国境警備はどうにもできない。やはり国がしっかりしてくれなければ」と政府の毅然とした態度を求めた。
都の口座にはこれまでに約9万7千件、計14億円超が集まっており、都は購入に向けた価格などの調査のため国に上陸許可申請を検討している。魚釣島などを海上から2度視察した都議の野田数(かずさ)氏(無所属)は「今回は事前通告での上陸だったが不意を突かれた上陸を許せば“第二の竹島”となるおそれも出てくる。国は都の上陸を認め、都による実効支配の強化を見守るべきだ」と語った。
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◆ 「野田総理、国民を代表してあの島〈尖閣〉に行って見てほしい」石原慎太郎 2012-08-13 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
石原慎太郎 総理は尖閣に行ってほしい
産経ニュース2012.8.13 03:08[日本よ]
最近の国政に関して笑止千万なことは、韓国の大統領が人気稼ぎに竹島に上陸視察してみせたことに政府筋は大使を呼び戻したりして怒ってみせているが、そんなことは外交手続きのただの形式であって何になるものでもない。ということを政府、特に外務省は知り尽くした上でのただ無難なジェスチュアで、これで政府が何の責任を果たしたことにもなりはしない。相手にしても痛くも痒くもない話だ。
現今の外務省なる役所には国家を代表して自らの国の利益を守るという気概が一向に感じられない。来日した?小平に尖閣問題は後世の者たちの知恵にゆだねようといわれて狂喜したのは外務省であり、自民党政府もそれに引きずられて今日の体たらくとなったのだ。
日本の今日の国の役所というのはどう眺めても強固な利益集団で、その基盤には役人個々の保身があり、それが引き金となってやっかいな問題を身を挺(てい)してでも解決するという姿勢が欠落してしまった。その一つの証左に、かつて日米大戦の火蓋が切られた際在アメリカの日本大使館の手違いで開戦の通告が遅れ、真珠湾攻撃は卑劣な行為と見なされる恥をこうむったが、その責任者はなんら咎(とが)められることなく出世のレールに乗って行った。
もっとも戦後にも気骨のある役人はいて、田中角栄総理が強引に日中国交回復を行い、幾つかの実務協定を約束した際、ソヴィエトロシアの空が一切閉ざされていた当時、シナの上空を通過すればヨーロッパ行きのフライトの時間が大きく短縮される筈の航空協定に関してシナ側が一歩も譲らず、日本にとって一番利益の多いはずの航空協定が田中総理の一存で座礁してしまい、これに激昂した外務省の志のある役人たちは、この一方的な協定に反対していた青嵐会の仲間に田中総理と周恩来の間の密電をすっぱぬいて悔し泣きしていたものだったが。
その後外務次官のある発言についてシナ側が反発し、そのために彼の当然の再任が閉ざされてしまい、あれを契機にことシナに関する外務省の姿勢はアメリカに対する以上に卑屈なものになってしまった。
日本の政治団体「青年社」が現地の過酷な条件の中で死者まで出して建設してくれた、あの危険な水域の安全保持のための灯台を、海上保安庁の指導も得て二、三改修の後正式な灯台として海図に記載させようとしたら、外務省の「時期尚早」という横槍で、後々二十年近く登録されずにきた。正規な発光物が正規に登録されていないと、荒天の際にはむしろ危険なものとなりことは人命にも関わるのに、そう説明しても日本の政府を代表する外務省はシナに気がねしてそれを無視した。さらに国会で有志議員たちが超党派で尖閣の視察を委員会で正式に議決しても政府の横槍で保安庁の船を出させない。
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そして先般のシナの特殊船による保安庁の監視船への意識的な衝突があり、その犯人を政府は一地方検事の裁断として責任転嫁し一夜にして釈放してしまい、犯人の船長はシナでは英雄として迎えられた。
今年の春先「人民日報」は、尖閣はシナにとって核心的国益でありそれを守るために我々はさらに果敢な行動に出る。そのために必要な機材も準備すると発表した。それを見て私は、政府に代わってでもあの島々を守るために取得し、いくつかのインフラも整備してあの島々を守らねばと決心したのだが。
それに呼応して多大な数の国民からの献金があり、国土の防衛に関する国民の意識の高さをようやく認識したのか政府は突然尖閣諸島は国が購入する意思があると表明しだした。そして政府の走り使い程度の政治家が何の具体策も持たず、持ち主と国との過去の経緯も知らずに電話程度で接触してもどうなるものでもあるまい。
東京都としてもあの島々をただいたずらに抱え込むつもりなど毛頭ない。しかしもし今回の竹島への韓国大統領の視察に政府として危機感を感じているなら、なぜ総理自身が現実にシナに脅かされている尖閣諸島に上陸視察し国家としての領土に関する意思表示をしないのか。
それもせずにただ国家の権威をかざして島は国が買ってやるというのでは。まず総理自らが現地に赴いて、石垣の零細な漁民たちのために現地で嵐を避ける漁港を南小島に作ったり、本島ともいうべき魚釣島に有人の、周囲の海の監視施設等を作り、最小限いかなる施設を島に造成し国土を守るかの意思を示すべきだろうに。
私が国に代わってでもあの島々を買い取って守りたいと表明した後、知己のあるアメリカ政府のかつての高官二人が同じコメントを述べている。元米国防総省日本部長のジム・アワーと元米国務副長官のリチャード・アミテイジだが、先般訪日したヒラリー国務長官も尖閣諸島は日米安保の対象になると明言してはいるが、しかし要は日本の政府自身が本気で国土を守る意思があるのか、ことがさらに白熱化した際、国民の財産を守るために本気で、つまり犠牲を払ってでも国土を守る決意があるのかどうかということだ。
尖閣におけるホットフラッシュが今後どのような形で高まるのかはまだ分からぬが、その抑制のためにも、本当にその気があるなら、一国の最高指導者たる総理大臣が、敗戦後のどさくさに奪われて残念ながら半ば規定化しつつある竹島もさることながら、現に犯されようとしている国土を国民の意思を背負うて、彼の好きな言葉を借りれば、生命を賭してでも守るために、まず彼自身が尖閣の島々を訪れ、あれらの島々を具体的にどうやって守り抜くかを表明すべきではないか。
野田総理、国民を代表してあの島に行って見てほしい。
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◆野田総理、竹島を訪問せよ/「遺憾である」との文言は封印し、行為(かの地を踏むこと)によって領土を守れ 2012-08-10 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
〈来栖の独白2012/8/10 Fri.〉
野田総理は竹島を訪問せよ。早急に訪問せよ。韓国が本日為した事と同等のことを為せ。併せて尖閣へも上陸せよ。
北方領土は、メドベージェフ首相がこれを訪問している。野田首相も、北方領土訪問すべきだ。
向後、「遺憾である」との文言は封印せよ。口で言うな。態度(かの地を踏むこと)で領土を守れ。二度と虚しいこと(「遺憾である」)を言うな。
国内(閣僚議員の言葉)の問責ごっこは、ほどほどにせよ。森本防衛相の発言ばかりが視野のうちで拡大し、李明博大統領の影が薄くなってゆく。問題が対森本防衛相という構図(政局)に矮小化され、李明博の訪問が忘れられる。
ちっぽけな政治屋たち、今わが領土が未曽有の国難にあることを自覚せよ。沖縄の基地移転、オスプレイ配備の問題、李明博の竹島訪問・・・これらを中国が小躍りしながら見ている。
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命懸けて守ると韓国大統領 竹島訪問で、首相は「遺憾」
【ソウル共同】韓国の李明博大統領は10日午後(日本時間同)、日韓両国が領有権を主張し韓国が実効支配する島根県の竹島(韓国名・独島)に上陸、約1時間10分滞在した後、空路ソウルに戻った。
同行した韓国の代表取材団によると、大統領は竹島滞在中、警備隊員に「独島は間違いなくわが国領土で、命を懸けて守らねばならない価値がある。誇りを持って守っていこう」などと話した。
野田佳彦首相は10日午後の記者会見で「到底受け入れることはできず、極めて遺憾だ」と述べ、強い不快感を表明した。日韓関係がさらに緊張するのは不可避の情勢だ。
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森本防衛相発言要旨
森本敏防衛相の10日午前の閣議後の記者会見と、午後の臨時会見での発言要旨は次の通り。
【閣議後の会見】
−李明博韓国大統領がきょうにも竹島を訪問する。防衛省としての対応は。
情報収集に努めている。関係省庁と連携をして、われわれの対応を今後決めていきたい。
−この時期に大統領が竹島訪問することをどう考えるか。
日本の防衛政策と少し次元の違う話なので、個人的な印象を言うことは控えたい。防衛省・自衛隊がこの問題にすぐに何か対応するということではない。これは韓国の内政上からくる要請によるものだという印象を私個人としては持っている。韓国が内政上の判断でお決めになったことだと考える。
−内政上の要請と言ったが、防衛相としてどう考えるか。
それは全ての国に内政があって、日本にも日本の内政がある。他の国の内政にほかの国がとやかくコメントするのは控えるべきだ。
【臨時会見】
−防衛相の発言に野党が反発しているが真意は。
本日、韓国大統領が竹島を訪問した。これはわが国の竹島に関する基本的な立場と全く相いれず、決して受け入れられないという趣旨だ。他方、どうしてこの時期に韓国大統領が訪問したのかということは、私は多分、内政上の要請があったのだろうという推測を申し上げた。竹島問題が韓国の内政問題だと言った覚えはない。そもそも竹島問題は、日本にとって北方領土と並んで重大な領有権問題であるので、これは外交交渉によって解決されるべきだ。
−野党は問責決議案を出す構えも見せているが。
正しく説明する必要があるので、要請があれば行って説明したい。(時事通信2012/08/10-16:31)
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