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【米中首脳会談】 「太平洋を分け合おうぜ」と、談合をもちかけたような「太平洋には十分な空間がある」

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【産経抄】「太平洋には十分な空間がある」
産経新聞2013.6.12 03:08
 日露戦争当時のロシア皇帝、ニコライ2世は「太平洋の覇者」となる夢想を抱いていた。けしかけたのはドイツ皇帝、ウィルヘルム2世だった。日露開戦の2年前、バルト海での両国合同訓練のさいニコライ2世を「太平洋提督」と呼んだという。▼ロシアの政治家ウイッテが書き残した話だ。ウィルヘルム2世も自らを「大西洋提督」としており、世界の海を両国で支配しようと談合しているようなものだ。ロシアが、満州(現中国東北部)から朝鮮半島に食指を動かしていた背景に、皇帝のそんな野望もあったのだ。▼中国の習近平主席はオバマ米大統領との首脳会談で「太平洋には両国を受け入れる十分な空間がある」と持ちかけたそうだ。こちらも「太平洋を分け合おうぜ」と談合をもちかけたようなものだ。1世紀以上たっても、大陸国が「海」に野望を抱くのは同じらしい。▼もちろん大統領が「そうしよう」と応じるわけもなく、習氏の「独り言」で終わった。だがこれで、東シナ海や南シナ海を自らの海にしようという中国の本性は一段と露(あら)わになった。日本など標的となる国にとって、気を引き締める意味でよかったかもしれない。▼そういえば英BBCが世界25カ国の人を対象に行った各国のイメージ調査で、中国は5位から9位に転落し、過去8年で最悪になったそうだ。貿易摩擦による西欧での低下が著しいという。だが日本などでのイメージも悪く、海洋摩擦の影響があるのも間違いない。▼こうなると国際社会の目を気にしそうなものだ。だが中国の国際情報紙「環球時報」など「(経済成長の)中国へのイメージ悪化は不思議ではない」と平静を装う。少しは日本人の自虐史観を見習ったらどうか。いや、これは冗談だが。
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