「力による現状変更受け入れられない」 安倍首相、CNN取材で中国けん制
産経ニュース2014.1.27 09:09
米CNNテレビは26日、安倍晋三首相とのインタビューを報じた。CNNによると、安倍氏は「中国が軍事力などを使って現状を変更する試みは、いかなるものも受け入れられないと理解することが重要だ」と述べ、中国をけん制した。沖縄県・尖閣諸島をめぐる問題を念頭に置いた発言。
CNNの英語通訳によると、安倍氏は中国が過去20年間、軍事費を毎年約10%も増加させてきたと指摘し「アジア各国と同様に日本の懸念材料だ」と批判。軍備拡張は中国の経済成長や繁栄に貢献しないとし、中国側が確実に理解するよう取り組んでいきたいと述べた。また、中国と軍事的に対抗する意図はないと強調。一方で、首相として日本の領海や領土を守る責任を果たしていくと訴えた。
安倍氏は政権の経済政策、アベノミクスの「三本の矢」にも言及。成長戦略のための構造改革について「抵抗する人たちにも、私が行ってきたことを正しいと納得させ、取り組むようにさせることが重要だ」と語った。(共同)
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zakzak2013.01.30
内外の勢力が歴史問題を持ち出して、わが国のV字回復を図ろうとしている安倍晋三政権の出はなをくじこうとしている。これは、日本が過去に侵略や残虐行為を行い、それを安倍首相が反省していないことからくる反発からではない。
現代は戦争ができない時代だ。先進国や大国同士は特にそうだ。だから、実際の戦闘の代わりに過去の戦争の「記憶」を持ち出し、どれだけ被害を受けたかを主張する。
「被害者」を称することで加害者に対して道徳的に優位な立場に立ち、それが外交やビジネスの場面での関係にもなる。「加害者」は「被害者」に強い主張や要求ができなくなるからだ。戦争についての解釈は過去の問題ではなく、今現在の問題ということだ。
わが国の固有の領土である沖縄県・尖閣諸島を侵食しようとしている中国は早速、歴史問題をあの手この手で持ち出している。
その最初のターゲットにされたのは鳩山由紀夫元首相だ。鳩山氏は1月17日、中国・南京の「南京大虐殺記念館」を訪問後、「(旧日本軍が)多くの民間人や捕虜をあやめたことは事実だ。おわびする気持ちを持たなければならない」と発言。尖閣諸島についても日中両国の「係争地」と中国の要人に発言した。安倍首相が中国の軍事的脅威を感じている東南アジア諸国を歴訪して連携を呼び掛けている折も折だ。
次いで、公明党の山口那津男代表が訪中し、25日、中国共産党の習近平総書記と会見し、その際、尖閣諸島について習氏から「歴史を直視し、正しく処理しなければならない。過去の教訓もあり日本側は慎重に対応してほしい」と言われている。
尖閣侵食の加害者が歴史問題を持ち出すことで「被害者」にすり替わっている。習氏の求める「慎重な対応」とは日本側は尖閣領有について強い主張をするなということだ。
28日から31日まで、村山富市元首相や、加藤紘一元自民党幹事長も訪中。中国に親近感を抱く政治家を次々に招いて歴史問題を突きつける。その際、鳩山氏のように謝罪や「尖閣は係争地」との発言が引き出せればもうけものだ。
安倍政権を揺さぶり、同時に国際社会に日本では有力政治家も「尖閣は係争地」としているとアピールできる。ハニートラップならぬ「歴史トラップ」に引っ掛けようとしているのだ。それもお役御免の政治家を狙って。
彼らは、国益を主張し、それでいて関係改善を図るべく、周到な準備をしている安倍外交の足を引っ張っているが、自覚はあるのか。
■八木秀次(やぎ・ひでつぐ) 1962年、広島県生まれ。早大法学部卒業。同大学院政治学研究科博士課程中退。国家、教育、歴史などについて保守主義の立場から幅広い言論活動を展開。第2回正論新風賞受賞。現在、高崎経済大学教授、安倍内閣が設置した教育再生実行会議委員、フジテレビジョン番組審議委員、日本教育再生機構理事長。著書に「国民の思想」(産経新聞社)、「日本を愛する者が自覚すべきこと」(PHP研究所)など多数。
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八木秀次 . . . 本文を読む
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◇ 「尖閣問題は、国際法と国連に期待せず、棚上げせず、強い姿勢で臨むことが中国に有効」ペマ・ギャルポ氏 2013-01-23 |
Professor PEMA News and Views ペマ・ギャルポ この国、日本に生き、一握の土となることを願う者のひとりとして
尖閣問題とチベット問題の共通点
2013年1月23日 (水)
近年中国は度重ねて尖閣諸島問題で日本に対して挑発的行為を続けている。
これに対してごく一部の良識ある人々以外のマスコミなどは冷静に対応しろ、とか、国際法と国連に頼るような発言も目立っている。中には叡智を結集して両国間で当分この問題を棚上げにすべきだと、いう極論を言う人もいる。
この人たちの言い分だと、大人であった?小平と田中角栄は、この領土問題を棚上げすることで日中の友好関係を築いてきた、とのことである。
私がチベットの体験からはっきり申し上げたいのは、棚上げなどとは中国にとって、時間稼ぎ以外の何ものでもなく、中国が一九五〇年軍事力でチベットを侵略し五一年に十七条協定なるものを押し付けたことに対し、東チベットを中心にして猛烈な反発が出始めた頃、一九五四年毛沢東はダライ・ラマ法王に、
「我が祖国の他の領土と違ってチベットには特有性があるので、革命的改革を当分押し付けない」
という約束をして法王を安心させた裏で、着々とチベットへの道路をつくり、多量の工作員を「チベットに奉仕する」という名目で送り込み、彼らがチベットを軍事的支配しやすいような環境を整え、最後にダライ・ラマ法王を捕まえようとした。
その時チベット国民は決起し、ダライ・ラマ法王はインドに亡命した。一九五九年のことであった。
もしチベットが一九五〇年代初期に一致団結して戦っていれば、中国の侵略を阻止できたかもしれない。当時の中国はチベットに簡単に入れるような道路もなかったし、兵士を養っていくだけの食料も不足していた。国民党との内戦で兵力も弱まっていた。
その上毛沢東と人民解放軍の軍部、そして劉少奇との対立が始まっており、内部の団結力をはかる必要があったので、時間稼ぎにチベットへの改革を押し付けない、という姿勢を取っただけで、それは?小平の棚上げ論と同質のものだった。
やむを得ずインドに亡命したダライ・ラマ法王のチベット政府は国連に訴え、国際法と正義に期待した。アイルランドとマラヤ(現在のマレーシア、シンガポール)が提唱者となって国連で三度にわたって中国を批判し、非人道的行為をやめ、即時チベットから軍を撤退することを促す決議が採択された。
また、ICJ 国際司法委員会(国際法律家委員会ともいう)はチベットにおいて中国軍による計画的組織的大虐殺があったこと、そして中国がチベットに侵略したとき、チベットが事実上の独立国家であったことを認める結論を出した。
しかし中国は国連の決議を無視し、国際法に基づく正義も無視した。こうしたことからわかるように、中国にとって歴史的正当性、国際法の正当性、そして国連の存在は、自国の利益に合致しない限り、無視するのが当たり前のことである。
一九四九年中華人民共和国誕生のとき、中国が有効に支配していたのは現在の中華人民共和国の三七%に過ぎない。それ以外の領土はすべて軍事力を背景に獲得し、ある時期においては友好関係にあったロシア、インド、ベトナムなどとも一戦交えているように、中国の本質は領土拡張主義以外の何ものでもない。
日本はこうした事実から学び国際法と国連に甘い期待を抱くのをやめ、棚上げの畏にも採らず、自国の領土を守る強い姿勢を持って臨むことのみが中国に有効な対策である。
※ 『われわれ日本人が尖閣を守る』(高木書房)所収。
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