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【レーダー照射】事実上の「攻撃予告」 挑発さらにエスカレート 9月以降、海軍と海自の対峙も常態化

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【レーダー照射】挑発さらにエスカレート 9月以降、海軍と海自の対峙も常態化
産経新聞2013.2.5 23:43
 中国海軍艦艇が海上自衛隊艦艇などに射撃管制用レーダーを照射したことで中国側は東シナ海での威嚇をさらにエスカレートさせたといえる。レーダー照射は「極めて特異な事例」(小野寺五典防衛相)のため政府は危機感を強めている。
 菅(すが)義偉(よしひで)官房長官は5日の記者会見で、中国の海洋監視船2隻が4日に沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵入し、過去最長の14時間以上も侵入を続けたことを「極めて遺憾だ」と批判。斎木昭隆外務審議官は中国の程永華駐日大使を呼んで抗議の上、自制を求めた。
 政府は昨年9月に尖閣諸島を国有化して以降、海洋監視船など中国公船の領海侵入についてはその都度発表してきた。だが実は、尖閣周辺では昨年9月以降、中国海軍艦艇と海自艦艇のにらみ合いも常態化している。
 その位置関係はこうだ。
 尖閣周辺の日本領海(22キロ)には海保巡視船が配置され、領海の外側に設定された接続水域(44キロ)から領海内に侵入してくる中国公船を警戒している。さらに、その北方で尖閣から約112〜128キロ離れた海域には中国海軍のジャンウェイ級やジャンカイ級のフリゲート艦など2隻が常時展開しており、それを海自艦艇がマークしている。
 ただ民主党政権時代、海自艦艇は尖閣から112キロ内の海域に入ることを自制してきた。中国を刺激することを嫌った首相官邸の指示だったとされる。そうした「弱腰」に乗じるかのように中国艦艇は海自艦艇に近づくような挑発にも出てきたことがあるという。
 今回レーダー照射を行ったのはジャンウェイ級とジャンカイ級だったため、常時展開してきている2隻のうちの1隻で、照射をされたのはそれをマークしていた海自艦艇の可能性がある。護衛艦には約3キロまで接近した上でレーダーを照射しており、これまでとは比べようもないほど緊張感を高める威嚇だ。
 中国軍は「海」に先んじる形で「空」でも挑発をエスカレートさせている。昨年9月以降、軍用機Y8が東シナ海上空で日本領空への接近飛行を繰り返している。今年に入ると戦闘機が自衛隊機のほか、米海軍のP3C哨戒機などを執拗(しつよう)に追尾するようにもなった。
 こうした中国側の対応は、安倍晋三政権が領海・領空侵犯への対抗措置の強化を検討していることを踏まえ「日本側の『出方』をうかがっている」(政府高官)と指摘される。
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【レーダー照射】事実上の「攻撃予告」
産経新聞2013.2.6 00:16
 中国のフリゲート艦が海自の護衛艦に照射した射撃管制用のレーダーは「FCレーダー」とも呼ばれ、ミサイルや火砲などを発射する際、目標の距離や針路、速力、高度などを正確に捕捉し自動追尾する「ロックオン」に用いるもの。照射はいわば「攻撃予告」であり、「照射された側が対応行動として先に攻撃しても、国際法的に何ら問題ではない」(防衛省幹部)ほどの危険な行為だ。
 防衛省によると中国側は今回、それぞれ数分間にわたりレーダーを照射した。発射ボタンを押せばミサイルなどでの攻撃が可能な状態であり、海自側は回避行動を余儀なくされた。小野寺五典防衛相は記者会見で「(日本側に)落ち度があるわけがない」と述べ、中国側の一方的な挑発行為であることを強調した。
 海自によると、軍用の艦艇は大別して(1)周辺の艦船や漁船などを捕捉する航海用のレーダー(2)対空監視用レーダー(3)射撃管制用レーダー−の3種類を搭載しているが、通常の警戒監視で射撃管制用レーダーを用いることはない。海自幹部は「こちらがどういう対応をするかを観察するために使った可能性がある」と中国側の意図を推測した。
 中国艦艇から海自がレーダー照射を受けた事実が判明したのは初めてだが、冷戦期の旧ソ連も日本側に対し、砲を向けるなどの直接的な挑発行為を行っていたという。中国側も今後、さらに挑発行為をエスカレートさせていく可能性がある。
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レーダー照射 中国挑発に万全の備えを
産経新聞2013.2.6 03:20[主張]
 沖縄県・尖閣諸島周辺の東シナ海で海上自衛隊の護衛艦が先月30日、中国海軍のフリゲート艦から火器管制レーダーの照射を受けていたことが判明した。
 レーダー照射は目標物を正確に射撃するための準備行為であり、護衛艦をいつでも攻撃できる態勢をあらわにしたものだ。事実上の軍事行動であり、武力行使を意図した極めて危険な挑発行為だ。
 こうした不当な行動は受け入れられない。中国の領空・領海侵犯をさらにエスカレートした行為を繰り返させないためには断固たる対抗措置をとるとともに、万全の備えを固めなければならない。
 日本政府が5日、中国に厳重抗議したのは当然だが、外務省の課長による中国大使館への抗議だけで十分といえるのか。安倍晋三政権は駐中国大使召還など必要な対抗措置をとり、挑発を許さぬ毅然(きぜん)とした姿勢で対処すべきだ。
 小野寺五典防衛相は、海自艦へのレーダー照射について「極めて特異で、一歩間違うと危険な状況に陥っていた」と事態を引き起こした中国側の行動に対して強く非難した。
 小野寺氏は1月19日にも護衛艦搭載ヘリコプターに対し、中国海軍艦艇からレーダー照射が行われた可能性があることを認めた。
 中国は今月4日も国家海洋局所属の海洋監視船2隻が尖閣周辺で過去最長の14時間にわたり領海を侵犯した。外務省の斎木昭隆外務審議官が5日、程永華駐日中国大使を外務省に呼んでこれに厳重抗議したが、程氏は「申し入れは受け入れられない」と反論した。
 先に訪中した公明党の山口那津男代表に対し、中国共産党の習近平総書記が「対話と協議による解決が重要だ」と語るなど対話再開を模索する動きも出ている。しかし、中国側は力による威嚇で尖閣をめぐる現状変更を狙う行動を一向にやめようとしない。
 安倍首相は1日の参院本会議で、自民党公約でも掲げた尖閣諸島への国家公務員常駐について「安定的に維持、管理するための選択肢の一つだ」と発言した。
 対話再開へ統治強化策を強く前面に出すことを控えてきた面もあるが、中国側を抑止するあらゆる措置を検討することが重要だ。自衛隊や海上保安庁による警戒監視活動強化と併せ、不測の事態への備えを怠ってはならない。
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【レーダー照射】「中国許せない」「衝突に発展しなければいいが」沖縄住民、怒りと不安
産経新聞2013.2.6 00:30
 「一歩間違えば大変危険な事態が発生する」。東シナ海で中国海軍艦艇が海上自衛隊の護衛艦に、火器管制用のレーダーを照射したことを受け、小野寺五(いつ)典(のり)防衛相(52)は5日、問題の深刻さをこう表現した。尖閣諸島(沖縄県)周辺では中国による領海侵入や領空侵犯が活発化しており、自衛隊が警戒を強める中で起こった今回の事態。周辺自治体や住民の間には、挑発を繰り返す中国への怒りと、今後の展開に対する緊張が交錯した。
 「(事態が)尖閣諸島の問題から波及したととらえれば、日本の領土であることは紛れもない事実なのに、こういう手段で対抗してくることは許せない」
 尖閣諸島を管轄する石垣市の中山義隆市長(45)は、事態を重く受け止め、憤りをあらわにした。
 「紛争や衝突ということになれば、最も不利益を被るのは地元の漁師、住民だ」と危惧する中山市長。政府に対して中国への厳重抗議を求めるとともに、国際世論も中国を非難すべきだと訴える。
 住民にも動揺が広がった。漁業文化史を研究する石垣市の金城(きんじょう)五(いつ)男(お)さん(61)は「尖閣諸島の近辺で同じことが起きたら一触即発だ」と不安を隠せない。「このままでは尖閣を奪われてしまうのではないかと、ものすごく歯がゆく感じる」と話すのは同市の八重山漁協元組合長、比嘉康雅さん(56)。エスカレートする中国の挑発については「軍事衝突に発展するようなことにならなければいいが…」と述べ、「政府は挑発に乗らず、断固とした態度で抗議に臨んでほしい」と要望した。
 「尖閣諸島を守る会」世話人で石垣市議の仲間均さん(63)は「このまま尖閣に上陸されたらどうするのか。日本はまだまだ腰が弱い。今こそ日米安保条約に基づき、アメリカと組んで中国に相対していくべきだ」と語気を強める。
 また、同会理事で宮古島市議の佐久本洋介さん(65)も「これまでも領海侵犯が繰り返されてきたが今回は度が過ぎる行為。日本の漁民が安心して尖閣の周辺海域に行ける日が、また遠のいた」と嘆いた。
 中国側の意図については「ここまですれば日本がどういう反応をするか、見定めるためだろう」と推測。一方で「日本がレーダー照射に対抗するような強い姿勢に出れば、本当に戦争になりかねない。厳重な抗議はもちろんだが、政府もそれ以上の対応は難しいだろう」と話した。
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【明日へのフォーカス】 オスプレイが問う「心の絆」 論説副委員長・高畑昭男
産経新聞2012.9.30 03:08
 防衛省が主催した米海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイの体験搭乗に参加しての第一印象は「思ったよりも機体が小さい」だった。
 定員24人の機内は、20〜30人乗りの小型バスのようだ。天井は電子機器などのムキ出しの配線でびっしりと埋まり、いかにも軍用らしい。床から伝わる小刻みの振動と、「キンキン」と響く金属的なローター(回転翼)音が特徴的だ。
 小ぶりなだけに小回りがきく。
 ヘリコプターモード、スピード感のある飛行機モード、戦場などから高速で上昇・脱出する急速離脱モードの3モードを続けて使い分け、米軍岩国基地(山口県岩国市)の周辺をキビキビと飛び回った。
 各モードに約7分、計20分余の短いフライトだったが、身の危険を感じることはなかった。最大の特徴である「可変式回転翼」の角度を変える際も、機内では気がつかないほどにスムーズだった。
 オスプレイは現役のCH46ヘリよりも速度が2倍、搭載量が3倍、行動半径4倍の高い性能を誇る。オリンピックの標語風にいえば、「より速く、より高く、より遠く」へ兵員や物資を運ぶことができる。騒音も少ないという。
 特に往復燃料や作戦行動なども含めた「行動半径」の差は重要だ。CH46の140キロに比べて、4倍の600キロある。普天間飛行場のある沖縄本島から尖閣諸島(約420キロ)までノンストップで往復作戦をこなせるのは画期的だ。
 しかもCH46は空中給油ができないが、オスプレイは1回の空中給油で行動半径が1100キロに伸びる。沖縄中心の地図をみれば一目瞭然だが、これは朝鮮半島のソウル、台湾の全土、中国の上海、フィリピン北端までを含む大きな距離圏だ。
 「米海兵隊の抑止機能が格段に向上し、日本の安全保障にかかわる大切な措置だ」と森本敏防衛相が強調するのは、日米同盟にとってのこうした利点からだ。中国側がオスプレイ導入に鋭く反発したのも、その威力を恐れての反応に違いない。
 米海兵隊は既にイラクやアフガニスタンなどで実戦に活用し、全世界で約140機を運用中だ。それなのに、日本で「安全性」を口実にした一部の反対が続いているのは残念としかいいようがない。
 体験搭乗で出会った米軍関係者は「既に世界中で使われており、安全性に疑問を感じたことはない。日本に来て初めて安全論争の存在を知った」と、過剰ともいえる安全論議に当惑し、顔をくもらせていた。
 更新対象となるCH46は導入後40年が過ぎて老朽化が進み、日本の自衛隊でもとっくに退役ずみだ。そんな流れの中で、アジア太平洋の安全の要石を支える日本だけが米軍の装備更新を遅らせていていいのか。
 一方で、尖閣諸島などで中国が攻勢を強める中で「アメリカは日本を守ってくれるのか」という疑問が国民の一部にある。だが、米海兵隊の手足を縛っておいて「助けてくれ」では、全く筋が通らないだろう。
 オスプレイは災害救援でも活躍が期待できる。東日本大震災前に導入されていれば被災者救出や救援物資輸送に威力を発揮し、より多くの国民の生命や財産を救えたと思う。
 同盟を強化する上で先立つものは装備の更新以上に心のつながりだ。オスプレイの「安全」に固執するあまり、日米の心の絆が損なわれる事態が心配だ。 *強調(太字・着色)、リンクは来栖
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