【自民党政権 期待と不安】国民の悲鳴が生んだ大勝利 熟練した経済運営を! ★(1)
zakzak2012.12.19
このたびの衆院選で安倍自民党が得た勝利は、郵政解散での小泉自民党や、前回衆院選での民主党が獲得したものに見劣りするものではない。
日本維新の会(維新)という、目新しい台風の目が登場したので関心が二分されているが、よく考えてみると、維新が小選挙区で獲得した議席は、郵政解散のときに造反組の保守系無所属が得たものよりも少ない。
ただ、維新が比例で40議席近くを占めたのに対し、郵政解散の造反組は自民党への復党を願って新党を結成しなかったため、比例で議席が取れなかっただけだ。
しかし、今回の安倍自民党の勝利に、小泉郵政改革や民主党マニフェストに向けられたような熱狂的な期待は感じられない。安倍晋三総裁が「自民党に信任が戻ってきたというより、民主党の3年間に対する国民の声だろうと思う。自民党に対して厳しい目は続いている。われわれは結果を出したい」といっているのは好ましい認識だろう。
本当のところ、自民党は3年半から何も忘れず、何も覚えずに永田町に戻ってきたようでもある。
違うのは、志には見るべきところがあっても、具体化する知恵もなければ、学ぼうとする謙虚さもなかった民主党よりは「安心して国政を任せられる」という国民の消極的かもしれないが強い信頼であり、何をするか分からない小沢一郎氏という不確定要素におびえなくてもよいというくらいのことだろう。
何しろ、自民党大勝利を予想するマスコミの報道にもかかわらず、リバウンドが起きないどころか、国民が自公両党に3分の2を与えて、安定政権を提供したのは、「ともかく経済をしっかりやってほしい」という国民の悲鳴がゆえであろう。
「安倍政権でバブルが来ます」といってインフレに強い資産を売り込もうという電話が増えたなどと言うのも困るが、デフレ対策に熱心に取り組まなかった民主党とはひと味違った、熟練した経済運営を期待したい。
参院では過半数を確保していないが、幸いに、それを再可決で覆すことができる衆院での議席がある。来年夏の参院選までは、重厚なベテランを枢要ポストにつけて、何かというと焦って墓穴を掘った民主党政権の轍を踏まないよう、内政も外交もお願いしたい。
■八幡和郎(やわた・かずお) 1951年、滋賀県生まれ。東大法学部卒業後、通産省入省。フランス国立行政学院(ENA)留学。大臣官房情報管理課長、国土庁長官官房参事官などを歴任し、退官。作家、評論家として新聞やテレビで活躍。徳島文理大学教授。著書に「本当はスゴい国? ダメな国? 日本の通信簿」(ソフトバンク新書)など。
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自民党政権 期待と不安(1)/何をするか分からない小沢一郎氏という不確定要素に怯えなくてもよい・・・
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