『誰も教えない この国の歴史の真実』菅沼光弘 KKベストセラーズ
p28〜
■GHQの発禁本から見えるアメリカの意図
鎌倉に澤龍さんという方がいて、その人が戦前・戦中の本をたくさん集めています。ご自分で図書館を開設していらっしゃるので私も何度かそこを訪ねたことがあります。日本占領時代にGHQは戦前戦中の書物7000冊あまりを発禁処分にしました。焚書というわけです。澤さんは発行禁止のリストを作ってもいます。そのリストを元に西尾幹二さんが様々な研究を重ねて本にまとめています(『GHQ焚書図書開封』1〜4、徳間書店)。
発行禁止にした書物を見ていくと、アメリカが何を考えて禁止にしたのかがわかる。1つは、「日本人とは何か」とか「日本精神とは何か」ということを書いた本です。もう1つは、欧米のアジア侵略に関する内容の本です。
アメリカは日本と戦って、日本人に得体の知れぬ恐怖感を抱いたのです。ドイツが負けた日の『ニューヨークタイムズ』と、日本が負けた日の『ニューヨークタイムズ』を比べてごらんなさいと石原慎太郎氏がよく云っています。(p29〜)どんな違いがあるか。日本については「この怪物は倒れはしたが、いまだに生きている。この危険な怪物の毒ある牙を徹底して抜き去らねばならない」と書いている。ドイツにはものすごく好意的です。ふるさとがドイツのアメリカ人はたくさんいるからです。だから、ナチスだけが狂っていたのだという感じでしょう。ここには明らかに人種的偏見があります。
さっき名前をあげたゲーレン将軍はナチスではなくドイツ国防軍の軍人です。ナチスには、親衛隊(SS)という名前の軍事組織があって国防軍と仲が悪かった。国防軍には、ヴィルヘルム・カナリス(1887−1945)海軍提督が率いる、国防軍情報部がありました。そのカナリスは、最後にヒトラー暗殺を企てて殺されてしまった。軍とナチスとは、言うならば犬猿の仲みたいなところもあったでしょう。このカナリスは、英米の情報機関と連絡をとっていたと言われます。『ニューヨークタイムズのドイツ評価はこういうこととも関係があるかもしれません。
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