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小沢一郎氏元秘書 3月13日 判決/勝つためには弁護人を代えることだ/「安田弁護士」は、通じなくなっている 

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陸山会事件:池田被告の裁判が結審 3月13日に判決
毎日新聞2013年02月15日 19時08分
 小沢一郎・生活の党代表(70)=無罪確定=の資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた元秘書3人のうち、事務担当だった池田光智被告(35)=1審有罪=の控訴審が15日、東京高裁(飯田喜信裁判長)で結審した。判決期日は、衆院議員の石川知裕被告(39)=同=や会計責任者で公設第1秘書だった大久保隆規被告(51)=同=と同じ3月13日に指定された。
 この日の被告人質問で、池田元秘書は「(小沢代表が提供した)4億円を隠そうとしたことはない。石川議員の言われた通りに記載した」などと改めて無罪を主張した。【鈴木一生】
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小沢氏元秘書 来年3月判決=陸山会事件 東京高裁/悔しいが、勝つためには弁護人を代えることだ 2012-11-20 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア 
 小沢氏元秘書、来年3月判決=陸山会事件控訴審―東京高裁
 2012年11月20日20:39 JST
 小沢一郎「国民の生活が第一」代表の資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反事件で、収支報告書の虚偽記載罪に問われ、一審東京地裁で有罪とされた元公設第1秘書大久保隆規被告(51)について、東京高裁(飯田喜信裁判長)は20日までに、判決期日を来年3月13日に指定した。前衆院議員石川知裕(39)、元私設秘書池田光智(35)両被告も同日に判決が言い渡されるとみられる。
 今月30日に予定されていた3人の第2回公判は取り消され、池田被告は12月26日に、石川被告は来年1月28日に、それぞれ一審判決後の情状面に限った被告人質問などが行われ、結審する見通し。[時事通信社]
......
〈来栖の独白 2012/11/20 Tue.〉
  勝ちたいなら、何をおいても弁護人を代えることだ。口惜しいが、「安田好弘弁護士」は、もう通じなくなっている。小沢氏は弘中さんが弁護についたから勝てた。安田弁護士だったら、負けていた。麻原彰晃、和歌山毒カレー事件、光市事件・・・、メディア(世間)から極悪人と決めつけられた被告人を弁護して「鬼畜弁護士」のレッテルを貼られた安田さん。これでは、勝てない。高裁飯田喜信裁判長の胸の裡を、来栖が代わりに表白(以下)・・・・
 「もう何をやっても大丈夫だ。小沢無罪確定には不満な人も少なくないはずだ。その不満の捌け口に秘書裁判がなってやろう。弁護側証拠は却下した。審理(公判)など、するには及ばない。弁護人が安田好弘と聞いた時から、腹は決まっていた。あの人権派鬼畜弁護士がついた被告人なら、有罪にしても、どこからも文句ひとつ飛んでこない。俺様の出世にも寄与する判決となる。《小沢も秘書も無罪》では、裁判所のメンツがないではないか。秘書は有罪。それが調和というものだ」
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小沢一郎と秘書 2つの裁判が見せたまったく違う様相 『週刊朝日 2012年11月30日号』 2012-11-20 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
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東京高裁が握り潰した水谷裏ガネ証言崩す新証拠/小沢氏も、弁護人が安田さんだったら負けていた 2012-11-15 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 東京高裁が握り潰した水谷裏ガネ証言崩す新証拠
 日刊ゲンダイ2012年11月15日 掲載
小沢元秘書控訴番
 14日、「国民の生活が第一」・小沢一郎代表の元秘書3人の控訴審第1回公判が開かれた。弁護側は、1審の“推認判決”が事実認定した「水谷建設からの裏金授受」を打ち消す新たな証拠を突きつけたが、東京高裁の飯田喜信裁判長は証拠請求を退けた。事件の「真相」を握りつぶされてしまうのか。
「裁判長は『真実は何か』について、目を開けていただきたい」
 そう公判で熱っぽく訴えたのは、控訴審から元秘書・石川知裕衆院議員(39)の主任弁護士となった安田好弘氏だ。
「石川議員は昨年9月の1審判決で、水谷からの計1億円の裏金のうち、1回目の5000万円を受け取ったと認定されました。客観的な証拠はゼロ。それでも、裏金授受の発覚を恐れて収支報告書を虚偽記入したと断罪されたのです」(司法ジャーナリスト)
 安田氏が発見した新証拠は、1審判決の根幹を崩す衝撃的な内容だ。
 裏金は04年10月15日の午後2時か3時ごろ、東京・赤坂の旧全日空ホテルのロビーで、水谷の川村尚社長(当時)が現金を紙袋に入れて石川に手渡したとされる。安田氏は、当日のスケジュールを記した3つの手帳を提出。石川と大久保隆規・元秘書、さらに大手ゼネコン「鹿島」の東北支店長(当時)のものだ。
 この日、大久保は「都合がつかなくなった」として、代理に石川を裏金授受の現場に行かせたはずだが、大久保の手帳は当日の午後7時まで真っ白。
 代理を命じられた石川の手帳にも“大事な仕事”を示すような記載はない。
 東北支店長の手帳には、午前中に水谷功会長(当時)に会ったと記されていた。川村社長は1審公判で「15日午前に1人で鹿島の東北支店におじゃまし、その後、新幹線で東京に戻り、水谷の東京支店で裏金を準備してホテルへ向かった」と証言したが、単独行動はウソ。当日は水谷会長に随行していたのだ。
 さらに安田氏は水谷会長と川村社長の陳述書を提出。水谷会長は「支店に向かう前日、川村から『すでに裏金を渡した』と聞かされた」と述べ、川村社長も当日は会長と行動を共にしたことを認め、「今も現金を渡した相手の顔を思い出せない」「検事に『(裏金の授受は)15日じゃなきゃ、ダメだ』と念を押された」と述べたという。
 いずれも1審で出なかった「新事実」で、裏金の授受を打ち消す内容ばかり。控訴審では当然、これらの新証拠を採用して審理を尽くすべきだが、飯田裁判長は真相究明から逃げた。
「新事実と向き合う気もなければ、最初から審理するつもりもない。右から左に1審のデタラメ判決を維持するだけ。これでは控訴審は無意味です。職場を放棄する、とんでもない裁判長です」(元検事で関西大特任教授の郷原信郎弁護士)
 元秘書の裁判で裏金疑惑が晴れなければ、小沢の汚名は完全には消えない。今回の暴挙には、司法判断を超えた圧力を感じるのだ。
.................
〈来栖の独白 2012/11/15 Thu. 〉
 難しいことだ。小沢氏の場合、無罪が勝ち取れたのは、弁護人が定評ある弘中氏だったのも大きい。「安田さんだったら負けていた」と、夏の面会の折、K君(名古屋アベック殺人事件の受刑者)と話したことだ。
 事実に依らず、証拠にも依らず、イメージで決める。これが司法の実態だ。裁判所というところは、世間の動向を殊の外、気にする。小沢さんも、安田さんに弁護を頼んでいたら、負けていた。裁判官の出世も懸っている(=官僚司法)。こんなところにメディアが群がり、現民主党政権のごとき政治家が、甘い蜜を吸う。こんな所が、裁きの庭だ。「証拠隠しがあった。想定と違う取り調べ内容は証拠化せず」と前田恒彦元検事も言っていた。
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小沢一郎氏裁判/司法官僚によって行使される人事権は全国の裁判官たちに絶大な影響力をもつ 2012-01-19 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
 新藤宗幸著『司法官僚』〔裁判所の権力者たち〕(岩波新書)
“司法官僚は全国の判決や訴訟指揮の情報を集める。それをもとに行使される人事権は全国3500名の裁判官たちに絶大な影響力をもつ。10年ごとの再任の有無、昇級、転勤を司法官僚が決める。事務総局が召集する「合同」と呼ばれる研究会も下級審の裁判内容を遠隔操作する結果を生む。
 裁判とは社会で周縁においやられた人々の、尊厳回復の最後の機会である。必死の訴えをする人々に遭遇したとき、裁判官は全人格的判断をもって救済に当たるべきだ。しかし、人々の目にふれぬところで、裁判官の内面までゆがめ、その存在理由をあやうくしているシステムがあるのだとすれば大問題である。
 政権交代とは闇を打破る時代のことであろう。本書の提言にかかる裁判所情報公開法などによって司法の実態にも光が当てられ、真の改革が着手されるべきだ。” 
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異端の肖像2006「怒り」なき時代に 弁護士安田好弘(58)
【中日新聞2006年5月11日夕刊】
 「弁護士としての資質、人間としてのモラルに失望した」。読者から一枚のファクスが届いた。この読者一人にとどまらない。テレビのワイドショーで、ネット上で非難があふれ返った。
 安田好弘。いま、日本で最も物議を醸している弁護士だ。かつてオウム真理教元代表・麻原彰晃被告=本名・松本智津夫=の主任弁護人を務め、先月、山口県母子殺害事件の上告審でも弁護人を務めた。
 「悪人は早く吊(つる)せ」という世間感情、タレント弁護士が登場するお茶の間のにぎわいに彼は背を向ける。 非難のきっかけはこの上告審だった。三月十四日、最高裁の口頭弁論を安田は相方の弁護士とともに欠席した。
 最高裁、検察、遺族は憤った。最高裁は昨年導入された改正刑事訴訟法に基づき、四月十八日の弁論への出頭在廷命令を初適用。欠席すれば、解任は避けられない。彼は法廷で「被告に殺意はなく、下級審の事実認定は疑問」と弁論の続行を訴えたが打ち切られた。
 異例ずくめだった。昨年十二月上旬、二審の弁護人が最高裁へ「弁論は自分ではなく、安田さんに頼もうかと思っている」と伝えたという。開廷日は裁判所と検察、弁護人の三者で協議されるのが慣例だが、裁判所は同月下旬、一方的に開廷日を通告してきた。
 安田は二月下旬、初めて被告人と接見した。被告の話が事件記録と違い、驚いて弁護人を引き受けた。さらに自白調書と死体所見の食い違いを見つけ、被告の殺意に疑問を抱いた。
 弁論準備には数千ページに及ぶ記録の精査が必要だ。当日は日弁連の催しも重なっていた。彼は裁判所に三カ月の延期を要望。「従来は認められたケース」(安田)だったが、今回は拒まれた。弁論は通常一回で、準備なしに出廷すれば事実上、死刑を後押ししかねない。欠席の方針を固めた。
 「被害者の人権を無視した」と苛烈(かれつ)なバッシングが待っていた。オウム真理教の裁判のときよりも酷(ひど)かった。当人はどう受けとめたのか。
 「こういう仕事をしている以上、避けられない。凶悪とみられる人々の弁護をするのだから。世論は常に多数派だ。逆に被告は孤立している。弁護が少数者のためである以上、多数派から叩(たた)かれるのは定めだ」
 その使命感は、と聞こうとすると、安田は遮って「使命感じゃない。これが弁護士という職業の仕事なんです」と言い切った。
 報酬に乏しい公安事件、重大な刑事事件を背負ってきた。死刑の求刑、あるいは下級審で死刑判決が出た後に、彼が請け負った事件は十七に上る。大半が依頼だった。ある法曹関係者は「こうした事件を受ける弁護士が少なくなり、彼に集中している」と漏らす。
 「自分も(こうした事件から)できれば逃げたいと思う」と安田は話す。
 「死刑が絡む事件は不安だ。何もできないだろうと落ち込む。裁判で負けても終わらない。被告が処刑される日まで守らねばならない。毎日、冷や冷やして自分も生きていかねばならない。だから、だれもやりたがらない。でも、被告から依頼の手紙が舞い込む。接見で顔を見てしまう。そうすると断れなくなる」
 非難の主流は「遺族感情に配慮しろ」だった。今回の事件では、被告が一審判決後に獄中から友人に宛(あ)てた「終始笑うは悪なのが、今の世だ」という手紙の一節が非難に油を注いだ。
 「復讐(ふくしゅう)したいという遺族の気持ちは分かる。だが、復讐が社会の安全を維持しないという視点から近代刑事裁判は出発した。もし、復讐という考えを認めれば殺し合いしか残らない」
 裁判を死刑廃止運動に利用しているという批判もあった。「死刑廃止を法廷で考えているとしたら弁護士失格だ。法廷は事実を争う場であって、政策や思想の場ではない。だいたい判決は死刑だろう、と考えて弁護なんてできやしない」
 安田の弁護は徹底して事実にこだわる。愚直なまでに現場に行き、再現を繰り返す。「よく被告のうそをうのみにして、とか言われるが、うそで起訴事実が覆せるほど、法廷は甘くない。肝心なのは遺体や現場の状況という客観的な証拠だ。被告がどう言ってるかは参考情報にすぎない」
 そんな弁護スタイルが、これまでいくつかの死刑判決を覆した。ただ、その手法も壁に突き当たりつつある。昨今の迅速化を掲げた「司法改革」の流れだ。
 例えば、被告側の防御権を損ないかねない公判前整理手続きが、昨年十一月に導入された。経験した弁護士は「時間がない。十分な検証は不可能だ」と悲鳴を上げた。安田は「迅速化の中身は結局、手抜きだ。検察、裁判所からみれば手軽に一件落着で済む。しかし、被告人には生死や自由が絡んでいる」と憤る。
 「刑事裁判は死んだ」と安田は話す。「有効な反論を通じ、初めて真相は明らかにされる。検察、弁護人の客観的な主張を裁判所が冷静に判断する。そんなシステムが機能不全に陥っている。検察主導の大政翼賛化が進んでいる」
■事実に徹底的にこだわる闘い方
 その理由を安田は「弁護士がしっかり反論せず、検察は地道な事実の積み重ねよりトリックにおぼれ、裁判所も監視の役割を怠っている」と指摘する。
 麻原裁判の長期化に批判が集まり始めたころ、安田は顧問を務める不動産会社の事件で逮捕された。一審は無罪。裁判長は検察側の強引な公訴内容に苦言を呈した。とはいえ、十カ月もの拘置で麻原裁判の舞台からは“消された”。
 この拘置中、殺人的な仕事からは解放された。でも保釈後、再び以前の日々を送る。「朝七時から会議をやって、夜九時すぎからも会議。その間に裁判資料を調べ、自宅に帰れるのは二週間に一回だけかなあ」
 安田について、友人でジャーナリストの魚住昭は「徹底的に事実にこだわり、かつ人権を守ろうとする弁護士の基本に忠実な人物。逆に最高裁や検察当局からみれば、最も厄介な人物だろう。それがバッシングの根底にある」と語る。
 孤立しがちな印象の一方で、彼自身の控訴審には前例のない二千百人の弁護士が弁護人に名を連ねた。
 「彼は左翼系で私とは立場が大きく違う」と話しつつ、元検察官の小林英明弁護士は彼をこう評す。「私は死刑問題でも彼とは考え方が根本的に違う。だが、弁護士としての優秀さ、人間性については高く評価している。法の許す範囲内か否かを自覚し、信念を持ち一生懸命やっている」
 団塊の世代のご多分に漏れず、学生活動家だった。そこで容易に人が変節するのを目の当たりにした。
 「自信なんてない。しかし、できるだけ変わらない方を選ぼうと生きてきた。でも、世の中はどんどん単純化していく。一体、この先に何が待っているのか」 (敬称略、田原拓治)
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「死刑弁護人」安田好弘弁護士の人間像に迫る/東海テレビ 2011/10/10/ 00:45〜 2011-10-08 | 死刑/重刑/生命犯 問題

       

 東海テレビ「死刑弁護人」安田好弘弁護士 人間像に迫る
 山口県光市母子殺害事件の差し戻し控訴審で主任弁護人を務めた安田好弘弁護士の人間増に迫るドキュメンタリー「死刑弁護人」を東海テレビが制作した。10日午前零時45分から東海エリアで放送する。引き受け手の少ない死刑求刑事件の被告の弁護を数多く担当する姿を通じ、裁判員制度導入後の司法の在り方を問う。(服部聡子)
*職責全う 格闘描く
 コンビで秀作ドキュメンタリーを生んできた阿武野勝彦プロデューサーと斉藤潤一ディレクターが放つ司法シリーズの8作目。2008年に放送した3作目の「光と影〜光市母子殺害事件 弁護団の300日」の取材を通じ、安田好弘弁護士と出会ったのが制作のきっかけだ。
 「弁護士の職責を全うしようとする生き方をきっちり描きたいと思った」と斉藤ディレクター。マスコミ嫌いの安田弁護士を説得し、昨年8月から9か月間、カメラを回した。
*「死刑は解決にならぬ」
 安田弁護士は63歳。従来の供述を覆して殺意を否定する主張を展開し「鬼畜」とバッシングを受けた光市の事件以外にも、和歌山毒カレー事件の林真須美死刑囚やオウム真理教事件の麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚らの重大な死刑求刑事件を数多く担当してきた。
 番組では「死刑は何の解決にもならない。事実を出すことで本当の反省と贖罪が生まれる」と、現場を徹底的に歩き、資料の山と格闘する多忙な日常や、死刑廃止運動の取り組みを追う。その一方で、生死に直結する死刑事件を背負う重みや、被告が生きた社会的背景も浮き彫りにする。
 無期懲役の判決を受けながら服役中に自らの命を絶った新宿西口バス放火事件(1980年)の丸山博文受刑囚に対し「ちゃんと弁護してなかった」と悔やむ表情が印象的だ。「死刑の絡む事件の弁護は、最後まで背負うこと」との言葉が重い。
 過去の事件の関連映像を盛り込み、放送時間は1時間45分とシリーズ最長。ナレーターは、反原発活動で注目を集める俳優の山本太郎が担当した。斉藤ディレクターは「少数派の意見をしっかり伝えることが裁判をいろんな見方で考えることにつながる」と語る。
            ◇      ◇
 放送は当初、9月上旬の予定だったが、東海テレビの「ぴーかんテレビ」の不適切なテロップ表示問題を受けて延期に。さらに同コンビが手掛けた番組「記録人 澤井余志郎〜四日市公害の半世紀〜」は日本民間放送連盟賞最優秀賞辞退に追い込まれた。阿武野プロデューサーは複雑な心中を明かしながら「信頼を回復していくのは大変だが、番組以外にお返しできるものはない。礎となるような番組をこつこつ作っていくしかない」と語った。
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【小沢裁判とは何だったのか】摘まれた首相の芽 毎日新聞 特集ワイド《鳥越俊太郎・小町谷育子・鈴木哲夫》 2012-11-14 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 特集ワイド:座談会・小沢裁判とは何だったのか 摘まれた首相の芽
 毎日新聞 2012年11月14日 東京夕刊
 資金管理団体「陸山会」の土地購入を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記載)に問われた「国民の生活が第一」代表、小沢一郎氏(70)の控訴審判決で、東京高裁は1審の無罪判決を支持した。「小沢裁判」とは何だったのか。ジャーナリストの鳥越俊太郎、弁護士の小町谷育子、日本BS放送報道局長の鈴木哲夫の3氏に論じてもらった。【構成・瀬尾忠義】
 ◇法律論とモラル混在−−日本BS放送報道局長・鈴木哲夫さん
 ◇「推定有罪報道」検証を−−ジャーナリスト・鳥越俊太郎さん
 ◇1審無罪は控訴制限を−−弁護士・小町谷育子さん
−−「小沢裁判」は1、2審とも無罪となりました。
鳥越 私は、この裁判は一部検察官たちの謀略戦だったと思っている。民主党が政権を取ると見られていた09年の総選挙直前に西松事件があった。東京地検特捜部は、金に絡む問題があるとみて捜査したがうまくいかず、陸山会事件で続けた。検察審査会を使って裁判に持ち込み、有罪にしようと考えたのではないか。しかし謀略は裁判所で木っ端みじんに砕かれた。
小町谷 検察の謀略説はよく聞くが、はたしてどうか。強制起訴になれば裁判所が検察官役の指定弁護士を選任する。つまり、検察が自らのコントロールが及ばないところに事件を投げ出してしまうことになる。検察が「きっと何か出てくるに違いない」と捜査していたのは間違いないが、強制起訴は意外な展開だったのではないか。
鈴木 小沢問題は法律的な問題と政治的なモラルの二つのテーマが常に入り乱れて進んできた。小沢氏は法律論を説明したが、市民感情としてはモラルの話を求めていた、というズレがあった。どちらかに軸足を置いてしっかりと見れば真実がもっと明らかになったはずだ。
−−メディアは「小沢氏は有罪」という印象を与える「推定有罪」のスタンスで報じてきた、と批判されました。
鳥越 推定有罪は、日本のメディアの持っている大きなマイナスポイントだ。一連の報道は読者らに「小沢氏の無罪はおかしい」というイメージを植え付けた。メディアはその責任をどう取るのか。無罪判決が確定したら報道の検証が必要で、場合によっては謝罪すべきだ。
小町谷 残念ながらメディアがきちんと推定無罪で報道した例を今まで見たことがない。唯一の例外が、郵便不正事件で逮捕、起訴されたが無罪となった厚生労働省の村木厚子氏の判決前の報道だ。
鈴木 政治家の裁判では、新聞社は社会部と政治部が取材するが、「小沢嫌い」で一致していることが多い。無罪判決を報じても「政治責任はこれからだ」という記事がセットになる。そうすると小沢氏は永久に悪者なんですよ。
鳥越 土地購入時に提供した4億円の出所について説明責任を果たしていないと批判されたが、私は「父親の遺産相続」で説明は足りていると思う。ただ、庶民感覚では億単位の金を相続できるのは異常で、ここが疑わしいという発生源になっている。
鈴木 小沢氏は「証人喚問でも何でも出る」と言った時がある。強制起訴前の10年6月だ。国会で説明するラストチャンスだったが、菅直人首相(当時)がチャンスをつぶした。4億円と聞くと驚くが、新人を選挙で当選させるには1人1億円と言われる。小沢氏は新人の面倒をみて、09年衆院選の民主党の大勝につなげた。弁護するわけじゃないが政治には金がかかる。小沢氏のお金の使い方に光が当たらないまま、ここまで来てしまった。
小町谷 説明はそれなりにしたと思う。事件のことを話せば公判に影響するかもしれないという危惧は持っていたはずだ。刑罰が待っているかもしれない被告に、どこまで話せと言えるのかは難しい。発言は政治的に利用される可能性があり、そこまで説明責任が求められる必要はないだろう。
鳥越 小沢氏が「検察が調べても起訴できるだけの材料はなかった。これに勝る説明責任はないだろう。でも分かってもらえない」と言っていたのが印象的だった。
−−政治的な影響は?
鈴木 大きい。裁判がなければ、政権交代時の民主党代表だったので多分、首相になっていただろう。「この3年間がなかったらなあ」と漏らしたこともある。一方で小沢バッシングで、地位を高めたり、支持率を高めてきた人たちがいるという構図だ。
鳥越 無罪判決は出たが、勝ったのは検察だ。陸山会事件で、東京地検特捜部の田代政弘検事(当時)が作成した捜査報告書のうそが明るみに出るなど検察も失うものがあった。しかし小沢氏にダメージを与え、首相にさせないという点で成果を上げた。
−−「検察の暴走」が明らかになった裁判でもあった。
小町谷 村木さんの事件で証拠改ざんなどが行われていたので、田代元検事の捜査報告書のうそには驚かなかった。米国は法曹一元なので、裁判官、検察官、弁護士は全て同じ法曹倫理で規律されるが、日本では最近まで検察官に倫理規定がなかったことが問題だ。また、検察審査会が強制起訴した6事件のうち1、2審で3件の無罪判決が出ている。検察が起訴できないとしたものを起訴すると判断した根拠が今後問われる。
鳥越 検察審査会の制度は危ういと感じた。審議は密室だ。地検が起訴できない事件でも、素人に起訴に相当するような材料を見せて起訴を促すように恣意(しい)的に審査会を導いたら、政治生命を奪うことなどは簡単だ。
小町谷 検察内部の審議も密室だ。繰り返すが、検察審査会による強制起訴では、控訴の是非が問われている。これをきっかけに、一般の刑事裁判でも1審で無罪判決が出た時は検察官控訴を制限するような仕組みを検討してもいいのではないか。今回の事件がこの問題を考えるきっかけになればいい。
−−今後の政治行動をどう見ますか。
鈴木 次の総選挙後に第三極の受け皿になろうと考えている。小沢氏は中小政党のトップとサシで会ってきた。政治スケジュールを実は着実にこなしている。
鳥越 小沢氏は自分が表に出てやる時代ではないと感じている。有識者らに呼び掛けて新たな動きを作り、裏方に回る。橋下徹大阪市長、石原慎太郎前東京都知事の連合のようなものではないリベラルな第三極を作り、民主、自民に勝つ戦略を描いているのではないか。
鈴木 その方向で動いているはず。実際に立候補者として財界や有識者の名前が挙がっている。みんなの党の渡辺喜美代表、国民新党を離党した亀井静香衆院議員とも連絡を取り合っているだろう。
小町谷 市民は、政権交代で失望したので政局や権力闘争を冷ややかに見ている。生活を安定させてくれる人は誰なのか、という観点で選挙に臨むと思う。第三極みたいな話が出てきてもおいそれとは乗れないのではないか。
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「メディアは二審無罪までの小沢報道を自ら検証せよ」永田町異聞 / 「検察の“闇”を調べよ」中日新聞 社説 2012-11-14 | 政治/検察/裁判/小沢一郎/メディア
 永田町異聞 2012年11月14日(水)
 メディアは二審無罪までの小沢報道を自ら検証せよ
 「天声人語の一文目」という朝日新聞のテレビCMをこのところよく目にする。
 美しいピアノ曲をバックに、コラムの最初のセンテンスが映し出される。「書き写しノート」のPRも抜け目なく添えて、朝刊一面の看板に「教養」の金箔をはりつける。
 筆者の手もとに、北風三六郎という方から届いた私家版の冊子がある。
 「小沢バッシングの正体」というタイトルのその冊子には、2009年3月4日から2012年5月にかけて、朝日新聞が小沢一郎氏について書いた社説と天声人語が収められている。
 そのうち、天声人語の記事数を数えてみると、じつに54本にのぼる。およそ20日に1度は天声人語に「小沢」が取り上げられている勘定だ。
 小沢氏はあまりにも当然のことながら、二審でも無罪となった。しかも東京高裁は、元秘書らが土地取得に関して故意に記載時期をずらせたとする一審判決を「事実誤認」と指摘し、元秘書らも小沢氏とともに無実であるという認識を色濃く打ち出した。
 ここに至って、あの産経新聞でさえ申し訳ていどではあるが「検察審査会の暴走」に言及しはじめた。報道ステーションの古舘伊知郎氏ですら自分たちのこれまでの報道にちょっぴり反省の弁を述べた。
 朝日新聞の紙面から感じられるものは、相変わらずの自己正当化と、われらこそ「日本の知性」といわんばかりの、傲岸不遜ぶりだ。
 その最たるものが、書き写すほどに文章の模範とする人が多いという「天声人語」であろう。その教養と知性とやらは、小沢を罵倒する数々のフレーズによって、お里が知れる。
 まずは、西松事件で大久保元秘書を逮捕、起訴したあとの次の文章。
◇下心みえみえのゼネコンから党首が巨額の献金を受け、どこが悪いんだと居直る。(2009年3月26日) この件については、のちに検察が無謀捜査を覆い隠すため訴因変更し裁判そのものが消滅している。
 大久保逮捕後のマスコミの大騒動によって代表辞任を余儀なくされた小沢氏について。
◇「本当に怖い」「猛獣が野に放たれた」。党内から漏れる声を聞けば、辞任会見で言っていた「民主主義」とは何かと思う。(2009年5月14日)
 政権交代後、マスコミへのリークによる検察の世論操作に民主党内で批判が強まった。そのさい、検察に寄り添う姿勢を示したのが天声人語の下記の文章だ。
◇これでは捜査への嫌がらせである。…西松事件で小沢一郎氏の秘書が捕まった時、野党の民主党は、政権と結んだ国策捜査だと非難した。目下の状況は与党の思い通りになっていないのだから、「検察の独立」を誇ればいい。(2010年1月21日)
 野田政権が誕生し、小沢氏に近いといわれる輿石氏が幹事長に就任したことに関して。
◇党内融和を最優先した人選だが、かけ違いはないか…そもそも世間に「小沢的なもの」への嫌気がある。(2011年9月1日)
 「小沢的なもの」への嫌気があるとすれば、それをつくってきたのは誰なのか。一般市民の政治家への好悪は、マスメディアの送り出すメッセージによって変化するものであろう。
 2012年4月26日、東京地裁は小沢氏に無罪判決を言い渡した。この翌日の天声人語は、なぜか1983年のロッキード事件一審判決で田中角栄元首相が有罪になったことから書きはじめた。
◇政治を動かした判決といえばやはりロッキード事件だろう。…闇将軍が表舞台に戻る日は遠のいた。…約1年後、田中派の重鎮竹下登らは、分派行動ともいえる創政会の旗揚げへと動く…▼さて、この判決は政治をどう動かすのか。資金問題で強制起訴された小沢一郎氏の無罪である。…だが顧みるに、この人が回す政治に実りは乏しかった▼若き小沢氏は心ならずもオヤジに弓を引き、創政会に名を連ねた。以来、創っては壊しの「ミスター政局」も近々70歳。「最後のご奉公」で何をしたいのか、その本心を蓄財術とともに聞いてみたい。(2012年4月27日)
 まず小沢氏がオヤジと慕った田中角栄氏を持ち出して「金権」イメージをダブらせる。さらには、創政会参加でその恩人を裏切った権力亡者のように書く。
 こうした作文術で、小沢悪徳説に読者を誘う。朝日新聞をはじめとするマスメディア各社が長年にわたり続けてきた典型的な小沢攻撃の手法である。
 一、二審とも無罪になった人物に対し、巨額裏献金を受け取った悪徳政治家のごとく根拠もなく吹聴してきた朝日、毎日、読売、産経、日経、そして各テレビ局は、なぜ、これまでの報道を自ら検証することをしないのか。
 このところ、iPS細胞に関する読売新聞の大誤報や、尼崎連続変死事件で別人の顔写真を掲載するなど、報道の不祥事が相次いでいる。小沢報道についても、いかにウソをくり返してきたかは、一、二審の無罪判決が明確に示している。
 2009年3月3日以来の小沢報道を検証し、本来の報道がどうあるべきだったかを読者、視聴者に自ら示すことこそが、マスメディアの信頼回復にとって最低限必要なことではないだろうか。
 新 恭 (ツイッターアカウント:aratakyo)
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小沢代表無罪 検察の“闇”を調べよ
中日〈東京〉新聞 社説 2012年11月13日
 「国民の生活が第一」代表の小沢一郎被告は、二審も「無罪」だった。問題は検察が市民の強制起訴を意図的に導いた疑いが晴れぬことだ。生ぬるい内部検証では足りず、国会が徹底調査すべきだ。
 そもそも、なぜ小沢氏は強制起訴されたのか。一審に続いて、二審も無罪判決が出た今、あらためて市民による検察審査会の判断に立ち戻ってみる必要がある。
 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、小沢氏を政治資金規正法違反に問うことの是非について、東京地検は二〇一〇年二月に不起訴とした。検察審は同年四月に「起訴相当」と議決し、再捜査を迫られた検察は、また不起訴の判断をした。
 問題はこのときだ。再捜査の過程で、小沢氏の元秘書石川知裕衆院議員を再聴取したが、作成された捜査報告書はでたらめだった。「(石川議員が)検事から『うそをついたら選挙民を裏切ることになる』と言われたのが効いた」など、架空の内容が書かれていた。
 石川議員がICレコーダーで録音していたため、一問一答形式の文書が明白な虚偽であると判明したわけだ。さらに当時の特捜部幹部が小沢氏の供述の不自然性などについて、捜査報告書をつくり、検察審に提出した。「小沢の共謀を推認する積極証拠となりうる」などとも記されていた。
 本来は不起訴にした説明をする検察が、市民を強制起訴するよう誘導したと、受け止められてもやむを得ない内容だといえる。一審判決では「事実に反する捜査報告書で検察審査会の判断を誤らせることは許されない」とまで指摘されたほどだ。検察の恣意(しい)的な手法を断罪したに等しい。
 だが、今年六月に最高検がまとめた報告書では、「(検事の)記憶が混同した」「故意ではなかった」などと結論づけ、市民から告発された検事すべてを不起訴処分にした。かつ、今も報告書をホームページなどで国民に広く知らせていない。あまりに身内に甘すぎる調査結果であり、真相はなお“闇”の中にあるといえよう。
 検察審制度そのものへの冒涜(ぼうとく)に近い問題が露呈している。「記憶の混同」が許されるなら、どんな報告書もまかり通る。もし、検察のシナリオどおりに進んだとしたら、司法の汚点になるどころか、司法改革自体が台無しになる。
 検察が暴走したら、どう食い止めるのか…。根源的な問いも、この事件は投げかけている。
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