小林薫死刑囚ら3人の死刑執行 現安倍政権では初
zakzak2013.02.21
法務省は21日、2004年に奈良市で小学1年の女児を誘拐し、殺害したとして死刑判決が確定した小林薫死刑囚(44)=大阪拘置所=ら3人の刑を執行したと発表した。死刑執行は昨年9月以来で、現安倍政権下では初めて。未執行の死刑確定囚は134人となった。
小林死刑囚は、事件発生から約8年、確定から約6年での執行だった。
他に執行されたのは、茨城県土浦市で08年に起きた9人殺傷事件の金川真大(まさひろ)死刑囚(29)=東京拘置所、02年に名古屋市内で起きたスナック女性経営者強盗殺人事件の武藤(現姓加納)恵喜(けいき)死刑囚(62)=名古屋拘置所。
確定判決などによると、小林死刑囚は04年11月17日、奈良市内の路上で帰宅途中の市立小1年の女児=当時(7)=に声をかけて車に乗せ、わいせつ目的で誘拐。自宅マンション浴室で殺害後、奈良県内の道路脇側溝に放置した。
女児の母親の携帯電話に遺体画像と「次は妹だ」とのメッセージを送信して両親を脅迫するなどしたほか、裁判で「悪いことをしたとは思わない」と証言し、社会に大きな衝撃を与えた。
06年の1審奈良地裁は「被害者が1人であることは死刑を回避する理由にはならない。真剣な反省をしていない上に更生の意欲もなく、人格の矯正可能性は極めて低い」として死刑を選択。弁護側は控訴したが、本人が取り下げ死刑が確定した。その後、小林死刑囚本人が再審請求を行ったが、最高裁は09年12月に再審を認めない決定をした。
金川死刑囚は08年3月、土浦市の民家で男性を刺殺し、4日後にJR荒川沖駅周辺で1人を殺害、7人に重軽傷を負わせた。09年に本人が控訴を取り下げ、死刑が確定した。
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【3人死刑執行】笑顔で「解放されてもまた殺人する」「特に謝罪の思いない」 取材に応じた金川死刑囚、最後まで反省なし
産経ニュース2013.2.21 14:14
「死刑になりたい。生きるのがいやになった」。死刑が執行された金川(かながわ)真大(まさひろ)死刑囚(29)は1審判決前の平成21年6月、水戸拘置支所(水戸市)で産経新聞の取材に応じ、早く死刑に処されたいという心中を吐露。「自殺はどんな方法であれ、自分の体に痛みを加える。そんな勇気がなかったので殺人をした」と話し、最後まで反省の言葉はなかった。
接見室での取材に終始満面の笑みで応じた金川死刑囚。遺族や被害者に謝罪はないのか問うと、「痛かったであろうことは常識で考えたら分かるが、特に謝罪や思いはない」と話し、さらに笑顔を見せた。
拘置所内では「日々、殺すことしか考えていない」と断言。「殺すこととは、もし外に出たら、どうやってまた殺しをするかということ。それは死刑になるため。『今解放されたら、また殺人をするか』と問われたら、答えは『します』しかない」と言い切った。
死刑になりたいと考えるようになった理由は「親が悪いとか教育が悪いとかではない。こう育ったのも運命だ」とした。
接見終了後には「間にアクリル板があるから記者さんと握手もできない」とつぶやいた金川死刑囚。「こうして拘置所でメディアの方と会うのは暇つぶし。反省したというわけではない」と言い残し、接見室を後にした。
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【3人死刑執行】執行前「申し訳ない」 小林死刑囚「薬物投与」を希望
産経ニュース2013.2.21 11:58
小林薫死刑囚は昨年、福島瑞穂参院議員(社民党党首)が昨年9〜11月に実施した確定死刑囚に対するアンケートへの回答で「被害者には本当に申し訳ない思いでいっぱいです」と思いをつづり、絞首刑ではなく「薬物投与による執行」を希望すると表明していた。
小林死刑囚はアンケートで、死刑執行は2日前に告知してほしいと回答。死刑制度については「日本刑法は(中略)復讐法ではない」として反対の意思を示していた。
奈良地裁で死刑判決を受けた後に控訴を取り下げ、確定したことには「弁護士を信じられなかったから」と説明。再審請求については「今後する予定」と回答していた。
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小林死刑囚 死に直面 揺れた心情 謝罪の一方、1審に不満も
産経ニュース2013.2.21 12:24[westナビ]
平成16年に奈良市で小学1年の女児を誘拐し、殺害したとして死刑判決が確定した小林薫死刑囚(44)=大阪拘置所=ら3人の刑が21日午前、執行された。小林死刑囚は判決後、遺族に「人として最低な行為で命を奪った」と謝罪する手紙を出し、被害者命日での刑執行を公判担当だった弁護士に望んでいたとされる。一方で再審請求を行い、死刑関連のアンケートでは判決に不満ももらした。自らの死に直面し、心は揺れ動いていたようだ。
小林死刑囚は18年10月、被害者の有山楓ちゃん=当時(7)=の遺族に対し、「人として最低な行為で大切なお嬢さんの命を奪ってしまいました。刑の執行をもって罪を償うしかない」などと謝罪の言葉を綴った手紙を、1審を担当した弁護士に送付した。
手紙は便箋2枚に直筆で書かれ、「『最後のお願い』として遺族に届けてほしい」と同封されていたという。 弁護士は遺族へ手紙を届けてもらえないか−と県警の担当者に打診。担当者は遺族に伝えたが、遺族側は受け取りを拒否した。
一方で小林死刑囚は、1審の審理に強い不満があったとみられる。
平成20年に実施された「死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90」のアンケートには、「警察の供述調書を頭から信じ、いいかげんな審理の末、死刑判決を下した」などと回答した。同年12月には本人が再審請求もした。
事件当時の奈良県警捜査幹部は、死刑執行を受けて「突然、愛娘を奪われたご両親のことを思うと今でも胸が痛くてたまらない。これまでの月日をどのような思いで過ごされてきたか。死刑執行を節目にして、子供が巻き込まれる悲惨な犯罪はなくしていかないといけない」と話した。
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「生」に執着、再審準備中の刑執行…小林死刑囚
2013年2月21日(木)14時31分配信 読売新聞
奈良県の女児誘拐・殺人など社会を震撼させた事件で、3人の死刑囚の刑が21日、執行された。
政権交代後、初となる執行について、谷垣法相は記者会見で「いずれも極めて残忍で、遺族にとって無念この上ない事件。十分な検討を踏まえたものだ」と語った。ただ、早期の執行を望んでいた死刑囚もおり、遺族は「もう少し反省の機会を与えてほしかった」とやりきれない思いを口にした。
「生きるのは面白くない」「早く死刑判決を受けて死にたい」。奈良地裁の公判の被告人質問で、投げやりな態度を見せた小林薫死刑囚(44)。しかし、2006年9月の同地裁の死刑判決に対し、自ら控訴を取り下げて判決を確定させた後は「生」への執着を見せた。
07年6月に新たに弁護人を選任し、「控訴取り下げは無効」と控訴審の期日指定を求めて大阪高裁に申し立てた。08年12月には再審請求もしたが、いずれも認められなかった。
控訴審の期日指定を求める申し立てを行った際の弁護人の一人、石塚伸一・龍谷大法科大学院教授は「小林死刑囚は、1審の裁判で『わざと殺したわけではない』という主張をきちんとできないままだったことに不満を持っていた。新たな再審請求の準備をしていた最中だったので、主張ができないままの執行は残念で仕方がない」と話した。
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死刑執行に強く抗議し、改めて死刑執行を停止し死刑廃止について全社会的議論を開始することを求める会長声明
本日、東京拘置所、名古屋拘置所、大阪拘置所の各拘置所において、各1名に対する死刑の執行が行われた。自民党政権の復活後初めて、かつ3名もの死刑確定者に対する執行という極めて遺憾な事態であり、当連合会は改めて死刑執行に強く抗議する。
当連合会は、本年2月12日、谷垣法務大臣に対し、「死刑制度の廃止について全社会的議論を開始し、死刑の執行を停止するとともに、死刑えん罪事件を未然に防ぐ措置を緊急に講じることを求める要請書」を提出して、死刑制度に関する当面の検討課題について国民的議論を行うための有識者会議を設置し、死刑制度とその運用に関する情報を広く公開し、死刑制度に関する世界の情勢について調査のうえ、調査結果と議論に基づき、今後の死刑制度の在り方について結論を出すこと、そのような議論が尽くされるまでの間、すべての死刑の執行を停止すること等を求めていた。その直後、この要請を無視してなされた死刑執行は、到底容認することができない。
死刑の廃止は国際的な趨勢であり、昨年12月20日には、国連総会において、全ての死刑存続国に対し、死刑廃止を視野に執行を停止するよう求める決議が、過去最多の111か国の賛成多数で採択された。こうした状況において、死刑制度を存置し、かつ死刑の執行を繰り返す日本の姿勢は際立っており、日本政府は、国連関係機関からも繰り返し、死刑の執行を停止し、死刑制度の廃止に向けた措置をとるよう勧告を受けてきた。昨年10月31日に実施された国連人権理事会作業部会による日本の人権状況に対する第2回目の普遍的定期的審査(UPR)においても、24か国もの国が、日本の死刑制度及びその運用の変更を求めて勧告を行っており、これは、日本が抱える最大の人権問題の一つが、死刑であることを顕著に示している。
しかも、今回執行された3名のうち、2名は、自ら控訴を取り下げたことにより死刑が確定しており、国連条約機関等から繰り返し求められている必要的上訴の要請を充たしていない。また他の1名は、第一審の無期懲役刑判決が検察官の控訴によって覆されており、審理に携わった職業裁判官の間でも量刑判断が分かれた事案である。谷垣法務大臣は、死刑制度の運用に当たっては「十分慎重に考える」旨表明してきたが、就任してから僅か2か月足らずで、はたして真に慎重な検討がなされたか否か、大いに疑問である。
当連合会は、今回の死刑執行に対し強く抗議するとともに、改めて死刑執行を停止し、死刑に関する情報を広く国民に公開し、法務省に有識者会議を設置する等の方策をとることによって、死刑制度の廃止について全社会的議論を直ちに開始することを求めるものである。
2013年(平成25年)2月21日
日本弁護士連合会 会長 山岸憲司
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◆ 奈良女児誘拐殺害事件
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◆ 土浦8人殺傷事件 金川真大被告の判決公判 死刑言い渡し 2009-12-18 | 死刑/重刑/生命犯 問題
◆ 土浦9人殺傷事件判決文要旨 金川被告「完全勝利といったところ・・・」 2009-12-19 | 死刑/重刑/生命犯 問題
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金川真大死刑囚「解放されてもまた殺人する 特に謝罪の思いない」/小林薫死刑囚 再審準備中の刑執行
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