菅首相「違法献金」急展開 東京地検 捜査開始
日刊ゲンダイ2011年7月9日 掲載
在日韓国人K氏が聴取されていた
●「返却日」をウソついていたことも発覚
菅首相の「違法献金問題」が急展開だ。ついに東京地検が捜査を開始した。首相に違法な献金をしていた人物が聴取されていたのだ。どんなに「菅降ろし」が強まっても居座りつづけてきた首相だが、「政治とカネ」がトドメを刺す可能性が出てきた。
●「国籍を知らなかった」は不自然
菅首相の「違法献金問題」とは、横浜市内でパチンコ店を経営する在日韓国人K氏から109万円の献金を受け取っていたという一件だ。政治資金規正法は、政治家が外国人から寄付を受けることを禁じている。
「週刊朝日」(3月11日発売)がスクープし、朝日新聞も3月11日、1面トップで報じた。
「前原誠司外相(当時)が外国人献金問題で辞任した直後だっただけに、政界は『これで首相も終わりだ』と大騒ぎになりました。ところが、まさにその日、大震災が起き、ウヤムヤになってしまったのです」(政界関係者)
首相の「違法献金問題」は、その後、市民団体が告発。ついに東京地検が本格捜査に動きだしたという。大手メディアはほとんど報じていないが、7日の参院予算委で自民党の礒崎陽輔議員が明かした。
〈菅総理は刑事告発されております。今週、相手方のKさんが東京地検から事情聴取を受けております〉
さらに、首相が虚偽答弁をしていたことをバクロした。
これまで首相は、「3月11日の朝日新聞の報道で初めてK氏が在日韓国人だということを知った」「3月14日に献金を返した」と答弁していた。
ところが、礒崎議員が〈現金を返したのはその日じゃないでしょう。あなたが初めて知ったという3月11日の前日、3月10日に神奈川県の保土ケ谷パーキングエリアで、あなたのスタッフがこっそり返したと、そういう事実を我々は聞いている〉と明かしたのだ。その瞬間、首相は真っ青になっていた。
献金を返したのが、3月14日なのか、それとも3月10日なのかでは、決定的な違いがある。司法関係者が言う。
「首相は国会答弁で、『3月11日の報道を受け、事実関係を調べた結果、K氏が在日韓国人だと確認が取れたので3月14日に返却した』と答えています。あくまで外国人だったとは知らなかったという主張です。もし、知っていて献金を受けていれば、罰則の対象ですからね。でも、本当は事前に外国人だと知っていて献金を受け取り、『週刊朝日』から取材を受け、『これはヤバイ』と大慌てで3月10日に献金を返したのではないか。だとすれば返却日を3月14日だと小細工した理由も納得です。K氏は在日韓国人のなかでは有名人だった。首相が外国人だと知らなかったというのは不自然です」
違法献金の捜査はどう進むのか。カギはK氏が握っている。もし、K氏が「首相は自分の国籍を知っていた」と検察に話したら、首相はアウトだ。
「K氏は首相にカンカンになっているといいます。週刊朝日の記事が出る数日前、菅さんがKさんの携帯に電話し、『なにかあったら帰化したことにして欲しい』と頼み込んだりしたことに不信感を持っているというのです」(事情通)
国会で追及した礒崎議員はこう言う。
「捜査情報をどこから入手したかは、信頼できる筋の情報としか言えない。しかし、この問題は首相の『政治とカネ』という重大問題です。真相を明らかにする必要があります」
国会はK氏を「国会喚問」して徹底的に追及すべきだ。
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菅首相「違法献金」 東京地検 捜査開始
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