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「日本未来の党」代表 嘉田由紀子滋賀県知事の女傑伝説

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嘉田滋賀県知事の女傑伝説
日刊ゲンダイ2012年11月28日 掲載
第三極受け皿で時の人
  脱原発の受け皿として、一躍、衆院選の台風の目となった「日本未来の党」。代表の嘉田由紀子・滋賀県知事(62)は、東日本ではなじみが薄いが、関西では名物知事だ。「もったいない」をキャッチフレーズに行政のムダを追及、新幹線の新駅建設や3つのダム建設凍結などを実現した。穏やかなイメージとは裏腹に、素顔は女傑そのもの。数々の“伝説”がある。
<森喜朗元首相と大ゲンカ>
「07年には森喜朗元首相とのバトルが話題になりました。新駅の凍結問題をめぐり、森元首相が講演で『女のひとは視野が狭い』とイチャモンをつけたのですが、嘉田知事は『公共事業の決定に男女は関係ない。言葉尻をとらえて女性蔑視と言うことは控えたい』と冷静に財政論で反論。森元首相が男を下げるかたちになりました。また、『長崎のようになりたくなければ新駅をつくれ』と、長崎市の伊藤一長市長射殺事件(07年)をにおわす恫喝電話も受けたが、脅しに屈せず、公約を通した。知事3年目には元京大教授の夫と“熟年離婚”し、県政に没頭しています」(県庁関係者)
  嘉田知事は埼玉県本庄市の養蚕農家出身。京大農、京大大学院を経て、81年から滋賀県の職員。06年に社民党の推薦を受け、民自公が担いだ現職を破って、全国5人目の女性知事となった。10年に再選。意外に政局勘があり、選挙に強い。
 「知事就任当初は、最大会派の自民党の抵抗で議会がニッチもサッチもいかなかった。それを打開するため、嘉田知事派で結成した地域政党が07年の県議選で大勝、自民党を過半数割れさせた。一昨年の知事選では、次点候補にダブルスコアの大差で圧勝しています。嘉田知事は今年6月の時点で『次の衆院選は重要な選挙になる』と、反原発俳優の山本太郎に出馬を勧めている。なかなかどうして、深謀遠慮の人です」(県政に詳しいジャーナリスト)
<選挙にはめっぽう強い>
 橋下徹と共闘していた大飯原発問題では、再稼働容認にかじを切ったことで批判も受けた。
 「しかし、嘉田知事はのちに、関西電力が地元企業に“停電すると大変だぞ”とローラー作戦で圧力をかけていたこと、慌てた地元企業からの突き上げで再稼働を認めざるを得なかったことを明かしています。それ以降、原発政策がブレ始めた橋下氏と違い、嘉田知事の『卒原発』はすごみを増した。橋下氏の脱原発ブレーンだった飯田哲也氏が山口県知事選に出馬したときも、橋下氏が応援に入らなかったのに対し、嘉田知事は現地入り。飯田氏と一緒に、半日近くも脱原発ビラを配って歩き回りました」(前出のジャーナリスト)
  嘉田知事は以前、橋下について、「あちらは劇薬、こちらは漢方薬」と言った。口先だけの橋下と違って、派手さやハッタリはないが、じわじわ効く――。西の女傑の参戦で、衆院選が一気に面白くなってきた。
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