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海外メディア絶賛の「安倍スピーチ」 陰で支える人物 谷口智彦氏

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海外メディア絶賛の「安倍スピーチ」 陰で支える人物
dot.(更新 2013/9/16 16:00)
 日頃は歴史認識問題などで手厳しい海外メディアも、あの演説は絶賛するしかなかった。2020年の五輪開催地は当初、東京の劣勢が伝えられていた。だが、ブエノスアイレスでの安倍晋三首相の招致演説を、英BBCは「安倍首相が立役者だった」と高く評価。ロイター通信は「カリスマ的嘆願」と世界に伝えた。
 自信たっぷりの笑顔と大きな手ぶり。そして、絶妙な緩急。最後に両手を前に差し出した。「We are ready to work withyou(みなさんと働く準備が、私たちにはできています)」
 心配の種だった東京電力福島第一原発の汚染水問題も、不安の払拭(ふっしょく)に手を打っていた。まず演説で、状況がコントロールされていることを説明。その後の質疑では、「汚染水の影響は原発の港湾内の0.3平方キロの範囲内で完全にブロックされている」「健康問題は全く問題ない」と念を押した。
 実際には汚染水の流出は止まってはいない。東電自身が、首相の言葉に「完全に遮断ができているわけではない」と戸惑っている。しかし、大見えを切らなければ、国際オリンピック委員会(IOC)委員の理解は得られなかっただろう。首相周辺は胸を張る。
「国内メディアは東京落選を見込んで『首相が原発事故の不安を払拭できなかった』とこき下ろす準備をしていたが、首相はスピーチで見事に跳ね返した。逆バネですよ。昨年、下馬評を覆して勝った総裁選と同じだ」
そんな安倍スピーチを、陰で支える人物がいる。外交ブレーンの谷口智彦氏(56)だ。
 第1次安倍内閣では、国際広報を担当する外務副報道官を務め、今年2月、安倍氏に請われて内閣審議官に就任した。もとは経済誌「日経ビジネス」の記者だ。英語に堪能で、ロンドン特派員時代には「言葉を磨く」ためにと、BBCの番組に定期出演していた。
「日本人として言うべきことはきちんと言わなければならないし、そのためには自分で発信することを躊躇(ちゅうちょ)していては何も始まらない」が持論。首相スピーチには、そんな谷口氏の持論がにじむ。5月の東京での講演で、
「(アジアで)おごらず、威張らず、しかし卑屈にも、偏狭にもならないで、経験を与えるにして寛容、学ぶにして謙虚な一員となるよう、日本人と、日本をもう一度元気にする」
 と語った。自由や民主主義を共有する国と連携する「価値観外交」を掲げたものだ。こうした「理念発信型」の演説を書いたのが、谷口氏と言われる。
※AERA 2013年9月23日号
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「安倍外交」支える異色の内閣審議官がしたこと
 NEWS FILE
 PRESIDENT 2013年3月18日号
安倍内閣の支持率が62%と鰻上りだ。アベノミクスなどの政策が国民から高く評価された結果だ。米国との関係改善や、好戦的な中国を牽制する外交政策もおおむね国民から支持されている。
その安倍外交を支えているのが谷口智彦内閣官房内閣審議官(内閣広報室)だ。谷口氏は東大法学部卒。「現代コリア研究所」や日経BP主任編集委員を経て米ブルッキングズ研究所研究員に就任。その後外務省外務副報道官、同参与、双日総合研究所上席研究員などを歴任した変わり種。今年2月、安倍氏の推しで内閣審議官に就いた。
谷口氏は外交・安全保障に詳しく、安倍内閣の内閣官房参与になった谷内正太郎元外務事務次官とも懇意。谷内氏らとの対談を収録した『同盟が消える日−米国発衝撃報告』ほか多数の著書がある。
「安倍氏は首相就任直後の昨年12月、プラハに本拠を置く国際NPO団体『プロジェクトシンジケート』に『アジアの民主主義、セキュリティー・ダイヤモンド』という英語の論文を寄稿しました。この中で安倍氏は、中国が東シナ海の領有権を既成事実化しようとし、南シナ海についても“北京の湖”にしようと企てていると指摘。中国の海洋覇権を防ぐために日本、米国ハワイ、豪州、インドが連携し海洋権益保護のためのダイヤモンドを形成すべきだ、と主張しています。この論文は谷口氏が書き、首相がゴーサインを出したものだといわれています」(外務省関係者)
首相は今年1月、東南アジアを歴訪し、インドネシアで「日本外交の新たな五原則」という外交政策を発表。海の安全と日米同盟を守ることが日本の国益だとし、インドネシアなど東南アジア諸国との連帯の重要性を強調、中国の海洋進出に脅威を抱く東南アジア諸国と連携して“ダイヤモンド”を強化しようという内容だ。
「この五原則を書いたのも実は谷口氏だといわれています。また1月28日の安倍首相の国会所信表明演説にも谷口氏が絡んだとされます。外務省では“谷口氏はどういう権限で外交政策に関わっているのか”と不安視しています」(同前)
安倍氏は谷口氏に加え、谷内参与、さらに外務省の反対を押し切って首相が一本釣りした兼原信克内閣官房副長官補(前外務省国際法局長)らを活用して官邸主導の外交を推進する構え。今後、外務省との軋轢が生じる可能性もある。
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安倍政権を陰で支える「裏方」の正体 / 「安倍外交」支える異色の内閣審議官がしたこと 2013-03-10 | 政治 
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安倍晋三首相が提唱した「セキュリティー・ダイヤモンド」安全保障 「インド◇日本◇ハワイ◇豪州」連携 2013-01-17 | 政治〈領土/防衛/安全保障/憲法〉
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