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[大地]石川知裕氏落選/[未来]惨敗/国民は、この選挙結果の奥にあるものをしっかり見なければならない

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【衆院選速報】
大地・石川知裕氏が敗北確実 北海道11区
産経ニュース2012.12.16 22:05 [北海道]
 北海道11区で、新党大地の石川知裕氏が敗北することが確実になった。
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【衆院選速報】
大地・松木代表代行の敗北確実 北海道12区
産経ニュース2012.12.16 20:31 [北海道]
 北海道12区で、新党大地の松木謙公代表代行の選挙区敗北が確実になった。
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【衆院選】
未来・三宅雪子氏「期待に応えられず申し訳ない」 千葉4区
産経ニュース2012.12.16 21:24
 千葉4区から出馬した三宅雪子氏(47)。千葉県船橋市の選挙事務所では、午後8時過ぎに選挙区での敗戦の一報がテレビで伝えられると、集まった約50人の支持者らから「うわー」などと落胆の声が漏れた。
 三宅氏が事務所に姿を現したのは午後8時20分ごろ。固い表情で支持者らと握手をしたあと、無言のまま奥の関係者スペースへ閉じこもった。
 午後9時ごろに再び姿を見せると、「野田(佳彦)首相を小選挙区で倒すことが一番の目標だったが、できなかった。皆さんの期待に応えられず申し訳ない」と深々と頭を下げて謝罪。支持者らから「よくがんばったぞ」と声をかけられると、「まだ比例区がある。何とか議席を獲得して、戦っていきたい」と“復活”に期待を込めた。
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〈来栖の独白〉
 [日本未来の党]は惨敗に近い。当地方では鈴木克昌、牧義夫といった小沢氏側近が敗れた。現在22時半頃なので、結果が全て判明したわけではない。寸感のみ。
 三宅雪子さんの千葉鞍替え立候補は、如何にも苛酷だった。到底勝てるものではない。市井の一有権者に過ぎない素人の私でも無理だと思い、小沢氏の非情さに嫌気がさした。姫井由美子氏の場合も、同様だ。なぜに岡山から鞍替えさせて、参議院議員としての寿命を縮めてまで立候補させ、参議院の議席を減らさねばならないか・・・。
 私が最も憂慮したのは石川知裕氏の当落だ。小沢氏の裁判は弘中さんという定評ある弁護人が就いて無罪を取った。裁判所というところは「世間の目」を大いに気にし、加えて裁判官たる自らの出世を大いに考慮する(官僚司法)。石川さんの弁護人に「安田好弘」さんが就いたことで、裁判所は如何に杜撰な審理をし、如何に理不尽な判決を下しても「世間」から何の文句も飛んでこないと諒解した。そこで、小沢氏の裁判と全く逆のことを、石川さんに、した。つまり、小沢氏裁判で高裁は検察官役指定弁護士の証拠申請を悉く却下したが、石川さんたち元秘書の裁判で高裁は弁護側証拠申請を全て却下した。第3者の私がこんなことを言っても詮無いが、石川さん周辺は裁判所の性質についてもっと知悉し、安田さんを石川さんに就けるべきではなかった。
 選挙である。このような(刑事被告人の)情況で選挙に勝てるわけがない。石川さんが憐れでならない。
 [日本未来の党]は惨敗に終わった。小沢氏の多くの仲間が国会に帰ってこられないことになった。国民は、この選挙結果の奥にあるものを目をしっかり開けて見なければならない。検察が2度不起訴にした小沢氏を検察審査会は強制起訴し、小沢一郎という稀代の政治家の命脈を断ち、この国の政治を誤らせた。国民は、小沢氏の生命を断ち政治を誤らせた検察の責任を追及すべきだ。検察審査会が起訴した事件が無罪で確定した以上、検察審査会のメンバーの氏名を明らかにすべきだ。おいそれと強制起訴すれば、無罪が確定した場合、恥(名前)を世間に曝すことになると思い知らせるべきだ。
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小沢氏元秘書、来年3月判決=陸山会事件 東京高裁 2012-11-20 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
 小沢氏元秘書、来年3月判決=陸山会事件控訴審―東京高裁
 2012年11月20日20:39 JST
 小沢一郎「国民の生活が第一」代表の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、収支報告書の虚偽記載罪に問われ、一審東京地裁で有罪とされた元公設第1秘書大久保隆規被告(51)について、東京高裁(飯田喜信裁判長)は20日までに、判決期日を来年3月13日に指定した。前衆院議員石川知裕(39)、元私設秘書池田光智(35)両被告も同日に判決が言い渡されるとみられる。
 今月30日に予定されていた3人の第2回公判は取り消され、池田被告は12月26日に、石川被告は来年1月28日に、それぞれ一審判決後の情状面に限った被告人質問などが行われ、結審する見通し。[時事通信社]
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〈来栖の独白 2012/11/20 Tue.〉
 高裁飯田喜信裁判長の胸の裡を、来栖が代わりに表白・・・・
 「もう何をやっても大丈夫だ。小沢無罪確定には不満な人も少なくないはずだ。その不満の捌け口に秘書裁判がなってやろう。弁護側証拠は却下した。審理(公判)など、するには及ばない。弁護人が安田好弘と聞いた時から、腹は決まっていた。あの人権派鬼畜弁護士がついた被告人なら、有罪にしても、どこからも文句ひとつ飛んでこない。俺様の出世にも寄与する判決となる。小沢も秘書も無罪、では、裁判所の立つ瀬がないではないか。秘書は有罪。それが調和というものだ。
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東京高裁が握り潰した水谷裏ガネ証言崩す新証拠/小沢氏も、弁護人が安田さんだったら負けていた 2012-11-15 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 東京高裁が握り潰した水谷裏ガネ証言崩す新証拠
 日刊ゲンダイ2012年11月15日 掲載
小沢元秘書控訴番
 14日、「国民の生活が第一」・小沢一郎代表の元秘書3人の控訴審第1回公判が開かれた。弁護側は、1審の“推認判決”が事実認定した「水谷建設からの裏金授受」を打ち消す新たな証拠を突きつけたが、東京高裁の飯田喜信裁判長は証拠請求を退けた。事件の「真相」を握りつぶされてしまうのか。
「裁判長は『真実は何か』について、目を開けていただきたい」
 そう公判で熱っぽく訴えたのは、控訴審から元秘書・石川知裕衆院議員(39)の主任弁護士となった安田好弘氏だ。
「石川議員は昨年9月の1審判決で、水谷からの計1億円の裏金のうち、1回目の5000万円を受け取ったと認定されました。客観的な証拠はゼロ。それでも、裏金授受の発覚を恐れて収支報告書を虚偽記入したと断罪されたのです」(司法ジャーナリスト)
 安田氏が発見した新証拠は、1審判決の根幹を崩す衝撃的な内容だ。
 裏金は04年10月15日の午後2時か3時ごろ、東京・赤坂の旧全日空ホテルのロビーで、水谷の川村尚社長(当時)が現金を紙袋に入れて石川に手渡したとされる。安田氏は、当日のスケジュールを記した3つの手帳を提出。石川と大久保隆規・元秘書、さらに大手ゼネコン「鹿島」の東北支店長(当時)のものだ。
 この日、大久保は「都合がつかなくなった」として、代理に石川を裏金授受の現場に行かせたはずだが、大久保の手帳は当日の午後7時まで真っ白。
 代理を命じられた石川の手帳にも“大事な仕事”を示すような記載はない。
 東北支店長の手帳には、午前中に水谷功会長(当時)に会ったと記されていた。川村社長は1審公判で「15日午前に1人で鹿島の東北支店におじゃまし、その後、新幹線で東京に戻り、水谷の東京支店で裏金を準備してホテルへ向かった」と証言したが、単独行動はウソ。当日は水谷会長に随行していたのだ。
 さらに安田氏は水谷会長と川村社長の陳述書を提出。水谷会長は「支店に向かう前日、川村から『すでに裏金を渡した』と聞かされた」と述べ、川村社長も当日は会長と行動を共にしたことを認め、「今も現金を渡した相手の顔を思い出せない」「検事に『(裏金の授受は)15日じゃなきゃ、ダメだ』と念を押された」と述べたという。
 いずれも1審で出なかった「新事実」で、裏金の授受を打ち消す内容ばかり。控訴審では当然、これらの新証拠を採用して審理を尽くすべきだが、飯田裁判長は真相究明から逃げた。
「新事実と向き合う気もなければ、最初から審理するつもりもない。右から左に1審のデタラメ判決を維持するだけ。これでは控訴審は無意味です。職場を放棄する、とんでもない裁判長です」(元検事で関西大特任教授の郷原信郎弁護士)
 元秘書の裁判で裏金疑惑が晴れなければ、小沢の汚名は完全には消えない。今回の暴挙には、司法判断を超えた圧力を感じるのだ。
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〈来栖の独白2012/11/15 Thu.〉
 難しいことだ。小沢氏の場合、無罪が勝ち取れたのは、弁護人が定評ある弘中氏だったのも大きい。「安田さんだったら負けていた」と、夏の面会の折、K君(名古屋アベック殺人事件の受刑者)と話したことだ。
 事実に依らず、証拠にも依らず、イメージで決める。これが司法の実態だ。裁判所というところは、世間の動向を殊の外、気にする。小沢さんも、安田さんに弁護を頼んでいたら、負けていた。裁判官の出世も懸っている(=官僚司法)。こんなところにメディアが群がり、現民主党政権のごとき政治家が、甘い蜜を吸う。こんな所が、裁きの庭だ。「証拠隠しがあった。想定と違う取り調べ内容は証拠化せず」と前田恒彦元検事も言っていた。
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小沢一郎氏裁判/司法官僚によって行使される人事権は全国の裁判官たちに絶大な影響力をもつ 2012-01-19 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
 新藤宗幸著『司法官僚』〔裁判所の権力者たち〕(岩波新書)
“司法官僚は全国の判決や訴訟指揮の情報を集める。それをもとに行使される人事権は全国3500名の裁判官たちに絶大な影響力をもつ。10年ごとの再任の有無、昇級、転勤を司法官僚が決める。事務総局が召集する「合同」と呼ばれる研究会も下級審の裁判内容を遠隔操作する結果を生む。
 裁判とは社会で周縁においやられた人々の、尊厳回復の最後の機会である。必死の訴えをする人々に遭遇したとき、裁判官は全人格的判断をもって救済に当たるべきだ。しかし、人々の目にふれぬところで、裁判官の内面までゆがめ、その存在理由をあやうくしているシステムがあるのだとすれば大問題である。
 政権交代とは闇を打破る時代のことであろう。本書の提言にかかる裁判所情報公開法などによって司法の実態にも光が当てられ、真の改革が着手されるべきだ。 ” 
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異端の肖像2006「怒り」なき時代に 弁護士安田好弘(58)
【中日新聞2006年5月11日夕刊】
 「弁護士としての資質、人間としてのモラルに失望した」。読者から一枚のファクスが届いた。この読者一人にとどまらない。テレビのワイドショーで、ネット上で非難があふれ返った。
 安田好弘。いま、日本で最も物議を醸している弁護士だ。かつてオウム真理教元代表・麻原彰晃被告=本名・松本智津夫=の主任弁護人を務め、先月、山口県母子殺害事件の上告審でも弁護人を務めた。
 「悪人は早く吊(つる)せ」という世間感情、タレント弁護士が登場するお茶の間のにぎわいに彼は背を向ける。 非難のきっかけはこの上告審だった。三月十四日、最高裁の口頭弁論を安田は相方の弁護士とともに欠席した。
 最高裁、検察、遺族は憤った。最高裁は昨年導入された改正刑事訴訟法に基づき、四月十八日の弁論への出頭在廷命令を初適用。欠席すれば、解任は避けられない。彼は法廷で「被告に殺意はなく、下級審の事実認定は疑問」と弁論の続行を訴えたが打ち切られた。
 異例ずくめだった。昨年十二月上旬、二審の弁護人が最高裁へ「弁論は自分ではなく、安田さんに頼もうかと思っている」と伝えたという。開廷日は裁判所と検察、弁護人の三者で協議されるのが慣例だが、裁判所は同月下旬、一方的に開廷日を通告してきた。
 安田は二月下旬、初めて被告人と接見した。被告の話が事件記録と違い、驚いて弁護人を引き受けた。さらに自白調書と死体所見の食い違いを見つけ、被告の殺意に疑問を抱いた。
 弁論準備には数千ページに及ぶ記録の精査が必要だ。当日は日弁連の催しも重なっていた。彼は裁判所に三カ月の延期を要望。「従来は認められたケース」(安田)だったが、今回は拒まれた。弁論は通常一回で、準備なしに出廷すれば事実上、死刑を後押ししかねない。欠席の方針を固めた。
 「被害者の人権を無視した」と苛烈(かれつ)なバッシングが待っていた。オウム真理教の裁判のときよりも酷(ひど)かった。当人はどう受けとめたのか。
 「こういう仕事をしている以上、避けられない。凶悪とみられる人々の弁護をするのだから。世論は常に多数派だ。逆に被告は孤立している。弁護が少数者のためである以上、多数派から叩(たた)かれるのは定めだ」
 その使命感は、と聞こうとすると、安田は遮って「使命感じゃない。これが弁護士という職業の仕事なんです」と言い切った。
 報酬に乏しい公安事件、重大な刑事事件を背負ってきた。死刑の求刑、あるいは下級審で死刑判決が出た後に、彼が請け負った事件は十七に上る。大半が依頼だった。ある法曹関係者は「こうした事件を受ける弁護士が少なくなり、彼に集中している」と漏らす。
 「自分も(こうした事件から)できれば逃げたいと思う」と安田は話す。
 「死刑が絡む事件は不安だ。何もできないだろうと落ち込む。裁判で負けても終わらない。被告が処刑される日まで守らねばならない。毎日、冷や冷やして自分も生きていかねばならない。だから、だれもやりたがらない。でも、被告から依頼の手紙が舞い込む。接見で顔を見てしまう。そうすると断れなくなる」
 非難の主流は「遺族感情に配慮しろ」だった。今回の事件では、被告が一審判決後に獄中から友人に宛(あ)てた「終始笑うは悪なのが、今の世だ」という手紙の一節が非難に油を注いだ。
 「復讐(ふくしゅう)したいという遺族の気持ちは分かる。だが、復讐が社会の安全を維持しないという視点から近代刑事裁判は出発した。もし、復讐という考えを認めれば殺し合いしか残らない」
 裁判を死刑廃止運動に利用しているという批判もあった。「死刑廃止を法廷で考えているとしたら弁護士失格だ。法廷は事実を争う場であって、政策や思想の場ではない。だいたい判決は死刑だろう、と考えて弁護なんてできやしない」
 安田の弁護は徹底して事実にこだわる。愚直なまでに現場に行き、再現を繰り返す。「よく被告のうそをうのみにして、とか言われるが、うそで起訴事実が覆せるほど、法廷は甘くない。肝心なのは遺体や現場の状況という客観的な証拠だ。被告がどう言ってるかは参考情報にすぎない」
 そんな弁護スタイルが、これまでいくつかの死刑判決を覆した。ただ、その手法も壁に突き当たりつつある。昨今の迅速化を掲げた「司法改革」の流れだ。
 例えば、被告側の防御権を損ないかねない公判前整理手続きが、昨年十一月に導入された。経験した弁護士は「時間がない。十分な検証は不可能だ」と悲鳴を上げた。安田は「迅速化の中身は結局、手抜きだ。検察、裁判所からみれば手軽に一件落着で済む。しかし、被告人には生死や自由が絡んでいる」と憤る。
 「刑事裁判は死んだ」と安田は話す。「有効な反論を通じ、初めて真相は明らかにされる。検察、弁護人の客観的な主張を裁判所が冷静に判断する。そんなシステムが機能不全に陥っている。検察主導の大政翼賛化が進んでいる」
■事実に徹底的にこだわる闘い方
 その理由を安田は「弁護士がしっかり反論せず、検察は地道な事実の積み重ねよりトリックにおぼれ、裁判所も監視の役割を怠っている」と指摘する。
 麻原裁判の長期化に批判が集まり始めたころ、安田は顧問を務める不動産会社の事件で逮捕された。一審は無罪。裁判長は検察側の強引な公訴内容に苦言を呈した。とはいえ、十カ月もの拘置で麻原裁判の舞台からは“消された”。
 この拘置中、殺人的な仕事からは解放された。でも保釈後、再び以前の日々を送る。「朝七時から会議をやって、夜九時すぎからも会議。その間に裁判資料を調べ、自宅に帰れるのは二週間に一回だけかなあ」
 安田について、友人でジャーナリストの魚住昭は「徹底的に事実にこだわり、かつ人権を守ろうとする弁護士の基本に忠実な人物。逆に最高裁や検察当局からみれば、最も厄介な人物だろう。それがバッシングの根底にある」と語る。
 孤立しがちな印象の一方で、彼自身の控訴審には前例のない二千百人の弁護士が弁護人に名を連ねた。
 「彼は左翼系で私とは立場が大きく違う」と話しつつ、元検察官の小林英明弁護士は彼をこう評す。「私は死刑問題でも彼とは考え方が根本的に違う。だが、弁護士としての優秀さ、人間性については高く評価している。法の許す範囲内か否かを自覚し、信念を持ち一生懸命やっている」
 団塊の世代のご多分に漏れず、学生活動家だった。そこで容易に人が変節するのを目の当たりにした。
 「自信なんてない。しかし、できるだけ変わらない方を選ぼうと生きてきた。でも、世の中はどんどん単純化していく。一体、この先に何が待っているのか」 (敬称略、田原拓治)
<メモ>山口県母子殺害事件
 1999年4月、同県光市で起きた。起訴状などによると、18歳1カ月の少年が社宅に侵入。女性を絞殺したうえ遺体を陵辱し、生後11カ月の長女を絞殺した。18歳未満は死刑が適用されず、更生の可能性もあるとして一審で無期懲役、二審も一審判決を支持した。しかし、検察側が上告、最高裁は3月に死刑判決が予想される弁論を開廷。被告側は被害者の首に残った指の跡が逆手で、絞殺の意思はなかった、などとして事実見直しを求めている。
 やすだ・よしひろ 1947年、兵庫県生まれ。77年、司法試験合格。80年に起きた新宿西口バス放火事件をはじめ、山梨幼児誘拐殺人、名古屋女子大生誘拐殺人、山谷暴動など各事件を担当し、95年にオウム真理教教祖・麻原彰晃(松本智津夫)被告の主任弁護人に。公判途中の98年、負債を抱えた顧問企業の財産を隠したとして、強制執行妨害容疑で逮捕され、10カ月の拘置。一審は無罪で現在控訴審中。
 和歌山カレー事件の上告審も担当している。著書に「『生きる』という権利」(講談社)。
<デスクメモ>殺人事件の被告人から「自分は身代わり犯だが黙っていてほしい」と頼まれて弁護士が自問する小説があった。弁護士の職業倫理とは何かと。安田氏の場合はさらに、死刑を求刑された被告人の弁護で、世間の非難と国家の圧力と闘ってきた。異端の人なのか、何事にも寛容さを失う社会がそう見せるのか。 (学) 
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「死刑弁護人」安田好弘弁護士の人間像に迫る/東海テレビ 2011/10/10/ 00:45〜 2011-10-08 | 死刑/重刑/生命犯 問題

       

 東海テレビ「死刑弁護人」安田好弘弁護士 人間像に迫る
 山口県光市母子殺害事件の差し戻し控訴審で主任弁護人を務めた安田好弘弁護士の人間増に迫るドキュメンタリー「死刑弁護人」を東海テレビが制作した。10日午前零時45分から東海エリアで放送する。引き受け手の少ない死刑求刑事件の被告の弁護を数多く担当する姿を通じ、裁判員制度導入後の司法の在り方を問う。(服部聡子)
*職責全う 格闘描く
 コンビで秀作ドキュメンタリーを生んできた阿武野勝彦プロデューサーと斉藤潤一ディレクターが放つ司法シリーズの8作目。2008年に放送した3作目の「光と影〜光市母子殺害事件 弁護団の300日」の取材を通じ、安田好弘弁護士と出会ったのが制作のきっかけだ。
 「弁護士の職責を全うしようとする生き方をきっちり描きたいと思った」と斉藤ディレクター。マスコミ嫌いの安田弁護士を説得し、昨年8月から9か月間、カメラを回した。
*「死刑は解決にならぬ」
 安田弁護士は63歳。従来の供述を覆して殺意を否定する主張を展開し「鬼畜」とバッシングを受けた光市の事件以外にも、和歌山毒カレー事件の林真須美死刑囚やオウム真理教事件の麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚らの重大な死刑求刑事件を数多く担当してきた。
 番組では「死刑は何の解決にもならない。事実を出すことで本当の反省と贖罪が生まれる」と、現場を徹底的に歩き、資料の山と格闘する多忙な日常や、死刑廃止運動の取り組みを追う。その一方で、生死に直結する死刑事件を背負う重みや、被告が生きた社会的背景も浮き彫りにする。
 無期懲役の判決を受けながら服役中に自らの命を絶った新宿西口バス放火事件(1980年)の丸山博文受刑囚に対し「ちゃんと弁護してなかった」と悔やむ表情が印象的だ。「死刑の絡む事件の弁護は、最後まで背負うこと」との言葉が重い。
 過去の事件の関連映像を盛り込み、放送時間は1時間45分とシリーズ最長。ナレーターは、反原発活動で注目を集める俳優の山本太郎が担当した。斉藤ディレクターは「少数派の意見をしっかり伝えることが裁判をいろんな見方で考えることにつながる」と語る。
            ◇      ◇
 放送は当初、9月上旬の予定だったが、東海テレビの「ぴーかんテレビ」の不適切なテロップ表示問題を受けて延期に。さらに同コンビが手掛けた番組「記録人 澤井余志郎〜四日市公害の半世紀〜」は日本民間放送連盟賞最優秀賞辞退に追い込まれた。阿武野プロデューサーは複雑な心中を明かしながら「信頼を回復していくのは大変だが、番組以外にお返しできるものはない。礎となるような番組をこつこつ作っていくしかない」と語った。
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