Quantcast
Channel: 午後のアダージォ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 10100

中国、瀬戸際外交の極意 / 膨張する中国に対し、日印で「中国周辺国の安全保障構想を」国基研などが報告

$
0
0

「強者の恫喝」インドと回避を 中国、瀬戸際外交の極意
産経新聞 2013年05月22日13時22分
 北朝鮮が国際社会からカネやコメをせしめる唯一の方法は、おなじみ瀬戸際外交である。
 初めに緊張を高めて、その緩和を代償として目的のものをいただく手法だ。もっとも、瀬戸際外交の極意は北に限らず、全体主義の父である旧ソ連があみだし、北の兄貴分たる中国も実はいまもやっている。違いは北が「弱者の恫喝(どうかつ)」であるのに、中国のそれは「強者の恫喝」であるから始末が悪い。
 中国が南シナ海と東シナ海の島嶼(とうしょ)分捕りでも、瀬戸際の脅しを繰り返すことをわれら日本人は知っている。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺でも領海侵犯し、背後に海軍艦船を控えさせる。ところが、中国は早くから陸の国境でも同じようなことをやってきた。
 チベット地域やウイグル地域を分捕り、「核心的利益」との名目を掲げた。
 ニューデリー政策研究センターのブラーマ・チェラニー教授が米紙ウォールストリート・ジャーナルに寄せた論稿によると、首脳が訪印するたびに、強硬策をとってまず、緊張を高めるところから始まるという。
 胡錦濤国家主席が2006年に訪印する前には、アルナチャルプラデシュ州に対する領土要求が出され、温家宝首相の2010年の訪印前には、カシミールでインドの主権が脅かされた。今回の李克強首相のインド訪問前の4月中旬、中国軍が突如、実効支配線からインド側に10キロ以上も侵入した。身勝手で野卑な恫喝外交である。
 ところが、現在のシン政権は政治基盤が弱いうえに、危機対応が甘い。チェラニー教授によると、インドは3年前から国境警備を軍から警察に移し、国境を守る意思の低下というスキを中国に与えていた。教授は「インド政府は兵力を増強せず、侵略者に報償を与えてしまった」と嘆く。
 李首相の訪問を前に、インドは中国軍の撤退の見返りに監視所を撤去し、塹壕(ざんごう)など防御要塞を破壊することに合意してしまった。大坂冬の陣(1614年)後に、徳川方が大坂城の内堀を埋めたようなものだ。当面の危機回避のために、中国軍がいつでも攻撃できる状態にしてしまった。
 シン首相が李首相を迎えた20日の会談で、中国軍の越境行為に不満を述べても後の祭りであった。李首相がカシミール地方での国境防衛協力協定への調印を持ちかけ、シン首相は議題から外すのが精いっぱいだった。中国は圧力をかけた相手国がひるみ、国際社会が反応を示さなければ、なお理不尽なやり方で自国の利益を拡大しようとする。19世紀帝国主義の行動様式に一致する。
 日本にとり重要なのは、北のロシアと南のインドという大陸国家との提携である。この10年、中国が心おきなく海軍力を増強してこられたのは、これら南北の大陸国家からの脅威が減ってきたからである。安倍晋三首相が、ロシアのプーチン大統領との間で外相と防衛相による「2プラス2」会議を創設し、インドとも現在の次官級「2プラス2」を閣僚級に昇格すれば、中国は3正面の敵対国と向き合わなければならなくなる。
 国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)が21日に発表した、インドのビベカナンダ国際財団との共同研究報告「日印の戦略的パートナーシップと協力の枠組み」は、膨張する中国を前に、日印が防衛協力に踏み出すように叱咤(しった)している。特に、両国が米国や他のアジア諸国と協力して「アジア協調」体制を築くべきだとの提唱は、対中政策のためには必須である。
 日本が尖閣諸島を守ることができなければ、沖縄の領有までもが危うくなる。(東京特派員 湯浅博)
-------------------------------------------------
日印で「中国周辺国の安全保障構想を」 国基研などが報告
産経新聞2013.5.21 17:51
 国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)とインドのシンクタンク、ビベカナンダ国際財団は21日、日印関係のさらなる深化に向けた行動計画をまとめた「日印の戦略的パートナーシップと協力の枠組み」を東京とニューデリーで発表した。過去2年にわたり両団体が行ってきた共同研究の報告書となる。
 安全保障面では、台頭する中国を念頭に、中国を囲む日印や東南アジアなどの「リムランド(大陸周縁部)諸国」が、安全保障上の利益と懸念を共有し協力する「リムランド安全保障構想」の必要性をあげた。具体的にはインド洋合同海上警察部隊や海上自動航路通報システムの創設などを盛り込んだ。
 産業・技術協力の分野では、防衛産業を含む産業間協力の拡大や、サイバー分野での協力を提唱した。チベット人やウイグル人、モンゴル人の人権保護についても日印が主導するべきだとした。(田北真樹子)
--------------------------------
安倍晋三首相が提唱した「セキュリティー・ダイヤモンド」安全保障 「インド・日本・ハワイ・豪州」連携 2013-01-17 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉 

    

...........


Viewing all articles
Browse latest Browse all 10100

Trending Articles