「みのもんた」氏とは一体なに者なのか
アゴラ編集部2013年09月12日10:58
ここにきてニワカに「みのもんた」氏が炎上中です。まず、司会を務めるTBS『みのもんたの朝ズバッ!』8月30日放送分で、キャスター役の吉田明世アナウンサーの腰から尻のあたりへ伸ばした手を吉田アナが手を振り払うような映像が流れた、とネット上で話題になりました。騒ぎを受けたTBS広報部は「セクハラ行為があったとは認識していないが、紛らわしい行為だったため、今後このようなことがないよう番組担当者に口頭で注意した」とコメント。本人へではなく番組担当者へ注意、という点が再び批判される、という展開になっています。
このセクハラ疑惑騒動が収まらない中、酔っ払って寝ていた男性からキャッシュカードを奪い、現金を引き出そうとした窃盗未遂容疑で、みの氏の次男が逮捕されました。同氏の長男はTBS勤務、逮捕された次男も日本テレビ勤務です。入社は超難関といわれるテレビ局に、息子が二人も入っているのは偶然でしょうか。同氏とTBSとのつながりは長く深い、と指摘する人もいます。
みの氏といえば、文化放送のラジオパーソナリティとして有名になった人物です。野末陳平氏につけてもらった芸名で「みのみのもんた、みのもんた〜」という歌を歌いながらラジオで人気者になり、その後、文化放送を退社。父親が創業した水道メーター会社の経営を手伝い、営業などをしていた矢先、テレビ界から声がかかって再び放送業界へ戻ります。1989年に日本テレビの『午後は○○おもいッきりテレビ』の司会を担当したころからタレントとして頭角を現し、「西の『やしきたかじん』東の『みのもんた』」と言われるまでになりました。一説に同氏の出演料は、1時間300万円とも1日500万円とも言われています。
みの氏の本名は御法川法男(みのりかわのりお)です。今年69歳。タレント活動をする傍ら、父親から引き継いだ会社を母体にしたニッコクの代表取締役社長でもある。ニッコクというのは同氏のマネジメント業と水道メーターの製造販売をする会社です。同社は2003年、水道メーター談合疑惑で家宅捜索を受けています。それ以前にも、摘発を受け、処分されていたんだが、再犯性が高く悪質だとされ、公正取引委員会から排除勧告を受けています。
なぜ問題の多い人物が、これほどまで重宝されるのでしょうか。視聴者に人気があるのは事実かもしれません。テレビ局と大手広告代理店の事情もあるでしょう。放送局出身ということで身内に甘い体質があるとも考えられます。政治ネタに限らず、歯に衣着せぬ物言いが人気の同氏ですが、自民党関係者と懇意という話もあり、業界内にも隠然たる「政治力」を発揮している人物でもある。テレビ局がかばうのも道理です。反社会的勢力とのつながりなどの不祥事でも出てこない限り、テレビ局や代理店は視聴者の支持を盾にして、これからも同氏を使い続けるのでしょう。
今年のテレビ業界は、連続ドラマのヒットにより、ネットに押されていた状況から再び息を吹き返した感があります。一方、日本テレビの『24時間テレビ 愛は地球を救う』のギャラ問題や募金疑惑、フジテレビや関西テレビのヤラセ疑惑など、長年の膿が出てくるようにもなっている。放送法に守られ、まだまだ高収益を保っているものの、視聴率競争でも下克上が起きつつあり、主要民放キー局といえど、油断できない状況なのは確か。視聴率や政治力を期待して問題のあるメインキャスターを使い続け、自縄自縛に陥り、気がついたら手遅れになっていた、なんてことにならないようにしてほしいものです。
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