ついに本性をさらけ出した人民不在の中国帝国 牙をむく偽善・独善の偽国家にどう対峙すべきか
JBpress2012.10.09(火)森 清勇
中国は満州国時代の首都・新京(現吉林省長春市)にあった皇帝の居城を偽皇宮あるいは偽満皇宮と呼ぶ。同様に満州国を偽満州国と呼ぶ。中国人がつくったものでないと偽物にし、権力者たちの統治に都合がいいように歴史や事象・事件を仕立てることを繰り返してきた。
近年の毒餃子事件、四川大地震、北京オリンピック、尖閣沖漁船衝突事案、高速鉄道事故、そして尖閣諸島国有化に伴うデモを見ただけでも、報道の自由はなく、人民の生命財産は無視し、国家権力で反日行動を採らせていることが分かる。
民主主義国の通念から言えば、現在の中国こそが権力あって人民なしの「偽国家」である。
■日本人ツアーも洗脳
長春にある偽皇宮博物館では、必ず現地の中国人が説明するようになっている。
壁に貼付した歴史年表を見ながら、日本はこんな悪いことをしたと語り、首から下を切り落とした旧軍将帥の顔を寄せ集めた額縁写真を指し示しながら説明していく。
直後の食卓テーブルではツアー参加者の間から、日本はあんなにも悪いことをしたのかという声が飛び交い、中国が怒るのはもっともだというような話になっていく。
いたたまれず、(筆者が)話半分に聞いた方がいいと言っても、現地人から刷り込まれた印象は強烈で、中国の目論み通りである。こうした自己正当化は、尖閣諸島の領有権に関する中国首脳の発言や外務省報道にも受け継がれている。
中国の若者に対する愛国心教育はすごいという話はよく聞くが、加えて日本人ツアー客までも洗脳しているのである。
外務省や所管官庁は、企画する旅行社に危険情報ばかりでなく、反日感情の強い中国や韓国(以下中国中心に記述する)ツアーに参加する人にはこうした実態を周知するよう指導することも必要ではないだろうか。
せっかくの外国旅行で国際社会に対する見聞を広め、日本との比較で自他の良さ悪さを知ることも大切であるが、日本を貶める話がちりばめられ、日本は何と悪い国だろうと単純に信じてしまっては元も子もない。
現在に続く日中の軋轢は、1921年に米国が主導して日英同盟を破棄させ、中国に利権を持つ英国を牽制し、他方で日本を閉じ込めるために作り上げたワシントン条約体制(主力艦比率を米英50万トンに対し日本30万トンとした海軍軍縮条約や、中国の領土保全を決めた9カ国条約など)に端を発する。
『平和はいかに失われたか』(ジョン・マクマリー著)が詳述するように、中国は日本の犠牲と国際社会の努力を無視して条約体制を破壊する行動を採り続けた。
マクマリー駐中国米公使は、米国が親中反日的な行動を採ることは、米国にとりさらに困難な問題を引き起こし得策でないと忠告するが、米国政府はそれに左遷で応え、結局中国共産党を増長させることになった。
著名な外交評論家のジョージ・ケナン(『アメリカ外交50年』)は、マクマリーの慧眼な分析に同意し、見通しの的確さに驚嘆した。同時にチャイナドリームから覚めず、中国の肩を持った米国外交を批判した。
■事実の隠蔽こそが茶番
日中歴史共同研究では南京事件も問題になり、中国側が民間人30万人虐殺は政治的な数字であり数値の多寡にはこだわらないが、日本が悪い国であることには変わりないという趣旨の発言をしたと報じられた。
日本人の研究成果を見れば、30万人説も全く信用できないが、最近では40万人という数字さえ聞かれ、そのうちに100万人になるだろうと言う人もいる。
これも偏に真実の追求という学問の自由がなく、政治的な思惑からきているからで、白髪三千丈は詩人の世界だけでなく中国に満ち満ちている。
最近の日本との関わりでは、犯人や原因を日本になすりつけようとした毒餃子事件や尖閣諸島沖衝突事案などがある。日本が事実の追求を怠ったならば、南京事件の二の舞いとなり、謝罪と賠償をどこまでも求めてきたに違いない。
世界に開かれたオリンピックでのテーマソングが日本人作曲の盗作で、最初は認める発言をしていたが結局は認めなかった。同じように、少女の口ぱく問題でも世界を欺き、地震や鉄道事故では多くの人命を犠牲にしながら事実をほとんど公表しない。
1919(大正8)年、中国福建省の漁民が遭難して尖閣諸島に漂着したのを日本人が助けた感謝状がある。「中華民国駐長崎領事○○」から石垣村の代表に宛てたもので、明瞭に「日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島・・・」と書かれている。
これほど動かぬ証拠があるにもかかわらず、「古来中国の領土」であったとか、日清戦争で奪った領土などと声高に難癖をつける。
こうした屁理屈が通るなら、革命政府を作り内乱を起こした後に自国領に組み込んだチベット自治区などはダライ・ラマのチベット国のものであることは言うまでもない。
国家間の約束は守らず、すべてを自国に都合のいいように解釈・改竄し、国際社会ばかりか自国民さえ騙し続ける中国である。これを茶番と言わず、何と言うのだろうか。
■いまも生きている毛沢東戦術
中国が核・ミサイルを開発(1964年)し、国連機関が東シナ海の海底資源調査結果を報告(1968年)したあたりから中国は尖閣諸島に関心を持ち始めたが、日中国交正常化交渉(1972年)では、「現状維持」で合意(日本側の理解は、領有権は当然日本にあるという認識)した。
尖閣諸島は無人島ではあるが日本の施政権下にあり、日米同盟下で強力な米軍もおり日本が実効支配していたからである。
その後の日中友好条約締結(1978年)で来日した?小平副総理は、記者会見で「次の世代は我々より賢くなるだろう。その時は必ずや、お互いに受け入れられる良い方法を見つけることができるだろう」と語ったとされる。
この文言を以って、中国は日本も「棚上げ」に合意していたと主張する。
領有権主張を隠すための言葉の巧みな綾だったかもしれない。そのような含意があり、万一にも「棚上げ」で合意したというのであれば、そもそも中国が1992年に領有権を主張し始め、一方的に自国領に組み込んだことは大きな矛盾である。
力の差があって太刀打ちできない時は「棚上げ」で退くように見せかけて相手を油断させ、力をつけた段階で自らの提案を忘れたかのようにして自分のものにしてしまう。毛沢東戦術に言う「敵進我退、敵退我進」そのものである。
日中中間線近傍の白樺ガス田など、大陸棚が続いていると見られたものについては日中が協同開発を行うことで合意していた。しかし、ここでも合意を無視するように勝手に作業を進めておきながら、あたかも日本に非があるかのように言い募る。これが中国流である。
日本は政府開発援助(ODA)で造った物件には日本の支援で完成したことを明示するように注文しているが、実行されていないと聞く。
中国はこうした支援で道路を建設し、空港を造り、港湾を整備して今日につながる発展の礎を築いてきた。そして今や日本に種々の形で脅威を与えている。平和外交の失敗であることは言うまでもない。
■日本の対処:違法を徹底的に取り締まれ
軍事力を正面に出すことをよしとしない日本は、日米同盟と価値観を同じくする諸国との紐帯を強める外交で対処する以外にない。
過日、某テレビ局が無資格中国人ガイドとそれにつるんだ違法免税店の存在、さらには高額のオプションツアーをふんだんに入れ、参加しない人を放り出して面倒を見ないなどの内容で、参加したツアー客は日本に騙された、詐欺だと非難の声を挙げ、悪いイメージが広がっているという特集をしていた。
ガイドと免税店、旅行社はつるんでいて暴利をむさぼり、それぞれに相当のキックバックが行われる。例えば、DHCの化粧品は「頭を良くする」など、出鱈目の効能を書き連ね本物の10倍くらいで売られているという。
購入して帰国した人たちがクレームをつけるのは当然で、二度と日本へは行かないと大変な剣幕である。
日本人には考えもつかないインチキ商法がまかり通っている。こうした無資格、違法・不法の人物や店を摘発して廃業や酷い場合は入国禁止などにしなければ、日本の国際的イメージは悪化しよう。
悪事はツアーに限らない。売春、強盗、麻薬、産業スパイなど多方面に及び、日本の名誉を傷つけ、日本人を堕落させ、国益を毀損すること甚だしい。
BBCが読売新聞社などと協力して2006年から行っている主要国(国の数は年次によって異なる)のイメージ調査では中韓を除く全部の国が日本に好印象を抱いており、日本が最高得点である。
中韓は歴史教育で日本を散々こき下ろしていることもあり、表向き日本が好きとは言えないだろうが、日本製品や思いやりのある文化を通して好感を持っている人は多いと聞く。
日本は、従来宣伝が下手だと言われてきた。中韓との領土問題にしても、中韓の報道官が勇ましく自信ありげに日本糾弾をまくし立てるのに対して、日本は官房長官が細々と「平穏かつ安定的に維持管理する」などの文言を言うだけで、相手の違法などをたしなめることをしない。
そうした流儀が日本文化ではあるが、国際社会に向かっての正当性の発信には力不足で、頼りなげに思える。国際社会に向けての正当性の発信に工夫を凝らす必要がある。
■おわりに
日本人には毒餃子事件や尖閣沖漁船衝突事案を含め、すべてがバラバラの事象に見えるが、すべては対日工作の「秘密指令」に基づく。
現在は第3期工作期(第1期工作は「国交正常化」、第2期工作は「民主連合政府の形成」で、目論み通りの終了だった)で、「日本人民民主主義共和国」の樹立に向けての行動で、尖閣問題はその走りであろう。
中国の最終目標は日本の属国化である。日本は相手の工作にひるむことなく、「自由」か「独裁」かという社会の根源的な在り方という視点に立つ必要がある。社会の在り方を発信することによって、国際社会の賛同を勝ち取る努力をすることである。
日本にできることは法の順守と人間存在を中国にぶつけ、自信に満ちた形で世界に発信することである。そうすることによって、国内矛盾を暴き、同時に南シナ海等で係争している国々を元気づけることができる。
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◆ [石平のChina Watch] 習近平氏の罠に要注意/中国の沖縄工作の狙い〜日本属国化 2012-09-27 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
習近平氏の「罠」に要注意
産経ニュース2012.9.27 11:03[石平のChina Watch]
今月中旬に始まった史上最大規模の反日デモが沈静化した今、中国政府の今後の動向が注目されている。北京は一体、今度の「尖閣紛争」にどう決着をつけるつもりなのか。
それを見るのには、中国漁船団の動きが一つの鍵である。
16日あたりから、日本への「対抗措置」として中国政府は尖閣海域へ向かう漁船団の出航を認めた。一時は「千隻の中国漁船が尖閣にやってくる」との情報が流れ、一触即発の緊迫状況となった。
だがこの原稿を書いている25日午前現在、台湾の漁船の領海侵犯はあっても、「中国漁船」は一隻たりとも日本の領海に入ってこなかった。それは中国政府当局が徹底した管理を行った結果であろう。
もし中国の漁船が実際に日本の領海に侵入してきた場合、日本の海上保安庁は当然それを取り締まらなければならないが、その中でけが人が出たり逮捕者が出たりするような事態が起こる可能性は十分ある。そうすると、日中間の全面対決は必至の趨勢(すうせい)となろう。
おそらく中国政府もそうなった場合の問題の深刻さをよく分かっているから、中国漁船の日本領海侵入を許さなかったのであろう。逆に言えば、今の中国指導部は結局、「尖閣問題」での日本との全面対決を避けたいのである。
このような思いを強く持っているのは習近平国家副主席その人であろう。今年秋に開催される予定の党大会で彼は次期最高指導者に選出されるはずである。だが、もし今の時点で日本との「尖閣紛争」が全面対決の局面となって党大会の開催が延期されたりすれば、政治的不利をこうむるのは当然習氏である。場合によっては、今の最高指導者である胡錦濤国家主席が「国家の非常事態」を理由に習氏への権力移譲を拒むことさえあり得る。
そうなるようなことを危惧して、一時の「行方不明」から復帰した直後の21日、習氏は中国の指導者として初めて「領土問題は平和的に解決」と訴えた。この発言の背後にあるのは当然、今回の事態をそれ以上に拡大させたくない習氏の思惑であろう。
それと同時に、この突如の「平和的解決」発言には、もう一つの対日外交上の戦術的意図も隠されているのではないか。
つまり習氏ら中国指導者は今、「平和的対話によって問題を解決しよう」との姿勢を示すことによって、日本政府を「尖閣問題」に関する交渉のテーブルに引き寄せようとしている、ということである。実際、中国外務省の洪磊副報道局長は24日の定例記者会見で、「日本側は交渉によって争議を解決する軌道に戻るべきだ」と言い、日本政府に「交渉」に応じてくるよう明確に求めてきている。
これは、習氏が仕掛けた「罠(わな)」なのだ。もし日本政府が中国側の求めに応じて「領土問題」を協議するためのテーブルにつくようなこととなれば、日本側が「領土問題」の存在を認めてしまうこととなり、それだけでも、中国にとっての大成功と日本にとっての大失敗となるからである。
おそらく中国政府は今後、政治・経済・軍事のあらゆる面で圧力をかけながら、日本政府に「交渉に応じろ」と迫ってくるのであろう。日本に対する揺さぶりはさらにエスカレートする可能性さえある。
それに対して日本は「領土問題は存在しない、だから交渉に応じることはない」との立場を毅然(きぜん)として貫いていくべきだ。「罠」にはまってはいけないのである。
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【プロフィル】石平
せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
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中国の「沖縄工作」の狙い
産経ニュース2012.9.13 11:09[石平のChina Watch]
「尖閣問題」で日中関係がぎくしゃくしている中、中国の一部の軍人や学者が突如、「沖縄は実は中国領だ」という奇妙なことを言い出した。
たとえば解放軍の現役少将で国防大学戦略研究所の金一南所長は7月13日、中国広播網という官製メディアの取材記事において、歴史の経緯や戦略的重要性などの角度から「琉球の所属問題」について延々と論じた。その中で彼は、「琉球はもともと中国の属地。それが日本によって強奪された」と論じた上で、「われわれは今後(対日交渉において)、尖閣の領有権問題にとどまらず、琉球群島全体の帰属問題を持ち出すべきだ」と語った。
金少将はさらに、「(中国の)学界や研究機関は今後、琉球の帰属問題について大いに議論すべきだ」とも提言した。
この提言に応じたかのように、今度は『社会観察』という政論誌の8月号が、復旦大学日本研究センター副主任の胡令遠教授と中国対外経済貿易大学国際関係学院の王海浜副教授連名の「琉球問題論文」を掲載した。論文は直ちに人民日報系の環球時報が運営する「環球網」に転載され国内で大きな反響を呼んだ。
論文はまず、前述の金少将と歩調を合わせて、いわば「歴史の経緯」から「琉球が中国領、日本がそれを不法占領」との珍説を展開した上で、「政府・学界・メディアは緊密に連携し、琉球群島の主権帰属問題に関する研究と宣伝を展開していくべきだ」と提言した。その「宣伝工作」の一環として、「国際社会に中国の主張を伝えること」の重要性を論じた。
そして最後に論文は締めくくりの部分で「琉球人民の本土意識や帰属感を深く研究し、琉球人民に十分な民族自決権を行使させるべきだ」とも語った。
以上は、最近になって中国国内で飛び出した「琉球帰属論」の2つの事例だが、日中国交回復以来40年間、中国国内から「琉球が中国領だ」というデタラメな暴論が展開されたのは初めてのことである。
しかも、本来なら関係性の薄い解放軍の現役軍人と大学の教授がほぼ同じ時期に同じ主張を展開し始めたことの背後には、中国共産党政権の影が感じられる。解放軍将校と大学の教授の両方に影響力を行使し彼らに同じことを言わせることができるのは、当の共産党政権以外にはないはずだ。
そして政権の意向を受けた彼らは、「琉球が中国領」という論を単なる論として唱えるのではなく、「政府・学界・メディア」の「連携」による「沖縄工作」の展開を具体的に提案した。
その中で、「琉球人民に十分な民族自決権を行使させよう」という、赤裸々な「沖縄県民離反工作」までが公然と語られているのである。
つまり中国が欲しがっているのは、決して尖閣諸島だけではないことは明々白々だ。彼らはすでに、日本の沖縄に対する野望をむき出しにしている。おそらく中国からすれば、沖縄を名実ともに「中国の属地」にしてしまえば、中国の海洋制覇戦略の最大の妨げとなっている米軍基地をかの地から追い出すこともできるし、日本本土を完全に中国の軍事力の脅威下に置くこともできよう。
そうすると、「琉球の中国属地化」の次にやってくるのは、すなわち「日本の中国属国化」なのである。
われわれはまさにこのような意味合いにおいて中国の考える「沖縄工作」の真意と狙いを理解しておかなければならない。このような国家存亡の危機にどう対処するのかが、まさにわれわれにとっての重要課題となるのである。
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【プロフィル】石平
せき・へい 1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
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◆『最終目標は天皇の処刑 中国「日本解放工作」の恐るべき全貌』 ペマ・ギャルポ著 飛鳥新社 2012-04-28 | 政治〈領土/防衛/安全保障〉
Professor PEMA News and Views ペマ・ギャルポ この国、日本に生き、一握の土となることを願う者のひとりとして
2012年4月26日 (木)
中国の下心は「天皇の処刑」
尖閣、沖縄に食指をのばした中国は、在日華僑に日本国籍取得を勧めはじめた。細胞増殖に着手した中国の「日本乗っ取り計画」の青写真とは──。
中国の覇権主義はいまや世界の脅威となっています。最近は、海洋における覇権を確立しょうと、南シナ海の南沙諸島や西沙諸島の領有を主張して、 関係各国と緊張が高まっています。
日本も尖閣をはじめとする島嶼、そして沖縄までこうした中国の軍事的脅威にさらされています。今でこそ中国は海洋国家に脱皮すべく海軍力を増強していますが、本来中国は大陸国家であり中央アジアにその矛先を向けていました。私の祖国・チベットを狙ったのは、地政学的に中国が南アジアや南西アジアに進出するために重要な拠点だったことと、 豊富な地下資源と水資源を獲得するためでした。地政学上の重要さや、海底資源・地下資源の豊富さで日本はチベットと酷似しています。
「始めは処女の如く、後には脱兎の如し」という兵法がありますが、中国のチベット侵攻はまさにそれでした。
一九五一年、 チベット代表団に偽造した国璽を捺印させて締結した「一七カ条協定」で〈(チベット人の)宗教信仰自由の政策を実行して〈チベットに進駐する人民解放軍は、人民の針一本、糸一本といえども取らない〉と謳いました。しかし中国によって僧侶は虐殺され、僧院は破壊され、人民裁判が行われ、七九年までにチベット人百二十万人が犠牲になりました。
ひるがえって日本外交は「自分が約束を守れば、相手も守るはずだ」という能天気ぶりです。これも国際法の盲点を突く研究に余念のない中国には、世迷言でしかないでしょう。
そして今、沖縄です。
中国のデモでは「琉球を返せ」というスローガンが叫ばれ、「中国は琉球に対する権利がある」という論文も出てきています。学者の論文も中国当局の管理下にあります。ちなみに中国は琉球と呼び、沖縄とは言いません。 たしかに琉球処分で日本になるまで、琉球王国は明・清に朝貢する冊封関係にありました。一部の沖縄県民は、仲井員弘多知事もそうですが、中国大陸にルーツを持つことを誇りとし、中国に親近感を感じているようです。
中国がこれを見逃すはずはありません。沖縄の県民感情に働きかけて、揺さぶりをかけています。
沖縄ではすでに中国の総領事館を作って二百万人の観光客を中国から呼び込もうとすることが既定路線になっています。すでに中国は、観光客が沖縄と往来できる三年有効の数次ピザの特権も獲得しています。私が沖縄で会った多くの地方議員や商工会議所など政財界は、これが地元の経済振興になると前向きでした。
でも、それは甘い。
わが半生を振り返れば、チベットに生まれ、六歳でインドに亡命、十二歳で来日した後は、師に恵まれ多くの日本人に支えられてきました。そして二〇〇五年、私は日本国籍を取得しました。
最新刊の『最終目標は天皇の処刑』(飛鳥新社)は、中国によって祖国を奪われた者として、また日本をこよなく愛する者としての視座から著したものです。
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■最終目標は天皇の処刑 中国「日本解放工作」の恐るべき全貌ペマ・ギャルポ(著) 飛鳥新社
日本人なら背筋が凍る!
ここまで来ている侵略工作。
チベット出身者だから分かる中国の悪辣な罠。
巻末には中国共産党作成の機密文書「日本解放第二期工作要綱」を収録!
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◆ 『帝国の終焉』(「スーパーパワー」でなくなった同盟国・アメリカ)日高義樹著 2012年2月13日第1版第1刷発行 PHP研究所
(抜粋)
第5部 どの国も民主主義になるわけではない
人類の歴史を見れば明らかなように、確かに長い目で見れば、野蛮な時代から封建主義の時代に代わり、そして絶対主義の時代を経過し、民主主義が開花した。ヨーロッパの多くの国々はこういった過程を経て豊かになり、人々の暮らしが楽になるとともに、民主主義、人道主義へ移行していった。鍵になったのは「経済が良くなり、暮らしが楽になる」ということである。
中国の場合は、明らかにヨーロッパの国々とは異なっている。そして日本とも全く違っている。中国は二十数年にわたって経済を拡大し続け、国家として見れば豊かになった。だが、すでに見てきたように貧富の差が激しくなるばかりで、国民は幸福にはなっていない。こう決めつけてしまうと親中国派の人々から指弾を受けるかもしれないが、中国国内の政治的な状況を見ると、依然として非人道的な政治が続いている。民主主義は全く育っていない。
中国はもともと共産主義的資本主義と称して、共産党が資本主義国家と同じようなビジネスを行なってきた。中国という国家が資本主義のシステムを使ってビジネスを行ない、国営や公営の企業が世界中から稼ぎまくった。この結果、中国国家は経済的に繁栄したものの、中国人一人ひとりは幸福になっているようには見えない。
p95〜
「中国人は食べられさえすれば文句は言わない」
中国の友人がよくこう言うが、中国人はそれ以上のことを望まないのかもしれない。つまり中国の人は「食べられる」以上のこと、つまり形而上学的な問題には関心がないのかもしれない。
「民主主義、人道主義、国際主義といったものは我々には関係ない」
こう言った中国の知人がいるが、中国だけではなく、ロシアの現状を見ても、封建主義から民主主義に至る政治的な変化を人類の向上とは考えない人々が大勢いるようだ。
p97〜
第2次大戦以来、人道主義と民主主義、そして平和主義を主張してきたアメリカのやり方が、アメリカ主義でありアメリカの勝手主義であると非難された。「アメリカ嫌い」という言葉が国際的に定着したのは、その結果であった。そうしたアメリカのやり方を、1つの考え方であり、1つの価値観に基づくものであると切り捨てているのが、ロシアの指導者であり、中国の指導者である。
p98〜
ヒットラーはドイツの誇りを掲げ、ユダヤ人を圧迫するとともに、反政府勢力を弾圧して経済の拡大を図った。中国もその通りのことをやっている。しかも、冷戦に敗れたロシアのプーチン前大統領が主張しているように、価値観の違った、そしてやり方の違った経済の競争が可能であるとうそぶいている。
だが彼らの言う価値観の相違というのは、民主主義を無視し、人道主義を拒否し、国際主義に反対することである。中国やロシアについては、冷戦に敗れた国や第2次大戦に脇役しか与えられなかった国が自分たちのやり方で歴史の勝利者になろうとしているように見える。
p99〜
共産主義は冷戦の結果、民主主義とそれに伴う人道主義に敗北したはずである。ところが中国は、冷戦と同じ体制を維持しながら、経済の戦争には勝てるとばかり傲慢になっている。
ヨーロッパの人々は中国の台頭をヒットラーの台頭になぞらえている。これに対して日本のジャーナリストや学者たちは驚きを隠さないようである。彼らは、ユダヤ人を抹殺しようとしたヒットラーと中国は異なっていると考えている。だが、共産党が絶対で、反対の意見を持つ者は犯罪者として牢獄に送り、言論の自由を認めていないという点では、中国はヒットラーと同じである。
中国は明らかに人道主義を否定しているだけでなく、民主主義を理解しようとしていない。国際主義も分かろうとしない。
p100〜
ヨーロッパの人々は、歴史的な経験から中国が危険であるとして、ヒットラーと同じであると指摘しているが、歴史にナイーブな日本の人々は全くそのことに気がついていない。
ヨーロッパの人々はヒットラーと戦い勝利を得たが、そのためにアメリカと同盟し手を携えて戦った。中国がヒットラーだという考えに驚くべきではない。新しいヒットラーである中国の共産主義の専制体制に対して世界の人々は、手を携えて戦わなくてはならなくなっている。「アメリカ嫌い」という言葉で中国の脅威から目を逸らす時代は終わったのである。
*強調(太字・着色)、リンクは来栖
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