「赤ちゃん工場」摘発 ナイジェリア警察、32人保護
中日新聞2011年6月3日 朝刊
【ロンドン=松井学】ナイジェリア警察は一日、同国南部アバで病院施設を装って新生児を売買していた「赤ちゃん工場」を摘発したと発表した。人身売買用の子供を産ませるため監禁されていた十五〜十七歳の妊娠中の少女ら三十二人が保護された。英BBC放送が同日伝えた。
警察によると、少女らは出産後に新生児一人につき現金百七十ドル(約一万三千七百円)を施設経営者から受け取ったと話している。その後、新生児は取引業者らに売られた。一方、経営者は施設の目的は望まない妊娠をした少女のための避難所だと主張しているという。
ナイジェリアの人身売買を監視する国家機関(NAPTIP)は、「赤ちゃん工場」に監禁されていた少女らには、望まぬ妊娠をした少女を「無料で堕胎する」などとだまして誘い込むケースと、少女らを拉致して性的暴行し妊娠させるケースがあるという。また新生児の売買は児童就労や移植用の臓器摘出、性的虐待などが目的で、後を絶たないと指摘している。一部の部族社会では子供がいない女性が呪われた者とみなされるため、新生児を買って自分の子供と偽る事態も起きているという。
国連児童基金(ユニセフ)は、ナイジェリアでは一日十人以上の子供たちが売買されていると推計している。
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「赤ちゃん工場」ナイジェリア 人身売買目的
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