【永田町全真相】憲法改正できるなら解散もいとわない「安倍首相の覚悟」
ZAKZAK 2013.08.06
「衆参ねじれも解消した。これで3年間選挙はない」
参院選後、永田町を取材すると、議員も秘書もほぼ同じことを言う。
だが、「選挙なし」はそれを望む当事者たちの主観に過ぎない。私は、安倍晋三首相が、時機を見て解散する可能性がある−、そう思う。
安倍首相は何のために、わざわざ再チャレンジして二度目の首相を目指したのか。「総理を投げ出した男」とレッテルを貼られ、再起は容易ではなかったし、世間の風当たりも強かった。
そんな批判を承知で決意した裏にある思いは、やはり「憲法改正」だ。
「戦後レジームの脱却、その象徴は憲法改正、しかも9条を変えることです。安倍首相が死んでもやりたいのはそれしかない。政治家・安倍晋三の矜持です。自民党結党以来の悲願であり、歴史に残る偉業。経済をやりたいから総理になったわけじゃない」(首相の友人)
私は、首相就任前、安倍首相と「保守の本懐」について一対一で話したことがある。首相はこのとき、保守勢力の結集と憲法改正への思いを語った。「何としても(改正を)やりたい。そのためには何でもやる。私に風当たりが強くて結集できないなら他の人を支える覚悟だ」と言い切った。
安倍政権の行方をウオッチするとき、この「安倍の覚悟」を据えて見るべきだろう。「憲法改正」に政治生命をかけ、すべての道とスケジュールがそこにつながっていくという視点だ。
その「憲法改正」に向けて、実は極めて大きなハードルがある。衆院選をめぐって、次々に全国の高裁で出された「1票の格差・違憲判決」である。
「違憲状態で選ばれた国会議員が憲法を改正するというのは筋が通らない。1票の格差を放置したまま憲法を変えるのでは世論が許さない。(首相も)かなり認識している」(首相周辺議員)
裁判は現在上告審。今後、最高裁の統一判断で違憲が示されれば、安倍首相は憲法改正をやるためには、格差を是正して衆院選をやり直す可能性があるとみていい。
「単純に人口比例すれば21増21減。法律を通して区割りをやり、周知期間も合わせてざっと半年。最高裁の統一判断が出るのは8月か秋か。安倍首相は違憲判決が出たら早ければ半年後、しかもできるだけ支持率が高いうちに衆院選をやる可能性がある」(同)
安倍首相がかける「憲法改正」。そのためには解散もいとわないはずだ。(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫)
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憲法改正できるなら解散もいとわない「安倍首相の覚悟」
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