【維新党大会】「改憲」掲げ、保守二大政党の一翼目指す 「非自民・断民主」鮮明 埋没懸念も
産経ニュース2013.3.30 22:33
日本維新の会党大会で、インターネット回線を使って対談する日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長と石原慎太郎氏=30日午後0時6分、大阪市北区(沢野貴信撮影)
日本維新の会は30日の党大会で「保守」路線を明確にした党綱領を採択した。「憲法改正」を中心とする個別の政策で自民党と連携しながら、民主党の分断、分裂を促す「非自民・断民主」の姿勢を鮮明にし、参院選後は保守二大政党の一翼を担う構えだ。ただ、高支持率の自民党・安倍政権を前に参院選でどこまで党勢を伸ばせるか、埋没する懸念もぬぐい去れない。
「参院選のシンボル、象徴になるのは、あなたの去就ですぞ! あなたは風雲児だし、あなたの宿命なのだから、しょうがない」
石原慎太郎共同代表は橋下徹共同代表(大阪市長)との中継対談で突如、橋下氏に参院選出馬を促した。石原氏は「参院選は維新の存在理由を問う非常に大事なきっかけだ」とも語り、背中を押した。
橋下氏は「そういうことを…」と苦笑したが、会場にはどよめきが起き、それが拍手へと変わった。
参院選で自民、公明両党の過半数確保を阻止し、参院選後には選挙協力を行うみんなの党に加え、民主党の保守系議員らと合流することで、保守二大政党の一翼を担う−。党幹部はこんなシナリオを描く。
橋下氏は対談に先立つ大会あいさつで「民主党は日本の歴史、伝統をどう考えるかはっきりせず、背骨のない状態だ」と批判し、返す刀で「自民党は既得権ですよ」と切り捨てた。
自民党でも民主党でもない、維新を有権者に選んでもらう−。そのために維新が綱領で背骨としたのが「憲法改正」だ。改憲政党の自民党との連携をカードとする一方、憲法について綱領にあいまいな表現しか盛り込めない民主党を牽制する狙いもある。
もっとも、党内には「憲法改正だけでは参院選は戦えない。有権者は『改憲には自民党への投票だ』と考えるだろう」(幹部)との声がある。参院選では自民党との対立軸が必要となるが、そのためのはっきりした政策を打ち出し切れてはいない。
しかも、日銀総裁人事や衆院選挙制度改革などで橋下氏ら在阪議員と、国会議員団との足並みの乱れも表面化した。今後、選挙制度改革などをめぐって、党内対立の再燃もありえる。
党の結束と独自色が打ち出せなければ「自民党の補完勢力」と見なされ、参院選での党勢拡大は望めず、参院選後のシナリオも白紙に戻る。石原氏の“出馬要請”は危機感の裏返しといえそうだ。(大谷次郎)
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日本維新の会の綱領骨子は次の通り
・占領憲法を大幅に改正して国家を蘇生
・良き伝統を保守しながらも多様な価値観を認めあう開かれた社会を構築
・創意工夫と自由な競争で経済と社会を活性化し、賢くて強い日本を構築
・法の支配、自由主義、民主主義の価値を共有する国と連帯し世界平和に貢献
・決定でき責任を負う民主主義と統治機構を構築するため体制維新を実行
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◆ 日本維新の会 橋下共同代表「私たちの世代で憲法を作り直さなければならない」 2013-03-30 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
◆ 石原慎太郎維新共同代表会見「俺が死んだら日本は退屈になるぞ」「次の参院選、橋下氏に出て貰いたい」 2013-03-30 | 石原慎太郎
◆ 石原慎太郎氏、橋下徹共同代表と対談「日本をアメリカの『お妾』に安住させてきた憲法を変えねばならない」 2013-03-30 | 石原慎太郎
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