遠隔操作 片山被告の起訴受け弁護士が会見
日テレNEWS 24 < 2013年3月22日 19:44 >
パソコン遠隔操作事件で、東京地検は22日、3つの事件で逮捕されていたIT関連会社社員・片山祐輔容疑者を起訴した。その後、起訴を受けて片山被告の弁護士が会見した。
起訴された片山被告は去年8月、他人のパソコンを遠隔操作ウイルスに感染させ、「日本航空」に爆破予告を送りつけたハイジャック防止法違反(航空機の運航阻害)や威力業務妨害など3つの罪に問われている。弁護士によると、片山被告は遠隔操作ウイルスに使われている「C#」というプログラム言語について、「使う能力がない」などとこれまで容疑を否認していた。しかし、警視庁などが会社で使用していたパソコンを解析したところ、「C#」を使って遠隔操作ウイルスを試作したとみられる痕跡があったことが捜査関係者への取材で新たにわかった。
起訴を受けて会見した佐藤博史弁護士は、改めて無実を訴えた上で、22日朝の片山被告の様子について、「彼(片山被告)として、さかんに言っていたのは、『あと2日後に出られると思っていたけど、何でこんなことになるのでしょうか。自由にならなきゃいけない身なのに、何でこんなことになっちゃったのでしょうか』(ということ)」と話した。
警視庁などは今後、三重県の男性が誤って逮捕された伊勢神宮の爆破予告事件などでも再逮捕する方針。
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遠隔操作ウィルス事件続報 検察の起訴に勝算はあるのか
ニュース・コメンタリー (2013年03月23日)
遠隔操作ウイルス事件で逮捕された片山祐輔容疑者が22日、ハイジャック防止法違反などの罪で起訴された。起訴に際して検察は片山氏の勤務先のパソコンにウイルスを作ったとみられる痕跡が残されていたことが新たに分かったなどの情報を盛んにリークすることで、起訴は十分に根拠のあるものであることを訴えようとしているようだ。
ことを受けて記者会見した片山氏の弁護人の佐藤博史弁護士らは「検察は有罪立証ができると考えているようだが、片山氏が真犯人であるとの確信は持てていないはずだ」と、今回の起訴についてもその不当性を強く訴えている。
佐藤弁護士は、片山氏が取り調べの録音録画を求め、警察や検察がそれに応じていないため、これまで検察は片山氏とは1度しか話すことができていない。その時の話の内容も江ノ島の猫の話など「通り一遍のもの」で、それだけで片山氏が真犯人であるとの確信を持つことは到底あり得ないと言う。
つまり、検察は勾留している片山氏自身に対する取り調べではなく、状況証拠、とりわけ片山氏の勤務先のパソコンやFBIからの情報提供で遠隔操作ウイルスが見つかったとされるインターネット上のドロップボックスのサーバーから入手した情報のみで片山氏を起訴している可能性が高い。
日本の刑事司法の自白偏重主義は批判を受けていて、より物証や客観的な証拠の積み上げによる捜査に移行すべきだとの意見が根強い。果たして今回の片山氏起訴の根拠となった証拠は、「物証や客観的な証拠」と呼べるものなのか。パソコンの遠隔操作という事件の特殊性を考えた時、勤務先のパソコンやサーバーに残されていた情報だけを元に逮捕・起訴をすることにリスクはないのか。ジャーナリストの神保哲生と社会学者の宮台真司が議論した。
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◆ PC遠隔操作事件 片山容疑者弁護人・佐藤博史弁護士ぶら下がり会見 検察の不当な取調べに怒り 2013-03-07 | 社会
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◆ 【PC遠隔操作事件】 佐藤博史&木谷明弁護士が片山祐輔容疑者を「真犯人でない」と主張 2013-03-05 | 社会
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遠隔操作 「5人目の誤認逮捕だ」 佐藤博史弁護士インタビュー
産経新聞 3月13日(水)7時55分配信
片山祐輔容疑者は一貫して無罪を訴え、2月19日以降、検察・警察当局による取り調べを拒否している。主任弁護人を務める佐藤博史弁護士(64)が産経新聞の単独インタビューに応じ、「警察も検察も決定的な証拠を持っていない。5人目の誤認逮捕だ」と当局側の姿勢を批判した。
佐藤弁護士は足利事件で再審無罪判決を勝ち取ったことで知られる。片山容疑者の逮捕から4日後の2月14日に主任弁護士となり、10回以上接見してきた。
「遠隔操作ウイルスの作成に使われたプログラム言語『C#(シーシャープ)』を使えない」「神奈川県藤沢市の江の島で、ネコに記録媒体付きの首輪をはめた防犯カメラの画像が存在しない」などを根拠として挙げ、片山容疑者の無罪を主張する。
片山容疑者は「C#」について「(勤務先で)研修を受けたので、全く分からないわけではないが、一から作ることはできない」と説明しているといい、佐藤弁護士は「この点だけでも、彼が真犯人ではないのは明らかだ」と指摘した。
「非常にコミュニケーションが取りやすく、どこから切っても犯人らしさがない」。佐藤弁護士は片山容疑者をこう分析し、「われわれはメディアを通じて手の内を明かし、彼の言い分を全部話している。警察・検察にも、これほど有利な状況はない」と訴える。
また、「警察は『やっていない』と言っている人の言葉に、耳を傾けるべきだ。録音・録画が行われれば、どんなことでも話す。録音・録画が行われない限り、今後も取り調べに応じさせるつもりはない」と持論を展開。片山容疑者は「検察官が私を揺さぶる言動を繰り返した」と訴えているといい、佐藤弁護士は「検察による違法な取り調べが行われている」と批判を繰り返した。
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遠隔操作ウィルス事件 検察の起訴に勝算はあるのか
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