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表向きは「陳情」も… 首相・橋下氏会談、参院選後にらみ 狙いは“懐柔”

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表向きは「陳情」も… 首相・橋下氏会談、参院選後にらみ 狙いは“懐柔”
産経新聞2013.4.9 07:57
 安倍晋三首相は9日、日本維新の会の橋下徹共同代表(大阪市長)、松井一郎幹事長(大阪府知事)と首相官邸で会談する。表向きは菅義偉(すが・よしひで)官房長官がJR大阪駅北側の再開発などに関する陳情を知事、市長から受けるのが目的。ただ、国会運営などの節目ごとに会談を仕掛けてきた両者だけに、憲法改正など夏の参院選後も視野に入れた会談になりそうだ。(松本学)
 菅氏は8日の記者会見で、橋下、松井両氏との会談について「大阪市、大阪府のさまざまな問題について政府に要望があるということで、官邸に来てもらう」と述べた。松井氏も8日、大阪府庁で記者団に「政党としてのことでお会いすることはない。大阪の諸課題の解決です」と公務であることを強調した。
*表向きは「陳情」
 だが、これまでの官邸側と維新幹部の会談には、政局的なきな臭さがつきまとっていたのも事実だ。
 今年1月、民主党幹部が野党共闘に向けた野党幹事長会談を維新に呼びかけると、首相はすかさず大阪に飛び橋下氏と会談。平成24年度補正予算成立への協力を取り付けた。その後も、日銀正副総裁人事をめぐる野党共闘や、参院選での選挙協力の動きが出るたび、首相や菅氏が維新幹部と接触してきた。
 いずれの会談も、野党共闘にくさびを打ち込む狙いだったのは明らか。維新内にも「われわれが想像している以上に、首相はわれわれを意識している」(国会議員団幹部)との声が上がるほどだった。
*改憲・教育で一致
 ただ、今回は事情が少し違うようだ。ある維新幹部は「政権への対抗姿勢を強調する橋下氏の“懐柔”ではないか」と会談の狙いを分析する。橋下氏が「安倍政権の急所は規制緩和、既得権の打破、地方分権だ。ここで攻めていく」など、首相を挑発する発言を強めているからだ。
 とはいえ、憲法改正の発議要件を緩和する憲法96条改正をめぐっては、政権と維新の足並みは完全に一致。維新が国会提出を目指す教育委員会制度廃止法案も、安倍政権の教育改革と重なる部分だ。それだけに、9日の会談も単なる“陳情”にはとどまらない可能性が大だ。
 視線の先にあるのは、7月の参院選後の連携なのか−。首相と橋下氏らの会談は、両者の関係が新たなステージに入るきっかけになるかもしれない。
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