「脱原発」掲げて出馬へ 山本太郎氏の“勘違い”
産経新聞2012.12.3 08:14[甘口辛口]
俳優の山本太郎が「脱原発」を掲げて衆院選出馬の意向を表明し、「新党今はひとり」と、どこかで聞いたような名前の新党を立ち上げるそうだ。威勢はいいが「政治家になりたい気持ちは、はっきり言ってない」という言い方はどうかと思うし、「橋下徹さんに出馬してもらって、ガチンコでけんかしたい」とは勘違いではないか。
選挙とは相手を“口撃”するのではなく、まず自分の主義主張や具体的な政策、それらを実現させていくプログラムを選挙民にわかりやすく説明しながら、進めていくものだろう。そんなにけんかしたいなら、選挙でなく大阪市庁に乗り込んで直談判した方が手っ取り早い。
12党も乱立し、それぞれ相手を口撃し足を引っ張り合う今回の選挙。野田首相が街頭演説先で「自民党の安倍総裁は…」と言うべきところを、「安倍総理」と言い間違え苦笑したシーンをテレビニュースで見た。選挙の“惨敗恐怖症”に加え「こんな悪い状況にしたのはあなたたち…」と口撃ばかりに気をとられ、つい出てしまったと思われても仕方ない。
4日の公示とともに、各党入り乱れての“悪口合戦”が始まりそうな気配だが、ジャッジを下す審判員はあくまでも国民だ。プレーヤーである候補者たちが「お前はイエローカードだ」「お前たちこそアウトだ」などと、プレーしながらジャッジまでしなくていい。
選挙にかかる費用はざっと800億円。有権者数は約1億人で、ひとりあたり800円の負担となる。これだけ税金を使って国民のために本当に身を粉にして働いてくれる人がどれだけ選ばれるのか。悪口合戦に惑わされず、信念と実行力を見抜いて1票を投じたい。(今村忠)
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「脱原発」掲げて出馬へ 山本太郎氏の勘違い/ 選挙総費用は800億円 有権者ひとりあたり800円の負担
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