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安倍政権を悩ます「徳洲会補選」 消費増税後初の国政選挙に?

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安倍政権を悩ます「徳洲会補選」 消費増税後初の国政選挙に?
 産経新聞  11月24日(日)15時40分配信
 医療法人「徳洲会」グループをめぐる公職選挙法違反事件が予想以上に安倍晋三政権に重くのしかかっている。渦中の徳田毅衆院議員(42)=自民党離党、鹿児島2区=が失職あるいは辞職し、補欠選挙が来年4月に行われることは不可避とみられるからだ。補選となれば消費税率の5%から8%への引き上げ後、初の国政選挙となる。自民党は「徳洲会後遺症」と「消費増税」という二つの十字架を背負いながら“負けられない戦(いくさ)”に臨まざるを得ないのだ。
  東京地検特捜部と警視庁は12日、昨年12月の衆院選で公選法が禁じる運動員買収をしていたとして、自民党公認候補で当選した徳田毅衆院議員の姉で、徳洲会の関連会社社長だった越沢徳美(なるみ)容疑者(50)、スターン美千代容疑者(46)とグループ幹部ら計6人を同法違反容疑で逮捕した。
  捜査当局は、不正を主導したのは徳田議員の父で元衆院議員の徳洲会創設者、虎雄前理事長(75)とみているが、病気療養中のため在宅で容疑者として調べを進めている。
  今後の焦点は、徳田議員の刑事責任が及ぶか否かに移っている。
  しかし違法な報酬を受け取って選挙運動に従事した傘下病院などの職員は563人、不支給の総額は1億4750万円相当に上るとされ、公選法違反の買収事件としては空前規模である。
  国会議員には不逮捕特権があり、原則として国会会期中は逮捕されないが、徳田氏は自身の関与のあるなしにかかわらず、まず議員辞職して責任を明らかにするのが政治家のとるべき道だろう。
  しかし仮に徳田氏に刑事責任が及ばないにしても、「自分はシロだ」として議員の職に居座り続けることもできまい。公選法の規定によると、候補者の父母や兄弟など親族が買収の罪で禁錮以上の刑が確定したら連座制により当選無効となる。2人の姉が逮捕された徳田氏が早晩、失職を余儀なくされるのは必至とみられるからだ。
  徳洲会の公選法違反事件のダメージを最小限に食い止めるべく自民党は14日、持ち回りの党紀委員会(中曽根弘文委員長)で、徳田議員の離党を了承した。とはいえ「これで一件落着」といくわけがない。おそらく半年以内に当該選挙区の補選が待ち受けているのである。
  公選法によれば、投票日に特に定めがなく、9月16日から翌年3月15日に欠員などで補選を行う事由が生じた場合、当該期間直後の4月の第4日曜日に投票となる。従ってカレンダーに目をやれば、「徳洲会補選」の投票が来年4月27日に実施されることは永田町では既定路線になりつつある。
  しかし、その補選が安倍政権にとっては厄介(やっかい)極まりない戦いなりそうな気配だ。
  内閣支持率は「アベノミクス」への期待感や野党のふがいなさなどがあいまって約60%の安定高値を維持しており、本来なら自民党が“横綱相撲”で受けて立つ選挙になってもおかしくない。だが、そうは問屋が卸してくれない。
  徳田議員の父親、虎雄氏も自由連合時代、中選挙区制で唯一の1人区だった奄美群島区で、自民党の保岡興治衆院議員と何度も激しい選挙戦を繰り広げた。「保徳戦争」「ハブとマングースの戦い」などとたとえられうえに死人が出るとまで言われ、選挙違反の摘発も枚挙にいとまがない。文字通り「死闘」の連続だった。
  徳田氏が地盤とする奄美群島を中心とした当該選挙区はそんな土地柄、土壌ゆえに「有権者にとって衆院選は数年に1度の大イベント、お祭りだった。4月に補選が実施されれば地元の関心や熱気はこれまでの選挙より冷めるのは言うまでもない」と選挙事情通は指摘する。
  とはいえ、安倍政権が10月に消費税率の3ポイント引き上げを決定し、そして来年4月1日にそれが実施されてから初めて行われるであろう国政選挙である。
  現に補選となれば、多くのメディアは「消費増税に対する民意を図る試金石」などとはやし立て、再来年10月の消費税10%への再引き上げの是非を争点化することが十分予想される。野党が「消費増税」の一点を突いてくることも想像に難くない。自民党関係者はこう語る。
  「補選になった場合、政権に与える勝敗の影響は限りなく大きい。消費増税に対する世論の反発が全国に波及する恐れがある。絶対に落とせない選挙になる」
  アベノミクスへの国民の期待値は高いが、景気回復や雇用、賃上げが政権のシナリオ通り進まなければ、支持率は急降下する。先行きの期待感をあおりにあおってきた分、反動は大きく、そこに消費税アップの生活苦が重なれば、国民の失望が怒りに変わりかねない。
  前出の自民党関係者は「来年4月の選挙はタイミング的に『凶』と出る要因ばかりだ。これまで自身の『強運』の助けもあって政権を順調に運営してきた安倍首相にとって、それこそ運の尽きとなる可能性がある」と懸念を抱く。
  さらに自民党にとって難題なのは、徳田氏の威光や影響がどっぷり根付いている選挙区で、“徳田色”を払拭(ふっしょく)した「クリーンな候補者」を見いだせるかどうかだ。
  昨年末の衆院選で渦中の徳田氏は、民主党前職の打越明司氏にダブルスコア以上の大差で圧勝した。しかし、むろん補選となれば、これまでカネにモノを言わせた徳田陣営による「徳洲会式選挙戦略」は過去のものとなる。
  まさか政権党が「不戦敗」というわけにはいかないし、いかなる逆風でも勝てる候補者の擁立作業は一筋縄ではいかないだろう。
  ただでさえ4月以降、首長選挙で自民党推薦候補がきびすを接するように敗北している。静岡県知事選、名古屋、川崎、さいたま、福島の各市長選…。それぞれ地方の特性や野党との相乗りしたケースのマイナス要因など考慮すべき事情はあろうし、中央政界の状況が首長選に必ずしも直結するものではない。
  ただ自民党内から「7月の参院選では勝利しているのに、首長選で敗れるのは、政権についたおごりや慢心が出ているのではないか」(中堅議員)という声が一部で出ているのも事実だ。
  まだ「徳洲会補選」が決まったわけではない。仮に確定しても、過去に例を見ない大規模な公選法違反事件を受けた選挙という“特殊事情”から、「負けてやむなし」と予防線を張る動きが自民党内に出てくるかもしれない。
  しかし、その勝敗はやはり、その後の政権運営の行方を少なからず左右するため、安倍政権が「4月決戦」を見据え、経済指標や景気動向、そして野党の出方にことさら神経質になっているのは確かだ。たかが補選、されど補選なのである。(高木桂一)
 ◎上記事の著作権は[Yahoo!JAPAN ニュース]に帰属します
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