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堀江貴文氏への重すぎる実刑確定と、それでも止まらない大手メディアの“社会的リンチ”

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堀江貴文氏への重すぎる実刑確定と、それでも止まらない大手メディアの“社会的リンチ”
DIAMOND online『週刊 上杉 隆』【第173回】2011年4月28日上杉 隆
 証券取引法違反事件における堀江貴文氏の上告棄却が決まった。これで収監が確実となり、2年6ヵ月の実刑が確定する。
 筆者がそのニュースを知ったのは堀江氏のツイッターからであった。そこで、すぐに次のようにリツイートした。
〈【速報】 RT @takapon_jp: 棄却された。。。〉
 この後も、堀江氏のつぶやきをいくつか拾って、リツイートを繰り返した。
〈いやあしかし凄いタイミングで出してくれたもんだ。丁度5年前の4/27が東京拘置所から保釈された日〉
〈とりあえず異議申し立ては出しますが、たぶん一ヵ月くらいで入ります。大体2年4ヵ月かな。。。〉
 そして、マネージャーに電話を入れた後、堀江氏の携帯電話も鳴らしたのだった。
 「どうすんの、ゴルフ? せっかくいい季節がやってきたのに……」
なぜ上告棄却当日に急遽、記者会見を開こうと思ったのか
 堀江氏が刑務所に入る前に、少しでも日本社会に広まった彼に対する「誤解」を解くことが、自分自身にできる最低限のことだと思った。
 悪法もまた法である。それに逆らうつもりはない。しかし、大手メディアの行なってきた検察広報としての堀江バッシングは明らかに度を超していた。
 そのおかげで、大手メディアからの情報提供しか受けられない大半の日本国民は、間違った印象のもと洗脳されていたのだった。せめて、それを修正しようと考えたのだ。
〈「場」を提供しましょう(*・。・)ノ @fpaj RT @hazuma: お力になれることがあったらなんでもお知らせください。RT @namatahara どこで出来るか懸命に考えます RT @hazuma: みんなでほりえさんの話聞く、超前向きで遠大な朝生やりましょうよ!〉
 評論家の東浩紀氏、ジャーナリストの田原総一朗氏のつぶやきに加わる形で、私は自由報道協会の記者会見を想定しながらこうつぶやいた。
 すると、堀江氏の方からすぐに反応があった。
〈 @takapon_jp: 既に自宅に向けて突撃報道記者が殺到している様子。騒動を抑える為に早めに記者会見できると嬉しいです。 QT @uesugitakashi 「場」を提供しましょう(*・。・)ノ @fpaj〉
会見開始まで3時間! 自由報道協会のメンバーが奔走
 このツイートを受けて、すぐに、自由報道協会主催の記者会見場を探す作業に入った。何人ものメンバーが場所取りに動く。時間はない。なにしろ予定した会見時間まで、すでに3時間を切っていたのだ。
 たまたまその時刻は、ニコニコ本社(原宿)で自由報道協会主催の河野太郎衆議院議員の原発事故会見を行っていたこともあって、準備に対応できる人間が限られていた。
 自由報道協会のメンバーだけだったら、そのままニコニコ本社を使わせてもらうか、あるいはUstreamスタジオを借りることで対応できる。だが、多くの大手メディアも来ることを考えればそうもいかない。
 最低、100人規模の会場が必要になる。だが、いきなり数時間後にというのはかなり難しい。
 開始2時間前、ようやくのことで会場を抑えることができた。会員のご厚意によってきわめて特別に、国際文化会館のホールを借りることができたのだ(もちろん有料)。
相変わらずお行儀の悪い大手メディアの記者たち
 すぐに手配と会場設営を行なう。押し寄せる大手メディアの社員たち。館内ルールに従って、携帯電話のホールでの使用禁止と指定場所以外での禁煙をあらかじめお願いしていたが、そんなことはお構いなしだ。
 こちらの苦労などつゆ知らず、相変わらず我が物顔で、場所取りを始める。
 しかしじきにおとなしくなるだろう。会見が始まれば大手メディアの記者は質問しないのが常なのだ。スタジオや、紙面や、番組では勇ましい。だが、当事者の前に出ると、つるし上げる時以外は、きわめておとなしい記者たちばかりなのだ。
 それが大手メディアの記者たちの実態であり、案の定、この日も、筆者が「大手メディアの記者の方も質問してください」と2回にわたって促すまでは、手すら上がらなかった。
 さて、午後5時、こうしてやっとの思いで会見を始めることができたのだ。
多くの国民が知らないライブドア事件の実態
 そもそも、ライブドア事件とはなにか。果たしてこの事件は堀江氏を執行猶予も与えず、刑務所にぶちこむほどの重いものなのか。
 多くの国民はその実態を知らない。なにしろ、大手メディアのキャスターや解説委員、記者たちですら、時代の空気に流されてしまい、事件の中身すら理解していないのが現状だからだ。
 ちょうど2年前、堀江氏が上告した時の趣意書の冒頭にはこう書かれている。
 〈堀江貴文氏に係る証券取引法違反被告事件 上告趣意書の要旨
2009年4月23日
主任弁護人 弘中惇一郎
 1.はじめに
 裁判は法と証拠に基づいて行われなけれればならない。しかし、メディアが醸成する異常な雰囲気が社会を覆い尽くすような場合には、それが困難になる場合がある。本件当時、メディアは、ライブドアや被告人のすべてが悪いかのような誤解を振りまき、被告人に対してフレンジー(狂乱、逆上)な状況が作り出され、一審判決及び原判決はこれに影響されてしまった。最高裁判所は、司法の最後の砦として、法と証拠に基づき冷静に判断していただきたいと切に願う〉
http://ameblo.jp/takapon-jp/entry-10248198738.html#main
 以下は省くが、いかにこの事件が恣意的で、見せしめ的な「実刑」だということが、全文を読んでいただければ理解できるはずだ。
 たとえば、次の事例からも、同じような粉飾決算事件で、実刑判決を受けた被告が誰一人いないことからも明らかだろう。少し長いが同じ上告趣意書から引いてみる。
近年の有名な粉飾決算事件で実刑判決はあったか
〈(2)原判決も、「粉飾金額を確認して比較する限りは、本件の金額は少ないと言ってよかろう」(原判決48頁)と認めているところである。しかし、刑事事件として起訴された過去の粉飾決算事例は「(本件より)多少多い」などといったレベルではない。
たとえば
?山一證券事件は、平成7年〜9年にわたり合計 約7428億円の粉飾決算事件であったが、東京高裁は、平成13年10月25日に元社長に対して、原審を破棄して懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡した。
?日本債券信用銀行事件は平成10年の約1592億円の粉飾決算事件であったが、東京地方裁判所は、平成16年5月28日に、元会長に、「懲役1年4月、執行猶予3年」の判決を言い渡し、東京高等裁判所は、平成19年3月14日にこの結論を維持する判決を下した。
?カネボウ事件は平成14年の粉飾決算事件であり、粉飾額は連結純利益で約58億円、連結純資産で約753億円に上ったが、東京地方裁判所は、平成18年3月27日に、元社長に対して、「懲役2年、執行猶予3年」の判決を言い渡した。
?フットワークエクスプレス事件は、証券取引法違反(虚偽の有価証券報告書の提出)に問われた事件であるが、その粉飾金額は、経常利益で274億円、当期未 処分利益で約1340億円にも上った。これについて、大阪地方裁判所は、平成14年10月8日に、元社長に対して、懲役2年、執行猶予3年の判決を言い渡した。
?アイペック事件は、約80億円の粉飾決算事件であったが、東京高等裁判所は、平成15年11月18日に元社長に対して、懲役1年8月執行猶予4年の判決を言い渡した。
 仮に、本件が粉飾決算であったとしても、その総額は約53億円である。しかるに、7千数百億という、金額において、被告人の百数十倍に達する場合も含め て、すべて先例では執行猶予の判決が下されているのに、わずか53億円の、また1期限りの粉飾決算で、直ちに実刑に処するというのは、誰が見ても公平では ない。あまりにも、不公平であり、正義に反する、と言うべきである〉
検察主導の空気を蔓延させ“嘘報”まで流す大手メディア
 あたかも社会的なリンチに等しい。当時、それは、検察によって主導された空気であるのは確かだ。だが、いまは違う。そうした空気を引きずり、社会的リンチを続けているのは大手メディアにおいて他にいない。
〈また、「検察が捜査するまでは、健全で世の中に貢献している会社だった」などと主張し、反省や謝罪の言葉はなく、検察の捜査について批判を繰り返した〉
 自由報道協会の会見直後の日本テレビが流したニュース番組である。これは明らかに虚報である。誤報ではなく、虚報である。
 仮にネット上でこんな虚報が流れたら、すぐにデマ認定され、削除対象になるだろう。さらに、その夜の番組でも、日本テレビ解説委員の粕谷賢之氏が「謝罪の言葉が一切なかった」と断罪している。いったい彼は何を聞き、日テレは何を取材していたのか。
 これはひとり日テレだけではない。どのメディアも多かれ少なかれ行なっている「リンチ」だ。
 堀江氏は、民事での和解金としてすでにLDH(旧ライブドア)に208億円を支払っている。さらにこの日の自由報道協会の会見でも「ライブドアの株主の皆様には申し訳ないことをした」「自分の説明が足りなかったと思うのは反省している」と謝罪を繰り返している。
 大手メディアの誤報、というよりも虚報はあまりに酷い。それはジャーナリストとしてよりも、社会人として失格ではないか。
 フェアな報道が日本に根付くのはいったいいつのことだろうか。果たして、堀江氏が社会に戻ってくる2年半後に、日本のマスコミは変わっているのだろうか。
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検察を支配する「悪魔」 田原総一朗+田中森一(元特捜検事・弁護士)
p35〜 村上ファンドには政界のアングラマネーが---田中
 ライブドア事件や村上世彰(よしあき)事件に関しては、僕は田原さんとちょっと違う見方なのです。
 確かにホリエモンの粉飾決算は、たいした罪じゃない。少なくともあれほど大袈裟に逮捕するほどの罪を犯しているとは思えない。
 そこから、マスコミは「カネ儲けするためなら、なんでもやっていいという風潮を正すために、ホリエモンを生贄にした」なんていう論調でしたが、検察がそんな迂遠な動機で、立件するとは考えられません。
 ニッポン放送の乗っ取り、ひいてはフジテレビへの影響力を行使しようとした。あれが検察にやる気を出させたのです。放送局は体制の一翼を担っている。ホリエモンのようなうろんな輩に天下の放送局を渡すわけにはいかないと、検察の上層部は判断したのでしょう。
 結局、表には出てこなかったけれど、ホリエモンや村上が裏社会とのつながりがあったことも否定できない。ホリエモンの側近であった野口英昭が沖縄で怪死したこともあって、一時、裏社会との関係が取りざたされた。野口の死は自殺だと思いますが、だからといって、ライブドアが裏社会とは関係なかったというわけではありません。
 ライブドアの幹部たちが、ある組織の現役幹部と接点を持っていたことを僕は知っている。怪情報が流れるだけの根拠はちゃんとあった。
 ホリエモンや村上のやり方を見ていると、バブル時代の仕手筋の手口とひとつも変わらない。とくに村上は。「兜町最強の仕手集団」と言われた誠備グループの加藤?(あきら)や、「兜町の帝王」と呼ばれた小谷光浩の手法と、何から何まで一緒です。
 仕手戦をしかける場合、カリスマ相場師を中心とするグループが形成される。そのメンバーには世に知られる経済人や政治家も混じっている。各人が資金を出し合って、株価を吊り上げていくわけです。
 彼らが狙うのは、市場であまり知られていない、株価の安いボロ株。安定株主がいて、浮動株が少ない銘柄です。市場で出回っている株が少なければ、市場で取引されている株数が読めるし、オーナー企業なら会社を死守しようと、株を買い戻しにくる。オーナー企業のボロ株なら、どう転んでも儲かります。
 これがバブル期の仕手筋の典型的なやり方です。村上も同じですよ。
 しかし村上が動かしていたカネは、バブル時代の仕手筋よりはるかに巨大です。バブル時代の仕手グループの資金総額は、せいぜい300億〜500億円と言われている。村上ファンドが動かしたのは、その約10倍にあたる4000億円を超える巨額とされている。
 まとまったカネを用立てられるのは、アングラマネーしかありません。政治家や裏社会のアングラマネーが、村上ファンドに流れこんでいたのは間違いない。
 氷山の一角として日銀の福井俊彦総裁の小遣い稼ぎが露呈したけれど、あんなものじゃない。アングラマネーを使って、比べものにならないくらい大もうけしている連中がいるわけです。でも、検察はそこまでは斬り込んでいない。
 引っ張って濡れ衣を着せるのも悪いけれど、肝心なやつは見逃す。検察の国策捜査の一番の問題点はやっぱりここにあると思います。


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