Quantcast
Channel: 午後のアダージォ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 10100

船員を銃で威圧して、若い乗組員だけを【拉致】、年配者や抵抗する者は閉じ込め、船体ごと沈めたという

$
0
0

【産経抄】5月29日
産経新聞2013.5.29 03:35
 昭和55年10月21日といえば、巨人軍の長嶋茂雄監督の辞任が発表された日である。時代劇俳優のアラカンこと嵐寛寿郎さんは、この日亡くなった。そんなビッグな話題の陰で、青森沖の津軽海峡では6人が行方不明になる海難事故が発生している。▼この日夜、津軽半島・竜飛崎近くの今別港を出た5トンばかりの小さな漁船が消息を絶った。釣り仲間5人がチャーターした船である。後に釣り客1人は遺体で発見されたが、船長を含む残り5人と船体は不明のままだった。深夜から大しけになっていたそうだ。▼東京の新聞ではほんの小さく扱われたこの事故が、33年近くたち再び注目されている。脱北した北朝鮮の元軍幹部が1980年代に日本海で漁船を襲い、日本人乗組員を拉致したと証言したという。日時などの食い違いはあっても、その一件に当たる可能性があるからだ。▼それにしても伝えられる証言は実に生々しい。漢字で船名を書き日本船になりすました工作船で、日本漁船に近づき乗り移る。青森のような小さな漁船が標的だった。船員を銃で威圧して、若い乗組員だけを拉致、年配者や抵抗する者は閉じ込め、船体ごと沈めたという。▼証言の全てが事実かは分からないが、想像だけでは語れないリアルさがある。独裁国家ならではの残忍さを感じる。これまで分かっていた拉致とは別の形態でもある。北朝鮮の「国家犯罪」が想像以上に根が深く、計画的だったことをうかがわせる。▼もうひとつ気になるのは、証言通りだと漁船襲撃が80年代に行われていたことだ。産経新聞が80年1月、拉致事件の可能性を初めて報じた後も、しゃあしゃあと繰り返している。あのときなぜ、国を挙げて取り組まなかったか悔やまれてならない。
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *
『帝国の終焉』(「スーパーパワー」でなくなった同盟国・アメリカ)日高義樹著 2012年2月13日第1版第1刷発行 PHP研究所
 (部分抜粋)
p173〜
 ヨーロッパで言えば、領土の境界線は地上の一線によって仕切られている。領土を守ることはすなわち国土を守ることだ。そのため軍隊が境界線を守り、領土を防衛している。だが海に囲まれた日本の境界線は海である。当然のことながら日本は、国際的に領海と認められている海域を全て日本の海上兵力で厳しく監視し、守らなければならない。尖閣諸島に対する中国の無謀な行動に対して菅内閣は、自ら国際法の原則を破るような行動をとり、国家についての認識が全くないことを暴露してしまった。
 日本は海上艦艇を増強し、常に領海を監視し防衛する体制を24時間とる必要がある。(略)竹島のケースなどは明らかに日本政府の国際上の義務違反である。南西諸島に陸上自衛隊が常駐態勢を取り始めたが、当然のこととはいえ、限られた予算の中で国際的な慣例と法令を守ろうとする姿勢を明らかにしたと、世界の軍事専門家から称賛されている。
 冷戦が終わり21世紀に入ってから、世界的に海域や領土をめぐる紛争が増えている。北極ではスウェーデンや、ノルウェーといった国が軍事力を増強し、協力態勢を強化し、紛争の排除に全力を挙げている。
p174〜
 日本の陸上自衛隊の南西諸島駐留も、国際的な動きの1つであると考えられているが、さらに必要なのは、そういった最前線との通信体制や補給体制を確立することである。
 北朝鮮による日本人拉致事件が明るみに出た時、世界の国々は北朝鮮を非難し、拉致された人々に同情したが、日本という国には同情はしなかった。領土と国民の安全を維持できない日本は、国家の義務を果たしていないとみなされた。北朝鮮の秘密工作員がやすやすと入り込み、国民を拉致していったのを見過ごした日本は、まともな国家ではないと思われても当然だった。
........................


Viewing all articles
Browse latest Browse all 10100

Trending Articles