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死刑 存廃論議モラトリアム

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特集地軸 存廃論議モラトリアム
2013年02月24日(日)愛媛新聞
 「(死刑廃止の)国際的動向よりも治安維持、国民の安心安全」。リベラル派と目される弁護士出身の政治家から、こんな言葉が出るとは意外だった。谷垣禎一法相が就任2カ月足らずで死刑執行を発令した▲
  今や傍らの「伴食大臣」と化した法相ポスト。谷垣氏は自ら買って出た。法相を内閣の要の一つとする考えは故後藤田正晴元法相の薫陶らしい。死刑制度堅持を明言した執行後の会見にも影響がにじむ▲
  死刑執行が3年4カ月にわたり途絶えた時期がある。1989年に死刑廃止条約が国連決議され、日本の司法も極刑判断に慎重だった。執行モラトリアム(一時停止)に終止符を打ったのが後藤田氏だ▲
  「裁判官に重い役割を担わせているのに、行政側の法相が執行しないということでは、国家の基本がゆらぐ」。後藤田氏の国会答弁は今も大きな影響を与え、死刑存置派の論理支柱にもなる▲
  死刑に関する権限と義務を併せ持つ法相を政治家が担う以上、裁量に一定の先導力があるのは確か。だが、秩序に従順であらねばならぬ立場では、死刑制度の在り方という高次元の政策判断を主導するのは難しい▲
  民主党政権では国民的議論を進めようと、法相肝いりの勉強会ができたが、結局は尻すぼみ。情報公開を進めないまま、谷垣氏は定期的執行を復活させるのか。最も憂慮すべきは存廃論議のモラトリアムである。
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死刑の執行 犯罪抑止のために必要だ〈産経新聞〉/ この国は「和を以て尊しとなす」談合の世界だ〈来栖〉 2013-02-23 | 死刑/重刑/生命犯 問題 
 死刑の執行 犯罪抑止のために必要だ
 産経新聞2013.2.23 03:20[主張]
 死刑囚3人の刑が執行された。死刑執行は昨年9月以来で、昨年末に政権交代した安倍晋三内閣では初めてとなる。
 谷垣禎一法相は執行後の会見で、判決確定から6カ月以内に死刑を執行するように定めた刑事訴訟法の規定を挙げ、「法の精神を無視することはできない」と語った。
 当然の判断である。刑の執行を前提としない判決など、意味をなさない。法相の資質や私見によって執行が滞留するようなことは許されない。今後も粛々と法相の職務を全うし、重大犯罪の抑止に役立ててほしい。
 民主党政権では、柳田稔氏から平岡秀夫氏まで4代の法相の下で執行ゼロが続き、平成23年は19年ぶりに1件も執行されなかった。未執行の確定死刑囚が130人を超す異常事態が続いている。
 裁判員裁判で国民の代表が苦しみ悩み抜いた末に出した死刑判決もある。法相の職責は、より重くなっていると考えるべきだ。
 死刑存続については国連など海外からの批判もある。しかし、谷垣法相は「死刑は極めて大きな内政上の問題だ。治安維持や国民感情という観点をしっかり考えるべきだ」と反論し、「制度の大綱について、現時点で見直す必要はない」と言い切った。法相の発言を支持したい。
 民主党政権時代の22年、当時の千葉景子法相は「国民的な議論の契機にしたい」と東京拘置所の刑場を報道機関に公開し、省内に「死刑の在り方についての勉強会」を設置した。
 だが、この勉強会は昨年3月、「(死刑)存廃の結論を取りまとめることは相当ではない」との報告書を公表して、議論を打ち切った。谷垣法相は、こうした勉強会についても改めて設置しない意向を示している。
 今回、刑が執行された一人は、16年に奈良市の小学1年女児をわいせつ目的で誘拐し、殺害した。一人は20年、茨城県のJR荒川沖駅などで、男女9人を無差別に殺傷した。
 谷垣法相は「いずれも身勝手な理由で尊い命を奪った。極めて残忍な事件」と強調した。
 21年に内閣府が行った世論調査では、死刑の存続派が85・6%にのぼり、廃止派の5・7%を大きく上回った。日本の国民は、こうした凶悪犯罪に国が厳刑をもって臨むことを強く支持している。
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〈来栖の独白 2013/2/23 Sat. 〉
>死刑の存続派が85・6%にのぼり・・・日本の国民は、こうした凶悪犯罪に国が厳刑をもって臨むことを強く支持している。
 物事は、「数」の多寡で判断してよいものばかりではない。が、政治は往々にして「数」に決定をゆだねる。「健常な99匹よりも、迷える1匹」は、宗教や文学の世界だ。この国から死刑が無くなるとすれば、フランスのような独断できる為政者が現れる時しかないだろう。この国は「和を以て尊しとなす」談合の世界だ。
 ※ 『勝田清孝と来栖宥子の世界』
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谷垣法相の命令により 死刑執行 小林薫(奈良女児誘拐殺害)・金川真大(荒川沖駅)・加納恵喜の3死刑囚 2013-02-21 | 死刑/重刑/生命犯 問題
 奈良・女児殺害の小林死刑囚ら3人死刑執行
 2013年2月21日(木)11時24分配信 読売新聞
 法務省は21日、2004年に奈良県で起きた女児誘拐・殺害事件で死刑が確定した小林薫死刑囚(44)ら3人の刑を同日午前、大阪、東京、名古屋の各拘置所で執行したと発表した。
 死刑執行は昨年9月27日に2人が執行されて以来で、昨年末に誕生した自民党の安倍政権下では初めて。この日の執行で、死刑確定者は134人となった。
 死刑執行は民主党政権下で減少し、11年は19年ぶりにゼロだった。しかし、昨年3月に1年8か月ぶりに再開され、昨年は7人を執行。谷垣法相も就任約2か月で執行に踏み切った。
 死刑が執行されたのは、小林死刑囚のほか、08年3月に茨城県土浦市のJR常磐線荒川沖駅などで2人を殺害、7人に重軽傷を負わせた金川(かながわ)真大(まさひろ)死刑囚(29)、02年3月に名古屋市のスナックで経営者の女性(当時61歳)を殺害し、現金を奪った加納(旧姓・武藤)恵喜(けいき)死刑囚(62)。
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〈来栖の独白 2013 2/21 Thu. 〉
 驚いて、憤っている。3月末(今年度末)の執行も止むを得ないか、と谷垣法相の就任以来の表情から予想はしていた。が、就任2カ月に満たない時点での死刑執行である。早い。迷いの一つもない、法相自らの強固な意志を感じさせる。内閣の支持率は高い。支持浮揚の企図ではない。
 ところで「執行」に至る手順であるが、大臣の裁可を受けた「死刑執行命令書」は、刑事局付の検事の手で直接拘置所所長の手許に運ばれる。執行は命令書の日付から5日以内というのが法の制約である。今回の執行は本日21日(木曜日)、法務大臣の裁可は18日(月曜日)だったか。
 「死刑執行企案書」は膨大なチェック作業ののち作成、完成され、その後、法務省刑事局・矯正局(※)・保護局(※)各内部でのチェックを経てのち、刑事局長の手によって法務大臣官房にまわされる。法務大臣官房では秘書課長、官房長、法務事務次官のルートで「企案書」は上げられる。そして、それぞれの決裁を受けると秘書課長が大臣室へ持参、ここで初めて法務大臣の机の上に置かれることになる。ここまでの期間がほぼ半年。「死刑執行は判決確定の日から6カ月以内」という法制度をにらんでの作業ということで、この推移を考えるとき、谷垣法相の今回の執行命令が如何に慌ただしかったか、その異常さに驚かざるを得ない。
 今回の執行は、恐らくは事務方からの要請というよりも、大臣のほうからの意向、指示によるものではないだろうか。事務方としては恐らく通常通り、早くとも大臣就任3ヵ月を経たあたりで大臣のデスクへ上げるべく企案書を整える心づもりではなかったか、と私は思う。安倍内閣の組閣は昨年12月26日であった。2月18日の死刑執行命令であるなら、如何にも慌ただしい。大臣就任から2カ月に満たない時点でのサインである。これほどに急ぎ、執行した。
(※)矯正局は拘置所からの報告を逐一受け、確定者一人ひとりの健康状態・精神状態を、また保護局は恩赦事務を掌握している部署である。
  (2013-02-21 13:39:33 up)
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