【尖閣国有化】中国「新海図」 首相は国連演説で対抗へ
産経ニュース2012.9.15 21:43
中国政府が尖閣諸島の周辺海域を「領海」と主張する新たな海図を国連に提出したことを受け、野田佳彦首相は15日、今月下旬に米ニューヨークで開かれる国連総会の一般討論演説で、海洋における「法の支配」の重要性を訴える方針を固めた。政府関係者が明らかにした。政府は尖閣について「領土問題は存在しない」との立場だが、中国の主張に対抗する必要があると判断した。
これに関連、外務省の河相周夫事務次官は、中国の程永華駐日大使に提出した海図の撤回を求めた。
一方、中国国内の反日デモ拡大や中国の海洋監視船による沖縄県・尖閣諸島周辺での領海侵犯を受け、玄葉光一郎外相は15日、外務省で幹部と協議し、中国国内の邦人の安全確保に万全を期すよう指示した。日本政府は今後もデモなど中国側の反発がエスカレートする可能性があるとみて警戒を強める方針だ。
玄葉氏は15日朝、出張先のオーストラリアから予定を早めて帰国。河相氏や杉山晋輔アジア大洋州局長らの報告を受けた。出席者は、18日が満州事変の発端となった1931年の柳条湖事件から81年に当たり、反日ムードが激化する可能性を指摘。16日正午に中国側が設定した尖閣諸島周辺海域の禁漁期間が終了することもあり、漁船の領海侵犯にも警戒を強めることを確認した。
駐中国日本大使館は15日も中国政府公安当局と頻繁に接触。大使館周辺の警備や在留邦人保護に万全を期すよう求めた。
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【尖閣国有化】海図受理、国連でも中国攻勢 「領海」主張を誇示
産経ニュース2012.9.15 21:38
【ニューヨーク=黒沢潤】国連は14日、沖縄県・尖閣諸島の周辺海域を中国の「領海」とする海図などを中国政府から受理したことを明らかにした。中国は今後、自国の領有権を国連の場でも主張するなど、外交面でも攻勢を一段と強めるとみられる。
国連報道官によれば、中国の李保東国連大使が13日、「領海基線」を記した海図などを国連に提出し、潘基文事務総長が受理したという。
報道官は「事務総長は国連海洋法条約に基づき、海図を受け取る立場にある」とした上で、「あくまで中立の立場で情報を取り扱う」と強調した。潘事務総長と李大使との具体的なやりとりについては言及を避けた。
受理された海図などは近く、同条約に基づき公表されるという。今後、各種の会合で日本、中国双方の主張の妥当性が吟味されることになる。
中国政府は最近、日本側が尖閣諸島を国有化したのに先立ち、独自に領海基線を定めて公表していた。中国外務省は14日、「国連海洋法条約が規定する義務を履行し、あらゆる法的手続きが終了した」と主張した。
中国はこのところ、各国要人との会談の場で、自国への支持を強く訴えてきた。国連に海図などの諸資料を正式に提出したことで、国際社会に対し、尖閣諸島周辺海域が自国の「領海」であることを明確に誇示した形だ。
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【尖閣】中国「新海図」 国連へ提出 国連、受理
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