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参院選岩手 平野達男前復興相 孤立無援 自民党は田中真一氏擁立 / 「小沢王国」

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参院選岩手 平野氏孤立無援 自民党は田中氏擁立
河北新報 2013年04月10日水曜日
 自民党が9日、夏の参院選岩手選挙区(改選数1)で、党県連が申請していた慶応大ラグビー部前監督の田中真一氏(46)を公認候補に決めたことで、民主党を離党し無所属で立候補する現職の平野達男前復興相(58)は、孤立無援の厳しい局面に立たされることになりそうだ。
 「政界は一寸先は闇。これからどう運動を展開したらいいのか、全く読めない。最初に掲げた県民党という立場で幅広く訴えるしかない」
 平野氏後援会の中村好雄会長は、困惑を隠しきれない表情で語った。
 平野氏は2日の記者会見で、離党の理由を「政党の垣根を越え、被災地の代表として復興政策を訴える」と説明。岩手県で強固な地盤を持つ小沢一郎代表が率いる生活の党との連携は明確に否定し、自民党の支援に期待をにじませていた。
 岩手選挙区で連敗中の自民党内には、無所属の平野氏と連携し、小沢氏の地盤を突き崩そうとの考えも根強くあった。
 田中氏擁立も必ずしも一枚岩ではなかったが、公認候補に決まったことで、千葉伝県連幹事長は「早急に態勢を構築し、県連、党本部一丸となり、勝ち取る覚悟」との談話を出した。
 一方、民主党県連では大宮惇幸県連幹事長が「平野氏は本人の判断で離党届を出した。(党として)候補者を立てて戦う」と強調。当初は独自候補擁立は難しいとして「県議レベルでの平野氏支援もあり得る」との声も強かったが、「平野氏は大きなばくちに失敗した。無所属になっても応援したかったが、現状では支持者に説明できない」(所属県議)との見方が広がった。
 生活の党県連は今月中の候補者擁立を目指す。佐々木順一幹事長は「小沢代表が話す通り、野党で選挙協力できるのであれば柔軟に対応し、一方で独自候補の擁立も検討している」と語った。
◎振り回された自民県連
 【解説】夏の参院選岩手選挙区(改選数1)をめぐり、自民党本部は新人の田中真一氏(46)を公認することをようやく決めた。田中氏は先月30日、党岩手県連が公募により機関決定した候補者。本来ならすんなり公認されるはずだったが、同じ日に現職の民主党参院議員だった平野達男前復興相(58)が離党し無所属で立候補する意向を固めたことが表面化、迷走につながった。
 田中氏は県内在住期間が短い。1993年の小沢一郎氏(衆院岩手4区)の自民党離党以来、同党は岩手選挙区で連敗しており、平野氏に勝てるか不安視する声が一部にあった。
 党本部の一部には、昨年の衆院選後、県内で強い力を持つ小沢氏が率いる生活の党が擁立する候補に勝つためにも、平野氏と連携する方が得策との声があった。しかし、平野氏の決断が遅かったことや、民主党政権の閣僚だったこともあって、大勢にはならなかった。
 昨年末の衆院選での政権奪還から参院選に向け勢いをつなげたかった党県連にとって、一連の騒動は水を差した格好となった。ある県連関係者は「平野氏に振り回された」と疲労感をにじませた。(盛岡総局・上村千春)
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