【スクープ最前線】中国、米に“土下座” 尖閣上陸「3時間でいい」と懇願
zakzak2013.06.05
オバマ大統領と習近平国家主席による初めての米中首脳会談が7、8両日、米カリフォルニア州の避暑地サニーランズで開かれる。9月に予定されていた会談が前倒しされたもので、表向き「対立より協調の拡大を優先させる」としているが、水面下では沖縄県・尖閣諸島をめぐって、中国が許しがたい工作を仕掛けていた。ジャーナリストの加賀孝英氏が知られざる内幕を暴いた。
米中首脳会談が行われるサニーランズは、別名「米西部のキャンプ・デービッド」と呼ばれ、過去に何度も外国からの賓客を迎えている。オバマ大統領の「静かな場所で時間をかけて話し合う機会を」という提案を、習主席が受けたものだ。
外務省関係者は会談の行方をこう語る。
「主要議題は、中国が米国政府や国防産業に仕掛けたサイバー攻撃や、サイバー空間での国際規範の策定、北朝鮮の核問題などと公表されている。中国としては今回の会談で、新たな2大国時代の到来を告げるパートナーシップ宣言を世界に発信したいと考えているようだ。相当突っ込んだ話になる」
しかし、甘い。実は中国は水面下で驚くべき工作を仕掛けている。
以下、複数の米国防総省関係者から入手した情報だ。
「9月の予定が3カ月も前倒しになったのは、中国が米国に泣きついてきたからだ。習主席は今回の首脳会談で、東シナ海や南シナ海でもめている領土・主権問題について、特に、日本と一触即発の状態にある尖閣諸島問題で劇的な決着をつけようとしている」
「これまでも中国はあらゆるチャンネルを通じて、『尖閣諸島に人民解放軍を一時的に上陸させてくれ』と米国に必死で泣きついてきていた。例えば、『1日上陸を認めてくれ。ダメなら3時間でいい。米国に迷惑がからない方法を考えたい』と。そして、『どんな条件でも飲む』と言っている。その最後の詰めを習主席はやるつもりだ」
何たることか。中国は尖閣強奪のために米国を買収して、同盟国たる日本を裏切らせる魂胆か。
米国防総省関係者は続ける。
「米国が中国に面と向かってサイバー攻撃のことを言えたのも、こうした強みがあったからだ。ただ、中国が条件として出しているものは魅力的だ。米国がノドから手が出るほど欲しがっている『米企業に対する中国マーケットの特例的開放』や『人民元の切り上げ』『米国債の追加購入』等々…」
米国が日本を裏切る。そんな事態は100%考えられないが、しかし、日本の当局はこうした情報をつかんでいたのか。
今回の米中首脳会談について、旧知の中国人民解放軍幹部は「習主席が仕掛けた大バクチだ」といい、こう続ける。
「習主席の権力基盤はガタガタだ。江沢民元国家主席や胡錦濤前国家主席の一派が復権し、何も決められない状態だ。経済政策も失敗続きで『中国経済7月崩壊説』まで流れている。加えて、米国主導のTPPや安倍晋三首相の独自外交で形成される『中国包囲網』への反発はすさまじい。党も軍も爆発寸前だ。習主席は早急に結果を出さなければマズイ」
要は、安倍首相が毅然たる態度で進めてきた独自外交戦略が効いているのだ。その安倍外交の成果を中国の工作で潰されていいのか。
幸い、日米両政府は、17、18日に英国で開かれる主要国(G8)首脳会議の場で、安倍首相とオバマ大統領との首脳会談を行う方向で調整中だ。この2回目の日米首脳会談を大成功に導くためにも、今回の米中首脳会談の情報収集、外交工作は24時間、一時たりとも怠ってはならない。
■加賀孝英(かが・こうえい)
ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍。一昨年11月、月刊「文藝春秋」で「尾崎豊の遺書・全文公開」を発表し、大きな話題となった。
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【今週の焦点】米中首脳会談 習主席、スピード訪問の狙いは
zakzak2013.06.03
■唯一成果はイメージアップ?
オバマ米大統領と習近平・中国国家主席が7、8の両日、米カリフォルニア州ロサンゼルス近郊の保養施設で会談する。習主席は副主席当時の昨年2月に訪米した際にオバマ大統領と面会しているが、今年3月の国家主席就任後では初の首脳会談となる。米側は、中国による米国防産業などへのサイバー攻撃を主要議題として取り上げる意向。一方の中国側は、尖閣諸島(沖縄県石垣市)をめぐる日本との対立や、南シナ海の領有権問題などで、米国の関与を牽制したい考えだ。シリア情勢や北朝鮮問題も協議されるとみられる。
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【北京=矢板明夫】習近平国家主席の訪米は先月急遽(きゅうきょ)決まった。「米国の要望」(中国メディア)により、中米などを回る外遊の最後に立ち寄ることになった。主席就任後3カ月という異例の早さの訪米で、「準備ができているとは思えない」(対米関係に詳しい中国人学者)。最近、内政も外交もうまくいっていない習主席は、具体的成果よりも、オバマ大統領と会って“対等なパートナー”を演出し、自身のイメージアップを図るしかなさそうだ。
中国外務省関係者によると、習主席の訪米で最も期待する成果はもともと、オバマ大統領から「第二次大戦後の国際秩序の尊重」との言葉を引き出すことだったという。中国政府は「反ファシスト戦争の勝利の成果である釣魚島(尖閣諸島の中国名)を日本は中国に返すべきだ」と主張しており、同じく第二次大戦の戦勝国の米国に、この立場への支持を強く求めている。
しかし、習主席が3月にロシアを訪問した際、同じ言葉を中露の共同声明に盛り込もうとしたが、日本との関係を重視するプーチン露大統領はこれを拒否したといわれている。オバマ大統領も受け入れる可能性は低く、中国外務省関係者の間でも今ではほとんど期待されていないという。
こうした中、習主席は訪米前、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)第1書記の特使である崔竜海(チェ・リョンヘ)・朝鮮人民軍総政治局長の中国訪問を受け入れ、「北朝鮮の6カ国協議復帰」という成果を掲げて米国に乗り込むことを狙った。“北朝鮮カード”を武器に、米中首脳会談で取り上げられるサイバーテロや、東シナ海、南シナ海問題などで、米国から譲歩を引き出す思惑だったとみられる。しかし、崔特使の回答は「対話に前向き」という曖昧なものだったうえ、その後、北朝鮮は核保有の姿勢を改めて強調している。この問題で中国が挙げた“成果”について、米国がどのように評価するかは不透明になってきたといえる。
中国の国営メディアは習主席の今回の訪米に関し、「首脳同士の個人の友情を深めるため」とハードルを下げて報道。会談場所となるカリフォルニア州南部のリゾート地についても、「かつて英女王を招待したことがある」と紹介するなど、習主席の訪米が米国側に重要視されていることを重点的に報じている。北京の米中問題専門家は「オバマ大統領とノーネクタイで友人のように会えば、国内外で習主席のイメージアップにつながることは確実。このことが訪米の最大の成果になるかもしれない」と話している。
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人民解放軍幹部による「尖閣棚上げ発言」の狙い (石平のChina Watch) 2013-06-06 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法/歴史認識〉
zakzak2013.06.06
今月2日、中国人民解放軍の戚建国副総参謀長はシンガポールで開かれたアジア安全保障会議で、尖閣問題の「棚上げ論」を持ち出した。
昨年9月の尖閣国有化以来、中国当局は時々「棚上げ論」をぶち上げて日本に揺さぶりをかけてきたが、その都度、日本政府によって拒否された。
今になって中国が再びこの「論外の論」を言い出したのはなぜなのか。戚副総参謀長の発言が行われた6月2日というタイミングからすれば、それは当然、同7日から始まる米中首脳会談とは無関係ではないと思う。
本紙5月22日掲載の関連記事でも指摘しているように、習近平国家主席が、異例ともいえる早期訪米を望んだ理由のひとつは、安倍晋三政権が展開する「中国包囲網外交」への危機感にあろう。
昨年12月の政権発足以来、安倍政権は「対中国包囲網」の構築を意図する周辺国外交を精力的に展開している。
まずは今年1月13日、岸田文雄外相が豪州を訪問し安保協力の拡大を含めた戦略的パートナー関係を強めた。同16日からは、安倍首相自身がベトナム、タイ、インドネシアの3カ国を歴訪し、安全保障分野での連携も含めた諸国との関係強化に努めた。
そして4月29日、安倍首相はモスクワで日露首脳会談に臨み、その中で両国は今後、外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を設置することで合意した。日露両国が安全保障上の連携を始めたことはまさに画期的な出来事である。
さらに5月29日、インドのシン首相の訪日に際して発表された日印共同声明では、「海上保安庁とインドの沿岸警備隊との連携訓練」などの項目を含めた安全保障上の連携強化が盛り込まれた。
このようにして、安倍政権はこの半年間、「安全保障」の分野において、中国大陸を囲む諸国との連携強化を図ってきた。「中国」を強く意識した戦略上の連携であることは言うまでもない。
少なくとも中国側から見れば、このような動きは明らかに中国の封じ込めを意図した包囲網の構築を意味している。包囲されたことへの中国の孤立感と危機感は相当なものであろう。
そこで習政権は、「包囲網突破」のために何とかしなければならないと躍起になっているのだが、彼らの定めた最大の「突破口」はやはり対米外交だ。つまり、日本を含めたアジア諸国に絶大な影響力を持つ米国を説得し中国の味方につけておくことによって劣勢挽回の中央突破をはかろうとしているのである。
そのために急遽(きゅうきょ)決めた米中首脳会談を成功させるために、中国側は用意周到な準備に取りかかっている。先月24日に中国が北朝鮮の特使を北京に呼び「対話路線に戻る」と言わせたのもオバマ大統領を喜ばせるための「訪米準備」のひとつだろう。
冒頭に触れた戚副総参謀長の「尖閣棚上げ」発言の狙いもまさにそこにある。要するに中国側が領土問題に対する「柔軟姿勢」を示したことで「中国はアジアの安定と平和維持に積極的だ」ということを、オバマ大統領にアピールしておきたいのである。
そして、日本側が「領土問題が存在しない」との立場から「棚上げ論」を再び拒否したことで、習氏は「問題は中国にあるのではなく日本にあるのだ」との趣旨のことをオバマ大統領に訴えて責任を日本側に押し付けることもできるのである。
くだんの「棚上げ発言」はまさにこのような文脈の中から飛び出したものであろう。その一方、この「棚上げ発言」が行われた6月2日当日、中国の海洋監視船3隻はまた、尖閣沖の接続水域を航行した。「領土問題解決」への中国側の「誠意」はまったく疑わしいものである。
【プロフィル】石平 せき・へい
1962年中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒。88年来日し、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関を経て、評論活動に入る。『謀略家たちの中国』など著書多数。平成19年、日本国籍を取得。
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米中首脳会談 習近平国家主席の訪米、急遽決まった狙いは・・・
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