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首相のモンゴル訪問、価値観外交で進展 中国のいびつさ共有

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首相のモンゴル訪問、価値観外交で進展 中国のいびつさ共有
産経新聞2013.3.31 00:55
 安倍晋三首相が就任100日足らずでモンゴルを訪問したのは、3つの理由がある。(1)対中戦略(2)拉致問題の進展(3)資源外交−。いずれも国益に直結する課題だが、とりわけ対中戦略では中国との関係修復に乗り出す前に、まず近隣各国との関係強化で優位に立つ外交戦略が浮かび上がる。
 「自由・民主、平和、助け合いという『3つの精神』を共有している」
 会談の冒頭、安倍首相が切り出すと、アルタンホヤグ首相は大きくうなずき、「その精神に基づき両国関係を発展させたい」と応じた。3つの精神は中国をにらんだキーワードだ。
 沖縄県・尖閣諸島周辺で領海侵入を繰り返す中国の海洋活動は、平和の精神とは程遠い。共産党一党独裁体制を続け、自由・民主の精神は相いれない。
 首相は、米国とすり合わせた上で、米国を交えた3カ国の政策対話を打診し、同意を得た。同じ価値観に立つ日米の側にモンゴルを引き寄せた格好だ。
 首相同行筋は対中関係をにらみ、「中国と明白に異なるのは助け合いの精神だ」と語る。中国がアフリカなどで経済援助の見返りに資源をあさり、本国から労働者を送り込む姿は「新帝国主義」と指摘される。対照的に、首相が打ち出したのは「持続可能な経済発展」への支援でだった。
 首相は会談後の共同記者会見で「モンゴルは資源大国で、日本が技術協力するのはウィン・ウィン(相互利益)だ」と強調した。この手法で関係を強化すれば中国のいびつさへの認識を共有でき、「価値観外交」も結実する。
 モンゴルが日本の側に寄り添う場面もあった。アルタンホヤグ氏は「未解決の問題を包括的に解決すべきだ」と、拉致問題でも日本の立場に理解と支持を表明した。(ウランバートル 峯匡孝)
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日モンゴル首脳会談、米国交えた政策対話で合意 中国牽制の狙い 
産経新聞2013.3.30 22:51
会談する安倍首相(左)とモンゴルのエルベグドルジ大統領=30日、ウランバートル(代表撮影・共同)
 【ウランバートル=峯匡孝】安倍晋三首相は30日午後(日本時間同)、モンゴルのエルベグドルジ大統領、アルタンホヤグ首相とウランバートルで個別に会談、米国を加えた3カ国の政策対話を開始することで一致した。政治や安全保障分野での協力関係を深めることで、台頭する中国を牽制する狙いがある。会談後の記者会見で安倍首相は、「自由や民主主義、法の支配といった普遍的価値を共有する戦略的パートナーシップに弾みがついた」と述べた。
 モンゴルが北朝鮮と国交があることを踏まえ、首相は日本人拉致問題について「安倍政権で解決する決意だ。支援をお願いしたい」と要請し、モンゴル側は理解と支持を表明した。首相は北朝鮮のミサイル発射や核実験などの挑発を「断じて許せない」と非難、国連安保理決議に沿った対応が必要との認識で一致した。
 経済分野では石炭など資源開発での協力強化で合意し、経済連携協定(EPA)交渉の加速も確認した。首相はアルタンホヤグ氏に訪日を要請した。
 日本の首相のモンゴル訪問は平成18年の小泉純一郎首相以来7年ぶり。
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