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【中国覇権主義に勝つ】台湾との友好は日本の生命線★(3)

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【中国覇権主義に勝つ】台湾との友好は日本の生命線★(3)
産経新聞2012.12.09

     

 釋見引代表(中央)らから義援金を受け取る吉田真二氏(右)=大阪市北区、2011年03月31日
 東日本大震災の後、台湾の方々が差し伸べてくれた多額の支援と温かい励ましを、日本人は決して忘れてはいけない。
 台湾政府は震災当日、救助隊を出動可能な状態で即待機させ、翌日には、1億台湾ドル(約2億8000万円)援助を決定した。1週間後に特別チャリティー番組が2日間にわたって放送され、募金は瞬時に約24億3000万円までになった。
 しかも、それだけで終わらない。台湾の方々の義援金は4月1日に100億円を突破し、米国の義援金を上回り、5月には200億円を突破する。台湾の人口は2300万人で米国の10分の1、平均所得が年約2万ドル(約160万円)であることを考慮すれば、台湾の方々の親日ぶりは突出している。
 また、世界各国に店舗がある某コンビニの募金でも、店舗が一番多い米国・カナダの北米6636店舗で約6534万円だったのに対し、台湾は4753店舗で約3億368万円が集まった。韓国の3404店舗で約74万円と比較するまでもない。
 問題は金額の多い少ないではなく、なぜ、それだけ台湾が親日なのかということだ。
 台湾はかつて、韓国と同じように日本統治下にあった。この違いに注目するべきだ。にもかかわらず、台湾の救助隊は日本政府の要請によって、各国の救助隊が続々と日本入りするなか、丸2日間の待機を余儀なくされた。こんなに失礼なことはない。
 菅直人政権は昨年4月下旬、世界の新聞に義援金などのお礼の広告を出したが、何と、台湾の新聞は無視しているのだ。民主党政権がいくら中国にベッタリだとしても、これは許されることではない。菅民主党政権は、台湾の方々の善意を踏みにじったと言わざるを得なかった。
 そんなとき、デザイナーの木坂麻衣子さんが思い立ち、ツイッターで、台湾へお礼の広告を出そうという「謝謝台湾計画」を発表した。
 すると、多くの日本人の共感を集め、瞬く間に募金は1000万円を超え、台湾の主要2紙に「ありがとう、台湾」という民間人による広告が掲載された。
 木坂さんは「せめてお礼でも言おうよ、という気持ちで考えたんですが、あれだけ短期間で賛同してくれる人がいて本当にうれしかった」と当時を振り返る。
 国民党政権で「中国寄りになった」と言われる台湾だが、台湾の方々は大陸の武力侵攻はもちろん、経済進出をとても警戒している。今月に入って、台湾の対岸にある中国・福建省に新たな空軍基地ができ、ミサイルを装備したジェット戦闘機「殲−10(J−10)」が10機配備されたことが報じられた。
 沖縄県・尖閣諸島だけでなく、台湾をもにらんだ中国空軍の動きだ。そんな台湾と日本は、安全保障も含めた強固な2国間協定を築くことが急務ではないか。
 ■西村幸祐(にしむら・こうゆう) ジャーナリスト。1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部中退。在学中、「三田文学」の編集を担当し、80年代後半から、作家、ジャーナリストとして活動。2002年日韓サッカーW杯取材後、拉致問題や歴史問題などにも、取材・執筆分野を広げる。アジア自由民主連帯協議会副会長。著書に「『反日』の構造」(文芸社文庫)、「幻の黄金時代」(祥伝社)など。
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