「第三極」6氏政策の相性は? 焦点はTPP
中日〈東京〉新聞 2012年8月20日 07時01分
地域政党や新興政党の「第三極」の動きが活発化している。消費税増税を決めた民主、自民、公明ら既成政党への対抗軸として、衆院選に向けどんな連携ができるかに注目が集まるが、問題は政策面の合意。本紙は第三極のキーマン6人の基本政策を比較し連携の可能性を探ってみた。(第三極取材班)
対象としたのは「大阪維新の会」代表の橋下徹大阪市長、「減税日本」代表の河村たかし名古屋市長、「中京維新の会」を設立した大村秀章愛知県知事、新党待望論がある石原慎太郎東京都知事の四首長と、第三極結集を目指す「国民の生活が第一」の小沢一郎代表、みんなの党の渡辺喜美代表。衆院選で争点になると予想される原発政策、消費税増税、環太平洋連携協定(TPP)について六氏を比較した。
三項目で一致するのが二組いた。まず小沢代表と河村氏。国民生活、庶民を起点にする考えも近く、政策面では連携に問題は少ない。もう一組は橋下氏と渡辺氏。ブレーンを共有する両氏は、三政策のほかにも、大阪都構想などで共同歩調を取る。逆にいえば、それぞれ候補を擁立して選挙に臨む際、違いをみせるのに苦労することになりそうだ。
三項目とも違うのが橋下氏と石原氏。人間関係は良好な二人が政策で「水と油」なのは少し意外だが、連携を目指す場合、政策のずれをどう調整するか。
第三極勢力の中で、最も注目を集める橋下氏はTPP参加を連携を判断する軸にすると明言している。
小沢代表率いる「生活」はTPP参加には慎重な議員が多いが、まだ明確な方向性を打ち出していない。橋下氏との連携の阻害要因になるのを懸念しているからでもある。
一方、野田佳彦首相ら民主党幹部は、橋下氏との関係を考慮してTPP参加を前面に出すべきだという意見もある。政策が一致する勢力が連携するのが自然の姿だが、選挙での合従連衡のために政策を調整する「順序が逆」の動きも今後、表面化してくるだろう。
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小沢氏との協力「当然」、次期衆院選で鈴木宗男氏
産経ニュース2012.8.20 23:19
新党大地・真民主の鈴木宗男代表は20日、北海道釧路市内で記者会見し、次期衆院選での新党「国民の生活が第一」(小沢一郎代表)との協力について「小沢氏から『北海道は頼む、協力し合っていこう』と言われている。死守しなければならない選挙区など具体的な話も出ている。協力は当然出てくる」と述べた。
また、減税日本を率いる河村たかし名古屋市長に関しても「河村氏とはよく相談している。さまざまな連携が考えられる」と指摘した。
一方、歌手の松山千春氏の擁立については「党のエース候補。選挙が具体的になった段階で(出馬を)お願いしたい」と述べた。
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河村市長がキッパリ!小沢より橋下優先
zakzak2012.08.20
政治団体「減税日本」を率いる名古屋市の河村たかし市長は19日、新党「国民の生活が第一」の小沢一郎代表が主宰する政治塾で講演した。小沢氏側が期待する共闘について、河村氏は「橋下徹大阪市長、石原慎太郎都知事(との関係構築)の方をまず頑張る」といい、小沢氏をソデにした。
河村氏は講演で、消費税増税より国会議員歳費の削減などを進めるべきと指摘。「反増税」を掲げる小沢氏と呼吸を合わせたが、政治塾の出席者から、小沢新党と連携する可能性を問われると、冒頭のように答えた。
民主、自民両党など既成政党と一線を画す「第3極」では、次期衆院選を見据えて、国民的人気を集める橋下氏率いる「大阪維新の会(維新)」との距離を縮めることによる生き残りが激化している。
維新周辺から「小沢新党とは組まない」という情報が流れるなか、河村氏も腹を固めたのか。
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夕歩道
中日新聞2012年8月20日
「盟友の信を見るには、死・急・難のことを持って知る」。幕末の志士、高杉晋作の言葉だという。死はともかく、解散風が吹き始めた永田町は風雲急を告げ、政治の難局に中部の盟友がお別れ。
ダブル選を制した愛知の知事と名古屋の市長。「盟友」「村村コンビ」と、言い合った蜜月どこへやら。新たな政治団体立ち上げをめぐり、「さよならも仕方ない」と。中京都構想も雲散霧消か。
新しい旗ばかりを見せられては、有権者はウンザリとしないか。高杉はこうも言った。「人は人 吾(われ)は吾なり山の奥に 棲(す)みてこそ知れ、世の浮沈」。隣り合う役所で、昔の盟友は、どう聞くか。