Quantcast
Channel: 午後のアダージォ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 10100

【欠陥憲法 新しい国づくりへ】(中)在留邦人救えない国… 世界常識通じぬ「平和ボケ」

$
0
0

【欠陥憲法 新しい国づくりへ】
(中)在留邦人救えない国… 世界常識通じぬ「平和ボケ」
産経ニュース2012.11.4 09:19
 「小日本(シャオリーベン)(日本人の蔑称)を殺し尽くせ」「東京を血で洗え」
 沖縄県・尖閣諸島の国有化を機に中国全土に広がった9月の反日デモ。過激なプラカードの言葉にあおられるかのように一部が暴徒化し、日系のデパートや自動車販売店を襲撃、上海では邦人に負傷者も出た。
 「実際に『殺せ』といわれる恐怖感は、現地にいる者にしか分からない」
 中国での勤務経験が長い大手商社幹部はこう漏らす。中国各地に事務所を置くこの商社は、国有化と同時に暴動発生を予想。出張自粛や公共交通機関の利用中止を指示する一方、安全情報の収集に追われた。
 中国では2005(平成17)年4月にも、小泉純一郎首相(当時)の靖国神社参拝を理由にデモが起きた。だが、商社幹部は「散発的に日本料理店が襲われた当時と異なり、今回は大手企業が組織的に標的となった。さらにエスカレートする危険性を感じた」と話す。
 同社には、暴動やテロを想定した危機管理マニュアルがある。ただ、その中に、日本政府に支援を求める手続きはないという。「政府は頼りない。できるところまでは自分でやる」
 わが国の自衛隊は昭和29年の発足以降、海外で紛争や事件に巻き込まれた邦人の退避や救出に従事したことがない。「海外派兵」を禁じる憲法9条の解釈で、「他国の領域内にある日本人の生命、身体、財産は(中略)、武力行使等の手段によって保護をはかることは憲法上許されない」(昭和48年9月19日、吉国一郎内閣法制局長官答弁)ためだ。その影響で、武力行使に至らないケースについても法整備が遅れてきた。
 日本政府による在外邦人保護の法整備の歴史は、事件が発生した後に最小限の法改正を行う「泥縄式」の漸進主義に他ならない。
    ◇
 平成19年6月、青森県・深浦港沖で、漂流する木造の小舟が発見された。乗っていた脱北者の家族4人は北朝鮮北東部の清津から「生活が苦しくて逃げてきた」と証言。これを機に、政府内で北朝鮮崩壊に備えるシナリオが検討された。
 当時の政府高官は「ソウルを中心に韓国に長期滞在する邦人を日本に退避させる手順を確認した」と話す。外務省の統計によると、韓国在留邦人は当時約2万3千人。ソウルでは、携帯電話などを通じてソウル五輪のメーンスタジアム「蚕室総合運動場」に集合し金浦空港か在韓米軍水原空軍基地に大使館手配のバスで移動、政府専用機や民航チャーター機で脱出する方法が検討された。
    ×   ×
 政府は1991(平成3)年の湾岸戦争で邦人退避を直接支援できなかった教訓から自衛隊法を順次、改正。「安全が確保されている場合」に限るとの条件で、邦人の「輸送」手段を政府専用機、輸送機と拡大していった。平成11年の改正では護衛艦も追加し、空港・港湾など出迎え地点での邦人保護のため限定的な武器使用も認めた。
 だが、19年の検討では、退避人数の多さから「搭乗数の少ない輸送機派遣は現実的でない」と判断。政治的メッセージの強さもあり、「自衛隊が出る必要はない」との意見が大勢を占めた。元高官は「議論は実現可能性に集中し、憲法上の問題にはたどり着かなかった」と振り返る。
 「海外での武力の行使」を禁じる憲法への配慮から、自衛隊による邦人保護に慎重な政府の姿勢を表す好例といえる。だが、各国では在外の自国民救出に軍隊を用いるのが一般的だ。時には相手国の同意を得なかったり、武器を使用したりすることもある。
 米国は1980(昭和55)年、イラン革命での米大使館人質事件で軍を投入。イスラエルは76(同51)年、ハイジャック機がウガンダのエンテベ空港に着陸した際、ウガンダ政府の同意を得ずに特殊部隊を送り込み、空港を武力で制圧して人質を救出した。
    ×   ×
 現状を各国なみに近づける努力がないわけではない。自民党は政権交代後の平成22年6月、「安全確保」条件を削除するなどした自衛隊法の改正案を国会に提出した。空港・港湾などの出迎え地点まで自衛隊の部隊が邦人を「警護」することを可能にし、警護に必要な武器の使用も認める内容だ。成立すれば、他国領内でより積極的に自衛隊が活動できるようになる。
 議論の過程では「この法案では北朝鮮に拉致された日本人を救出できない」とのより強硬な措置を求める意見も出た。だが、当時の法案作成担当者は「緊急時に国民を見捨てるのかという問いと、憲法上の制約を比較考量したギリギリの判断だった」と話す。その法案でさえ与党・民主党が応じず、現在まで一度も審議されていない。
 尖閣国有化後の反日デモで情報収集に追われた商社幹部は「海外で邦人が生死の分かれ目に直面するときに憲法問題で自衛隊を出せる、出せないと議論しているのは平和ボケとしか言いようがない」と断じる。この幹部は、自衛隊による積極的な邦人救出を求めた上で、こうも語る。「日本が今後、価値観の多様な世界市場で生き残るためには、非常時に国の保護が得られるかどうかが決定的な違いを生むだろう」
=========================================
『帝国の終焉』(「スーパーパワー」でなくなった同盟国・アメリカ)日高義樹著 2012年2月13日第1版第1刷発行 PHP研究所
p173〜
 ヨーロッパで言えば、領土の境界線は地上の一線によって仕切られている。領土を守ることはすなわち国土を守ることだ。そのため軍隊が境界線を守り、領土を防衛している。だが海に囲まれた日本の境界線は海である。当然のことながら日本は、国際的に領海と認められている海域を全て日本の海上兵力で厳しく監視し、守らなければならない。尖閣諸島に対する中国の無謀な行動に対して菅内閣は、自ら国際法の原則を破るような行動をとり、国家についての認識が全くないことを暴露してしまった。
 日本は海上艦艇を増強し、常に領海を監視し防衛する体制を24時間とる必要がある。(略)竹島のケースなどは明らかに日本政府の国際上の義務違反である。南西諸島に陸上自衛隊が常駐態勢を取り始めたが、当然のこととはいえ、限られた予算の中で国際的な慣例と法令を守ろうとする姿勢を明らかにしたと、世界の軍事専門家から称賛されている。
 冷戦が終わり21世紀に入ってから、世界的に海域や領土をめぐる紛争が増えている。北極ではスウェーデンや、ノルウェーといった国が軍事力を増強し、協力態勢を強化し、紛争の排除に全力を挙げている。
p174〜
 日本の陸上自衛隊の南西諸島駐留も、国際的な動きの1つであると考えられているが、さらに必要なのは、そういった最前線との通信体制や補給体制を確立することである。
 北朝鮮による日本人拉致事件が明るみに出た時、世界の国々は北朝鮮を非難し、拉致された人々に同情したが、日本という国には同情はしなかった。領土と国民の安全を維持できない日本は、国家の義務を果たしていないとみなされた。北朝鮮の秘密工作員がやすやすと入り込み、国民を拉致していったのを見過ごした日本は、まともな国家ではないと思われても当然だった。
===============================
◆『世界の変化を知らない日本人』日高義樹著 2011年5月31日第1刷 徳間書店

     

p88〜
 民主党政権が中国に対して核兵器の削減と軍事力の制限を申し入れたことは、平和主義的で国際主義的な立場からすれば当たり前で、驚くべきことではない。オバマ大統領の「核兵器をなくそう」という政治スローガンと同じだと考えれば、しごく当然の主張ともいえる。
 だが本気で中国に対して「核兵器を制限してほしい」と依頼したのだとしたら、あまりにも幼稚である。中国に対して軍事力を削減しろと求めたり、核兵器を減らせと要求したりするには力が必要であることは、国際政治の常識である。
 もともと日本の民主党の首脳たちの周りには平和主義者や国連中心主義者が多く、平和理想論が世界でまかり通るという間違った考え方を民主党指導部に吹き込み続けている。中国に核兵器の削減を申し入れた「日本の外相」も、そうした間違った考え方にもとづいて行動したのだろう。
p89〜
 だが核兵器保有国にとって核戦略は、国家安全の基礎である。核兵器の削減や破棄について話し合うためにはそれ相応の力が必要である。核戦略を廃棄したり削減したりしなければ、中国の安全に関わると考えさせるだけの力を持たなくてはできないことなのである。それには日本が独自の核戦力を開発し、中国に対して核軍事力競争を挑む決意のあるところを示す必要がある。(略)
 いま中国にとって最も厄介なことが起きるとすれば、極東アジアのライバルである日本が軍事力を強化し、核兵器を持つことである。そうなれば中国の軍事的な優位が相殺されてしまう。
p90〜
 日本の民主党政権が、理想的な平和主義者たちの言うことをしりぞけて、世界の現実を理解するならば、中国に対して交渉する方法がただ一つある。
「中国が核戦力を削減しない限り、日本も核武装する」
 中国にとってこの日本の主張は安全保障上の大打撃になる。ある意味では、これまでの努力を帳消しにしてしまうものだ。(略)
 このエピソードほど民主党の持っている国際政治音痴の体質をあらわにしたものはない。他国の政策を変えるのは平和主義ではなく、力であるという単純な原則を、民主党政権は理解していない。 *強調(太字・着色)は来栖
------------------------------------------------------
【欠陥憲法 新しい国づくりへ】(上)行き詰まった理想 「公船」に放水もできず 2012-11-03 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉 
========================
おかしいのは中国です? 日本人いじめ ここまでやるか中国!世界最低最悪のビジネスの現場から 2012-11-03 | 国際/中国/アジア
おかしいのは中国です? 日本の先端技術はまだまだすごい 中国が仕掛ける日本への「経済封鎖」 2012-11-03 | 国際/中国/アジア
おかしいのは中国です? 不正資金は年間50兆円 本当の人口は16億人 突然、公開処刑の招待状が届く 2012-11-03 | 国際/中国/アジア
-------------------------


Viewing all articles
Browse latest Browse all 10100

Trending Articles