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「尖閣」日本側は現在の憲法の制約下では自国の領空侵犯が明白でも外国の無人機をいきなり撃墜はできず

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尖閣空域に中国の無人機が飛んでくる 日本の譲歩を求めて海から空から威嚇
JBpress 2012.10.24(水)「国際激流と日本」古森義久
 尖閣諸島を自国領として日本から奪取しようとする中国の戦略意図はますます明確となってきた。中国が今後ともあの手この手で日本を威嚇し、圧力をかけて領有権での譲歩を求めてくることは確実である。
 日本側としては、尖閣諸島を放棄してしまうという道を選ばない限り、中国との間では「永遠の摩擦」を覚悟して対処するしかない。この「永遠の摩擦」という言葉は米国の海軍大学付設の「中国海洋研究所」のピーター・ダットン所長が尖閣問題での日本の立場を評して使った表現だった。こうした表現に象徴されるように、米国でも尖閣を巡る日本と中国との対立に真剣な関心が向けられている。
■中国軍が尖閣に迫ってくる可能性はあるか
 中国の今後の尖閣問題へのアプローチには、当然、軍事的な動きが含まれる。軍事だけが尖閣攻略のすべての方法ではないことは明らかだが、軍事がいつも主要な要因であり続けることも明白だと言える。
 いまのところ米国の専門家たちの間では、中国は尖閣諸島に向けての正面からの軍事力の行使は避けるという見方がコンセンサスに近くなっている。
 中国が軍事手段を当面は選ばないという理由は、日本側の防衛力が強固であり、尖閣周辺の局地戦では中国軍にはとうてい勝ち目がないことが最大だとされている。また、米国が同盟国として日本が尖閣への攻撃を受けた場合には軍事支援する方針を言明していることの比重も大きい。
 とはいえ、今後、中国がなんらかの形で軍事力を使って尖閣に迫ってくると見通す米国専門家も、極めて多いのである。現に中国人民解放軍は10月19日にも東シナ海で東海艦隊などの艦艇11隻を投入して、尖閣対策であることが明白な合同演習を実行した。今後も中国海軍の艦艇による尖閣周辺海域の航行など軍事行動が予測される。
■世界各国が開発に力を入れる軍事用無人機
 さて、こうした背景の中で、米国の中央情報局(CIA)出身の専門家集団が運営する民間の安全保障調査機関が、中国軍のある動きを明らかにした。尖閣諸島の主権の主張のために、新鋭の無人機を飛ばす計画を進めているというのである。
 中国側は海軍の艦艇上から尖閣をめがけて無人機を飛ばし、日本側の領有権や施政権を弱めることが狙いだという。
 無人機と言えば、近年、世界各国が力を入れるようになった兵器の分野である。米国が先頭となって、各種無人機の開発や配備が急速に進んでいる。ちなみに国際テロ組織のアルカーイダの最高指導者オサマ・ビンラーデンを殺した米軍の作戦でも無人機の使用が偵察に威力を発揮したことが知られている。
 いまの世界では無人機は単に偵察だけでなく、標的を絞っての敵目標の破壊、そして特定の人間を殺すための攻撃にまで頻繁に使われるようになったのだ。
■領空侵犯が明白でも日本はいきなり撃墜できない
 CIAの元分析官や元工作員たちが運営する民間の国際安全保障の調査機関「リグネット」は10月中旬、「中国が無人機で紛争諸島の主権を強化する」という題の報告書を作成し、中国人民解放軍の海軍が最近、海洋での無人機使用を強め、特に尖閣諸島に向けて将来、頻繁に飛行させる計画だと指摘した。リグネットには長年、CIAで中国の軍事戦略やアジアでの大量破壊兵器の動向を調査対象としてきた専門家数人が加わっている。
 リグネットの報告によると、中国軍は2011年6月に海軍艦隊が尖閣近海を航行した際、艦隊の一部のフリゲート艦上からヘリコプター型の無人航空機を発進させ、尖閣付近の上空を飛行させた実例がある。中国軍は近年、無人機の調達や開発、使用に熱心となり、オーストリアのシーベル社製無人ヘリコプター「S100型」18機をすでに購入したほか、自国製の各種の無人機の開発に着手した。
 こうした中国軍全体としての無人機への取り組みの意欲は、2010年の珠海での航空ショーで中国官民による無人機モデルが25種類以上も展示された事実からも明白だとされている。2011年6月に尖閣付近に飛来した無人ヘリもS100型ではなく、中国製だった確率が高いという。
 さらにリグネット報告によると、中国海軍は東シナ海での尖閣諸島を中心とする将来の作戦活動でも無人機をフリゲート艦、あるいは新配備した空母の「遼寧」から発進させ、尖閣諸島の日本側が自国領空と見なす空域にも侵入させて、日本側の活動を偵察するだけでなく、尖閣地域での中国側の「領空権」や「主権」を強め、日本側の主権を希薄にすることをも戦略目標としている。
 同報告はこの中国軍無人機が攻撃用兵器を搭載しているかどうかは明記していないが、尖閣空域へのその飛行は日本の自衛隊機などとの接触や衝突なども予測され、日中両国間の対立をさらに緊迫させる公算をも指摘した。
 同時に同報告は「日本側は現在の憲法の制約下では自国の領空侵犯が明白でも外国の無人機をいきなり撃墜はできず、対応に苦慮する一方、中国側はその日本の制約を知っているがために、尖閣空域への無人機送り込みをあまり深刻な懸念なしに実行できるだろう」とも述べて、日本側の屈折した防衛事情にも触れていた。
 尖閣問題では中国側が同じ軍事面での威嚇や圧力でもこうした多様な手段を用意していることは、日本側でも十二分に注意しておく必要があるだろう。
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中国初の空母「ワリヤーグ」が「遼寧」と命名され、就役 「海軍大国」内外へアピール 2012-09-25 | 国際/中国/アジア 

           

中国の空母「ワリヤーグ」、海軍に配備 国防省発表、日本を威嚇?
産経ニュース2012.9.25 14:35
25日、中国遼寧省・大連港に停泊する中国初の空母「ワリヤーグ」(共同)
 中国国防省は25日、ウクライナから購入し、中国遼寧省大連で改修した中国初の空母「ワリヤーグ」が正式に海軍部隊に配備されたと発表した。艦名は「遼寧」で、就役したとみられる。どの部隊に配属されたかは不明。
 遼寧は科学研究・試験と訓練用と位置付けられ、実戦での戦闘能力はないとされる。だか、この時期に配備を正式発表することで、沖縄県・尖閣諸島を国有化した日本を威嚇する政治的な意図もありそうだ。中国は空母保有国として遠洋戦力の増強を図る構えだ。
 艦載機を使った訓練などに乗り出すほか、上海の造船所での2隻の国産空母建造に使うデータ収集を本格化させる。
 関係者によると、大連に停泊している遼寧の艦上で25日午前、海軍関係者のほか、国家指導者が出席する式典が開かれた。胡錦濤国家主席や温家宝首相が出席したとの情報もある。(共同)
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中国初の空母「遼寧」就役 海軍大国内外へアピール
産経ニュース2012.9.25 19:23
 【北京=矢板明夫】中国がウクライナから購入し、改修と試験航行を重ねた中国初の空母、「ワリヤーグ」が25日、「遼寧」と命名され、正式に就役した。胡錦濤国家主席と温家宝首相が同日、就役式典に参加し、艦内を視察した。10月1日の建国記念日(国慶節)と、10月中にも開かれる5年に1度の共産党大会の前に、同空母を就役させたのは、中国が海軍大国の仲間入りを内外にアピールし、国威を発揚させたい狙いがあるとみられる。
 中国国営新華社通信によると、就役式は同日午前10時(日本時間同11時)に開始。中央軍事委員会主席を兼務している胡主席が同空母の艦員に軍旗と、「遼寧」と書かれた命名証書を手渡した。温首相は国務院(政府)などを代表して、「(遼寧の就役は)全軍、全党、全国人民を鼓舞し、中国の国防力と総合国力を増強したものだ」との内容の祝電を読み上げた。軍人ではない温首相がこのような軍の行事に出席することは珍しく、中国政府が同空母を重要視していることがうかがえる。
「遼寧」は就役後、訓練用空母として使用されると伝えられているが、中国軍事科学学会常務理事の羅援少将は25日、中国メディアに対し、「中国海軍の作戦体制の空白を埋める意味があり、必要な時は実戦にも使える」と語った。
 また、同空母は当初、南海艦隊の海南島基地に配置される予定とされていたが、最近になって、北海艦隊の青島港に配置される可能性も浮上した。
 名前は、同空母が改修のために2002年から係留されていた大連港がある遼寧省から取った。これまでに「北京」「毛沢東」「台湾」などさまざまな案が浮上し、一部軍関係者は中国が領有権を主張する沖縄・尖閣諸島の中国名「釣魚島」を強く主張していた。
 中国海軍の潜水艦は古代王朝の名前「漢」「晋」「宋」などで命名されているのに対し、今後、次々と就役するとみられる空母は省や直轄市の名前で命名されるとみられる。上海で建造中の国産空母は、「上海」や「広東」などと命名されるのではないかという推測も上がっている。
 「遼寧」の就役を受け、中国は北東アジアで唯一の空母保有国となった。中国軍が最近進めている外洋拡張路線を背景に、日本などの周辺国に対し軍事圧力として利用する可能性もある。
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「中国の圧力に日本は断固たる態度を」ラリー・ウォーツェル氏/中国 空母ワリヤーグ就役 2012-09-24 | 国際/中国/アジア
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田母神俊雄著『田母神国軍 たったこれだけで日本は普通の国になる』(産経新聞出版)
〈抜粋〉
■危機に自衛隊が出動できない
  では、このような事態に、日本政府と自衛隊に何ができるか見てみましょう。
  2010年9月に防衛省がまとめた平成22年度防衛白書の「武装工作員などへの対処の基本的な考え方」という項目の中では、武装した工作員が日本国内で不法行為に及んだときに、第一義的に対処するのは警察機関だという考え方を示しています。
  そして、警察機関が武装工作員への対応をとっているとき、自衛隊の任務は「状況の把握」であり、「自衛隊施設の警備強化」であり、「警察官の輸送」であるとしています。自衛隊員が警察を支援するわけです。
  これが、とても馬鹿げたことであるのは子供でもわかると思います。諸外国とはまったく反対の構図で、何もしないと言っているのと同じです。
  中国人が漁船で上陸してきた初期の段階なら、まだ、警察当局や海保庁で対応できるかもしれません。しかし、その人数が増え、中には兵士も混ざり、さらには最終的に「自国民を守る」という御旗の元に中国の軍艦がやってくるまでには、そう時間はかかりません。
  「日本の領土に上陸しても、とくに武力行使されるわけでもないし、悪くて警察に捕まる程度か」という認識を中国に持たせれば、彼らは軽い気持ちで軍艦を出します。
  問題は、中国人が漁船で上陸した初期の段階で、なぜ、自衛隊が出動できないのかということです。
 p34〜
  この段階で、日本政府が武力攻撃事態対処法に基づいて、防衛出動ができるかといえば、おそらくできません。つまり、自衛隊は動けない。日中関係を悪くしたくないと考える人たちから、「防衛出動を発令すると、中国を刺激してよろしくない」といういつものセリフが出て、そうこうしているうちにうやむやに終わってしまうのがオチです。
  おそらく、中国の正規軍が侵攻してくるという事態にでもならない限り、日本政府は武力攻撃事態として認定しないでしょう。
  では、諸外国ではこのような事態にどう対処しているのか。
  そもそも諸外国では、まず防衛出動が発令されることはありません。防衛出動というものは、ただ軍に対して命令を与えるだけのものですが、他国ではエリアの担当司令官に、その対応が任されています。
  例えば、あるエリアが他国から攻撃を受けた場合、当然、そのエリアの防衛を担当している司令官が対応することになります。有事の際には、司令官の判断で対応するというのが、普通の国のあり方です。事は突発的に起るものですから、もたもたしていたのでは時すでに遅し、ということになります。
  日本でも国内の事件の場合は、警察の判断によって警察が対応しますが、本来、防衛に関してもそれと同じで、警察のかわりに軍が柔軟に対応するべきです。
 p35〜
  防衛出動が発令されるという異常な体制をとっているのは、日本だけです。日本の場合は、これが発令されなければ、自衛隊は動けないということです。
 p70〜
 軍事力による恫喝
  2010年9月、尖閣諸島で起った中国の「漁船」が海保の巡視船に衝突してくるという事件の結末は、日本が処分保留のまま中国人船長を釈放するという外交的完全敗北に終わりました。中国は船長釈放後も攻撃の手をゆるめず、日本政府に謝罪と賠償を要求するなど、やりたい放題の強硬姿勢を貫きました。
  ことほどさように、中国は経済発展によって蓄えたカネによる軍拡を続け、その軍事力をバックに諸外国を恫喝しています。
  日本と中国の軍事力の力関係はいったいどうなっているのかといえば、いまでは中国有利にどんどん移行しつつあるというのが実態です。この20年以上にわたって、中国が二桁以上の軍事力拡張を続けてきた結果、そして日本が軍縮を続けた結果、日本は経済力だけでなく、軍事力でも中国に圧倒されつつあります。
  では現在、中国はどのような軍事的野心を持っているのか。
  今後、いままで以上に尖閣諸島へ関与してくると思われるので、中国の考え方をよく知っておく必要があります。
  まずは、中国軍の兵力と配置について、その実態をみてみましょう。
  防衛白書によると、中国の総兵力は約230万人。国内を、首都を守る「北京軍区」にはじまり、「瀋陽軍区」「蘭州軍区」「成都軍区」「南京軍区」「広州軍区」の7つの軍区に分割しています。(以下略)
 p74〜
  中国の国防政策の見地からすると、地理的に太平洋側に蓋をしている形で位置する日本という国は実に邪魔な国です。中国の軍艦が太平洋上に出ていくためには、どうしても日本周辺を通過しなければなりません。
  津軽海峡や北方領土の付近からは、ロシアの存在もあるので、中国もなかなか軍艦を進めることはできない。中国は沖縄本島と宮古島の間から太平洋に出るしかないからです。
  中国が毎年、軍事費を増大させていることは、もはや周知の事実です。毎年10〜20%近い伸び率で国防費を増やしており、2010年度の国防予算は約5191元、日本円で6兆292億円(1元=約12円で換算)にもなります。公表されている国防費の規模は、過去5年間で2倍以上、過去20年間でみると約18倍になっています。
  そのカネで、2009年から初の国産空母の建造を始めました。アメリカが最近、行った調査では、中国は2020年までに6万トン級の空母を6隻建造するという情報があります。さらに、原子力空母の建造も計画されているといいます。
  だからこそ、日本にとって沖縄が重要だと言えます。石垣島とか与那国島、または伊良部島の南にある下地島に、陸海空の統合的な運用ができる基地を置き、ミサイル部隊や戦闘機部隊を配備しなければ、いま以上に、中国軍が日本の領海内を自由きままに我がもの顔で行き交うことになります。
 p166〜
  わが国は戦後、アメリカに守ってもらうことを前提としてきましたので、自らやり返すという意思がありません。従ってやり返すための攻撃力も自衛隊は持っていないのです。専守防衛では抑止力にならないのです。
  今後、多くの新興国の勃興によりアメリカの相対的国力はどんどん低下していくと思います。アメリカの抑止力は次第に弱くなっていくのです。そのような情勢下で、我が国の防衛がこれまでどおりアメリカの抑止力に全面的に依存することは無理があると思います。日中間の尖閣諸島における小競り合いでも、アメリカは中国と争うことがアメリカの国益に合致しないと判断したときは、日本を守らないと思います。
  独立国家は、自分の国を自分で守ることが必要です。日本は世界のGDPの10%近くを占める経済大国なのです。(略)
  そのためには、いま自衛隊に欠けている攻撃力を整備する必要があります。それがやられたらやり返すという明確な意思表示であり、我が国に対する侵略を抑止するのです。
  具体的には諸外国が持っている空母、戦略爆撃機、地対地ミサイル、艦対地ミサイルを持つべきです。
 p167〜
  現在、日本の自衛隊は空母を持っていません。
  なぜ持っていないのかと言えば、空母が攻撃のための戦闘機を運ぶものだからです。隣国が空母を持つというのに、日本にはないのですから、我が国がどれほど自衛隊に攻撃力を持たせたくないかわかろうというものでしょう。
  四方を海で囲まれた日本にとって、いつでも攻撃に出る用意があるという姿勢をとるためには空母が重要不可欠です。
  中国は、通常型の国産空母の建造に乗り出しています。つまり、中国は着実に「恫喝」の準備を進めているのです。
  このまま指をくわえてみていれば、いずれ中国の空母が東シナ海に出ようとしたとき、日本は何の対抗措置もとれないということになります。
  中国との軍事力のバランスをとるためには、日本も空母を3隻は持たなければならないと私は思います。アメリカの第7艦隊に配備された原子力空母ジョージ・ワシントンと同じクラスの10万トン級相当を想定して、3隻です。もちろん、艦載機も必要です。
  ただし、アメリカ海軍のように遠海を巡回させる必要はありません。日本周辺に置いておけば、それだけで抑止力になります。
 p168〜
  例えば尖閣諸島や南沙・西沙諸島といった、中国が太平洋に進出するために通過しなければならないルートに置けばいいわけです。その地域に空母が存在し、海と空を支配することが、中国に対する抑止になる。(略)
 p169〜
  我が国が核武装を目指す場合、国内的な合意を取ることが相当に難しいし、また核武装国はこれを邪魔しようとするでしょう。(略)
  日本の核アレルギーは相当なもので、核をアメリカに落とされたことも忘れてしまっているほどですが、1番の問題は、国民も政治家も核兵器がどういう兵器なのか、わかっていないということです。核兵器は先制攻撃に利用するものだと思われていますが、国際社会では「核兵器は防御の兵器」というのが常識です。
  核兵器はその破壊力があまりにも強大であるために、核戦争に勝者はいません。核で先制攻撃したところで必ず報復されますから、これもまた負けに等しい。
  ですから核は、「やれるならやってみろ、だけどやったら報復するぞ」と思わせておいて、実際は誰も使いはしないし、使わせもしないという“防御的”な兵器なのです。
  また、核兵器は、これまでの通常兵器のように戦力の均衡というものを必要としません。通常兵器の場合は、相手国が100で自国が1というほどの戦力差をつけられていれば、たとえ1を持っていようとも何の抑止にもなりません。しかし、核の場合は、アメリカやロシアがそれを何千発保有していようが、インドや北朝鮮が数発持つだけで十分に抑止力になります。
  日本の場合は、核武装について議論をするだけでも、核抑止力は向上します。外交交渉力も向上するのです。それだけでも、国際社会の中で日本の発言力は高まります。しかし、「核武装はしません」と公言した途端に、世界中から相手にされなくなるのです。(略)
  アメリカもロシアも、自分たち以外の国に核武装をさせたくないのが本音です。NPTという枠組みで世界的に核軍縮を呼びかけていますが、あれはタテマエでしかありません。アメリカもロシアも「核を廃絶する方向に行くよ」と単なるジェスチャーをしているの過ぎないのです。
  「私たちも核廃絶に向けて努力するのだから、いまから核武装しようとは考えないでください」ということで、本音は、「皆さんが核武装を考えなければ、私たち核保有国の優位は永遠に続きます」と言っているわけです。
  そんな核保有国の意図もわからずに、日本の首相はそれにまともに乗っかってしまう。2009年9月、ニューヨークの国連本部で開かれた核軍縮・核不拡散に関する安全保障理事会の会合で、鳩山由紀夫首相(当時)は非核三原則を堅持すると改めて宣言しました。
  鳩山さん本人は心の底から、そうすれば世界から尊敬されると思っているのだから重症です。当然ながら、世界中の国が、「馬鹿な首相もいるな」と思ったはずです。誰も言わないけれど、世界中の失笑を買ったのは明らかです。
  あの場では、「日本は唯一の被爆国だからこそ、二度と核攻撃されないためにも核武装する権利がある」と言うべきでした。鳩山氏、ひいては日本の政治家は、「国際政治を動かしているのが核兵器だ」ということを全く理解していないのだから、呆れるばかりです。
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