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Channel: 午後のアダージォ
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軋む世界 米中 新たな火種 【?】中央アジア/経済面ではSCOにおける中国の主導権は揺るがない

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軋む世界 米中 新たな火種 【?】欧州/中国、国債購入 武器に 欧米の足元を見透かしたような中国の経済戦術2011-07-27 | 国際/中国
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軋む世界 米中 新たな火種 【?】中央アジア/経済力背景に中国化
 「ロシアか中国か。(ロシアの)メドベージェフ大統領が踏み絵を迫った」
 6月14日、中央アジア・ウズベキスタンの首都タシケント。メドベージェフ大統領とウズベクのカリモフ大統領の4時間に及んだ会談を、ロシア外交筋はこう分析する。
 表向きのテーマは「中東民主化」。自国への波及を恐れるカリモフ大統領に対し、メドベージェフ大統領がカリモフ氏の独裁体制への支持と引き換えに「親ロ反米路線」の堅持を求めた、との見方が一般的だ。が、同筋によると、メドベージェフ大統領が重視したのは、翌15日のタジキスタンでの上海協力機構(SCO)首脳会議で、新規加盟規約の採択に同意させることだったという。
 SCOは、もともとロシアと中国が、米国と対峙する新たな世界軸を目指して2001年6月、中央アジアの旧ソ連4か国とともに創設。05年の首脳会議では、中央アジアの駐留米軍に早期撤退を求める共同宣言を出し、実際にウズベクの米軍基地を閉鎖に追い込むなど、対米牽制では一定の成果を挙げてきた。
 しかし、経済力を背景に、豊富な地下資源への巨額投資など中央アジアに対する影響力を拡大する中国は、ロシアにとって米国以上ともいえる脅威に変貌。ロシアは、中国を抑えるため、友好国でSCO準加盟国のインドの正式加盟をもくろんでいた。
 加盟規約は、運営分担金など加盟の具体的条件を定め、SCO拡大の法的基盤となる。
 既に事務レベルで草案が完成。ロシアは、採択を目指し、根回しに奔走した。
 だが、首脳会議では各国首脳がSCO拡大を検討するとの覚書に署名したものの、具体的加盟条件については継続審議とされた。ロシア外交筋や専門家らによると、中国が規約の内容に原則的に賛成しながらも「SCOは開かれた組織として発展する」との拡大路線明示の表現に反発したためという。
 現在、モンゴル、インド、パキスタン、イランが準加盟国。今後数年内の正式加盟は困難とみられるが、機構として拡大路線を明確にした場合、いずれは「対テロ戦」をめぐって米国と対立を深めるパキスタンなどの加盟も具体的日程に上り、対米摩擦が生じる。財政赤字に苦しむオバマ米政権がブッシュ前政権と違って中央アジアに対する消極姿勢を続ける隙に、安全保障面での無用な米中対立を避けつつ、経済領域で一気に影響力を拡大しようとする中国の思惑が浮かび上がる。
 中国の胡錦濤国家主席は首脳会談で、SCO加盟国に対する総額百20億?(約9千5百億円)の低利融資を表明。もくろみの外れたろしあとは対照的にSCOの盟主としての存在感を示した。
 ロシア科学アカデミーの研究者ルジャーニン氏も「もはや経済面ではSCOにおける中国の主導権は揺るがない」といっそうの“中国化”を予測する。ロシアのみならず、米国にとっても憂慮の種に違いない。(モスクワ・酒井和人)


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