自殺外務省キャリアと宗男氏の浅からぬ因縁… ロシア問題で激しくバトル
zakzak2013.04.02
東京・恵比寿にあるマンションで1日、内閣情報調査室内閣参事官のA氏(50)が練炭自殺しているのを発見された。このA氏、外務省のキャリア官僚でロシア問題の専門家として知られ、新党大地の鈴木宗男代表とは激しいバトルを繰り広げていた人物だった。
1日午前7時50分ごろ、恵比寿南3丁目のマンション一室の風呂場で、A氏が倒れているのを119番で駆け付けた救急隊員が見つけ、間もなく死亡が確認された。
風呂場は内側から目張りがされており、練炭がたかれた跡が見つかった。A氏は母親と同居しており、別の部屋には「中に入らないでください。死んでいます」との置き手紙があった。警視庁渋谷署ではA氏が自殺したとみて、調べている。
A氏は外務省のキャリア官僚で、国際情報統括官などを歴任。鈴木氏が1996年5月に、北方領土・国後島を訪問した際、同行したA氏が鈴木氏に殴られたと騒動になった。
この件について、A氏は「全治1週間」の診断書を出したが、鈴木氏は事実が違うなどとして、政府に対する質問主意書などで対抗していた。
外務省関係者は「A氏はやり手として知られていた。あの鈴木氏相手でも引かなかった。ロシアの専門家で、安倍晋三首相のロシア訪問(4月末)でも活躍したはず。心身の不調でもあったのか。正直驚いている」と語っている。
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心理負担大きい情報業務
中日新聞2013/4/5 Fri.「本音のコラム」佐藤優
1日朝、外務省から内閣情報調査室に出向している内閣参事官のA氏(男性、50歳)が、都内自宅の浴室で遺体で発見された。状況から練炭自殺をしたのではないかとみられている。筆者は、A氏をよく知っている。心から哀悼の意を表明する。外務省のキャリア職員でロシア語を研修し、インテリジェンス部局で勤務することの多い人だった。外務省では、国際情報統括官組織(前国際情報局)の幹部として勤務したことがある。
インテリジェンス業務には、激しいストレスがかかる。適性のない人が、こういう業務に従事すると、心理的に追い詰められて自殺を図ることがある。筆者が国際情報局分析第1課に勤務したときも隣の課の首席事務官(外務省独自の役職で、他省の筆頭課長補佐に相当)が、地下1階のボイラー室で縊死した。このときは国際情報局が総力を挙げて、「ノイローゼによる自殺だから事件性や構造的問題はない」と新聞記者に働きかけ、大きなニュースにはならなかった。去年は、海上保安庁から出向している国際情報統括官組織の企画官が自宅で自殺した。種々の憶測報道がなされたが、外務省から納得のいく説明はなされなかった。
A氏の死に関して、外務省は誠実に真相究明をし、今後、インテリジェンス部局から自殺者が出ないような人事配置をしてほしい。(作家・元外務省主任分析官)
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内閣情報調査室内閣参事官のA氏が練炭自殺 インテリジェンス業務には、激しいストレスがかかる
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