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脱原発「一人闘争」の裏 財界重鎮が支援する“小泉シンクタンク”は空中分解

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脱原発「一人闘争」の裏 財界重鎮が支援する“小泉シンクタンク”は空中分解
  dot. (更新 2013/11/21 07:00)
 順風満帆に見えた安倍政権のど真ん中に、突如落下した“小泉爆弾”。ひたすら脱原発を唱えるその心は、政局好きの血が騒いだ果ての戯れか、もしくは弟子の安倍晋三首相への親心か。騒動の発端は8月26日。毎日新聞のコラム「風知草」が、小泉純一郎氏がフィンランドの使用済み核燃料の最終処分場「オンカロ」を視察し、「脱原発」の確信を深めたと報じたことだった。11月12日の会見では約350人の報道陣を前に、安倍首相に「脱原発」を迫った。
 小泉旋風の真相を解く“カギ”と注目されるのは、謎のシンクタンクだ。
「国際公共政策研究センター(CIPPS)」という名称で、東京・日本橋の三井本館内に事務所を構える任意団体で現在、小泉氏が顧問を務める。ちなみに小泉氏が社民党党首らと脱原発について意見交換したのもこのオフィスだ。
 CIPPSは07年3月、国内の主要企業80社から約18億円の資金を集めて設立された。会長は小泉氏の盟友でトヨタ、経団連の会長を歴任した奥田碩氏。キヤノンの御手洗冨士夫・前経団連会長など、財界の大物たちが理事を務める。
 不可思議なのは、設立の発起人には東京電力も含まれており、原発関連のトップメーカーである日立や三菱系企業の幹部も理事として名を連ねていることだ。
 10月9日には自民党の石破茂幹事長と会員企業代表との「意見交換会」を開催しており、政界との距離も近い。環境系シンクタンク研究員がこう首を傾げる。
「理事の三村明夫・新日鉄元会長は経産省の総合資源エネルギー調査会会長で、原発推進の旗振り役。どう見ても『脱原発』とはほど遠い団体ですが……」
 設立時、小泉氏は中東和平実現に興味を示しており、その後、東南アジアやロシアを外遊している。
 そして震災を機に急激に「脱原発」にかじを切った小泉氏に対し、周囲も戸惑っているようだ。
 三村氏を直撃しても、「その件についてはどこの取材も受けない」と、やけに口が重い。理事の一人でIHI会長の釜和明氏は、小泉氏と距離を置く。
「シンクタンク内で事前に相談はなかったと思う。他の人がやらないことをするのは小泉さんらしいが、我々製造業としては、安全確認ができた原発から再稼働させるべきと思います」
 ちなみにCIPPSは設立時、7年間、活動する計画で資金を集めたと報じられており、来年でちょうど7年。今後の存続を聞いても、「ノーコメント」(CIPPS事務局)だった。
 ※週刊朝日  2013年11月29日号
 ◎上記事の著作権は[dot. ]に帰属します
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風知草:小泉純一郎の「原発ゼロ」=山田孝男
 毎日新聞 2013年08月26日 東京朝刊
 脱原発、行って納得、見て確信−−。今月中旬、脱原発のドイツと原発推進のフィンランドを視察した小泉純一郎元首相(71)の感想はそれに尽きる。
 三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部、計5人が同行した。道中、ある社の幹部が小泉にささやいた。「あなたは影響力がある。考えを変えて我々の味方になってくれませんか」
 小泉が答えた。
 「オレの今までの人生経験から言うとね、重要な問題ってのは、10人いて3人が賛成すれば、2人は反対で、後の5人は『どっちでもいい』というようなケースが多いんだよ」
 「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。ますますその自信が深まったよ」
 3・11以来、折に触れて脱原発を発信してきた自民党の元首相と、原発護持を求める産業界主流の、さりげなく見えて真剣な探り合いの一幕だった。
 呉越同舟の旅の伏線は4月、経団連企業トップと小泉が参加したシンポジウムにあった。経営者が口々に原発維持を求めた後、小泉が「ダメだ」と一喝、一座がシュンとなった。
 その直後、小泉はフィンランドの核廃棄物最終処分場「オンカロ」見学を思い立つ。自然エネルギーの地産地消が進むドイツも見る旅程。原発関連企業に声をかけると反応がよく、原発に対する賛否を超えた視察団が編成された。
 原発は「トイレなきマンション」である。どの国も核廃棄物最終処分場(=トイレ)を造りたいが、危険施設だから引き受け手がない。「オンカロ」は世界で唯一、着工された最終処分場だ。2020年から一部で利用が始まる。
 原発の使用済み核燃料を10万年、「オンカロ」の地中深く保管して毒性を抜くという。人類史上、それほどの歳月に耐えた構造物は存在しない。10万年どころか、100年後の地球と人類のありようさえ想像を超えるのに、現在の知識と技術で超危険物を埋めることが許されるのか。
 帰国した小泉に感想を聞く機会があった。
−−どう見ました?
 「10万年だよ。300年後に考える(見直す)っていうんだけど、みんな死んでるよ。日本の場合、そもそも捨て場所がない。原発ゼロしかないよ」
−−今すぐゼロは暴論という声が優勢ですが。
 「逆だよ、逆。今ゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。野党はみんな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる。あとは知恵者が知恵を出す」
 「戦はシンガリ(退却軍の最後尾で敵の追撃を防ぐ部隊)がいちばん難しいんだよ。撤退が」
 「昭和の戦争だって、満州(中国東北部)から撤退すればいいのに、できなかった。『原発を失ったら経済成長できない』と経済界は言うけど、そんなことないね。昔も『満州は日本の生命線』と言ったけど、満州を失ったって日本は発展したじゃないか」
 「必要は発明の母って言うだろ? 敗戦、石油ショック、東日本大震災。ピンチはチャンス。自然を資源にする循環型社会を、日本がつくりゃいい」
 もとより脱原発の私は小気味よく聞いた。原発護持派は、小泉節といえども受け入れまい。5割の態度未定者にこそ知っていただきたいと思う。(敬称略)(毎週月曜日に掲載)
 ◎上記事の著作権は[毎日新聞]に帰属します *強調(太字・着色)は来栖
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原発メーカーの金で脱原発主張した小泉元総理 / 対案を出さず原発ゼロを主張しても中身ない太郎と同じ 2013-11-17 | 政治/原発 
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