【「靖国」後 (上)前半】「失望」の伏線、米副大統領の電話「『安倍氏は参拝しない』と朴氏に言った」
産経ニュース2014.1.30 08:09
昨年12月12日夜、安倍晋三首相は日本、中国、韓国を歴訪して帰国した米国のバイデン副大統領から電話を受けた。事実関係を知る政府関係者によると、首相はその内容に驚きを隠さなかったという。バイデン氏はこう述べたのだ。
「韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領には『安倍氏は靖国神社に参拝しないと思う』と言っておいた。あなたが不参拝を表明すれば、朴氏は会談に応じるのではないか」
どうして頭越しに朴氏にそんなことを言ったのか−。首相はただちに自身の真意を告げた。
「私は第1次政権のときに靖国に参拝しなかったことを『痛恨の極み』だと言って、衆院選に勝った。参拝は国民との約束だと思っている。いずれかの段階で行くつもりだ」
参拝の意思を明確に伝えたものだったが、バイデン氏はあっさりと「行くか行かないかは当然、首相の判断だ」と答えたという。
首相はさらに、日韓首脳会談を阻む最大の壁は靖国問題ではなく、むしろ慰安婦問題だとも説明したが、バイデン氏がどこまで理解したかは分からなかった。
ただ、靖国参拝に関して「首相の判断だ」と認めていたことから、日本側は米国が同月26日の首相の参拝に「失望」まで表明するとは予想していなかった。
*会談前に「失望」発表
参拝から数時間後、外務省幹部は、在日米大使館が「失望」という強い表現の声明を出そうとしていることを察知した。
「今夕には岸田文雄外相とケネディ駐日大使の電話会談がある。会談前に声明を出すのはおかしい」
外務省は在日米大使館と米国務省に声明を出さないよう、働きかけた。だが、声明は「ホワイトハウスの指示」として電話会談の前に発表され、「日米に溝」と世界中に報道された。
複数の日米外交筋によれば、声明発表にこだわったのは、首相から事前に参拝意向を聞いていたはずのバイデン氏だった。日米間のパイプは微妙に目詰まりを起こし、「同盟国同士の常識」(政府高官)が通じなくなっている。
年が明けると、米側は一転して靖国参拝を「もう済んだ話」と位置付け、日米間の融和を演出するようになった。外務省には、米国務省からこんな反省も聞こえてくるようになった。
「在日大使館がdisappointedを『失望』と訳したのは表現が強すぎた。せめて『落胆』か『残念』とすべきだった」
声明が中韓の反日を勢いづかせただけで、「米国の世界戦略として全く意味がなかった」(政府高官)ことに、米側もようやく気付いたからだ。
*対韓関係修復迫る
ただし、その後も米要人らは示し合わせたように、韓国との関係修復を迫っている。
1月24日に来日したバーンズ米国務副長官は、岸田外相との会談で「韓国との関係だけは改善してほしい」とクギを刺した。小野寺五典(いつのり)防衛相には「失望」とのメッセージを出した理由について「米にとって、韓国と日本との関係が重要だから」とも明言した。
バーンズ氏は、日本側との一連の会談でこう付け加えることも忘れなかった。
「日本が(東アジア)地域の安定と繁栄のため、微妙な問題について建設的な方法を見つけることを、米政府は奨励したい」
「建設的な方法」との表現には、靖国参拝を再検討してほしいとの米側の思いがにじむ。日韓関係が冷え込む理由に関する、日米間の認識の隔たりを埋める作業は容易ではない。
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【「靖国」後 (上)後半】ぶれる米の対韓認識で日韓関係悪化 「まるでアマチュアだ」
産経ニュース2014.1.30 12:46
今月8日から10日まで、日米議員連盟の日本側訪米団(団長・中曽根弘文元外相)が米ワシントンを訪れ、20人以上の米政府高官や元高官、上下両院議員らと意見を交わした。狙いの一つは、安倍晋三首相の靖国神社参拝の意義と真意を伝え、米側の理解を得ることだった。
同行筋によると、ラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は首相の靖国参拝と東アジアの地域情勢について、こう率直に胸の内を明かした。
「われわれは、まず中国が『日本は軍国主義化している』というまやかしを宣伝することを防がなければならない」
あくまでアジア地域の脅威は中国であり、日米が足並みをそろえて対中政策を進める必要があるという主張だ。これには中曽根氏も深くうなずいた。
ただ、ラッセル氏の口調は、日韓関係の悪化のくだりにさしかかると、途端に厳しくなった。
「首相の靖国参拝は一時的だが、アジアでの日本の影響力に損害を与えた」
ラッセル氏は「米側に怒りはない」と強調しながらも「中国に付けいる隙を与え、日韓関係の改善が遅れた」と嘆いてみせた。
*「存在」の意味を軽視
バイデン米副大統領やラッセル氏が懸念するように、靖国参拝が日韓関係悪化や東アジア情勢の緊張の主因なのか。
政府筋は「米側は、日本は韓国とは戦争しておらず、韓国は本来、靖国問題とは関係ないことを分かっていない。また、日本で靖国が持つ意味をあまりに軽視している」と語り、その上でこう指摘する。
「韓国のことは米国よりわれわれの方が分かっている。朴槿恵大統領がこだわっているのは第一に慰安婦問題であり、靖国に行かなければ関係が改善されるというものではない」
靖国参拝に過剰なまでに反応し、日本に自制を求めるオバマ政権は、米国内での市民団体による慰安婦像の設置など韓国側のエスカレートする「反日行為」は放置している。こうした米国の「ダブルスタンダード(二重基準)」が、結果的に日韓関係の悪化につながっている部分もある。
さらに中曽根氏ら訪米団は、会談した複数の米政府関係者らが表明した意見に耳を疑った。それは、韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)に関する2月の同県主催式典への対応や、中学や高校で指導の指針となる学習指導要領解説書における領土問題の記述改定に関する懸念だった。
韓国のロビー活動が功を奏しているのか、韓国側の主張が浸透していたのだ。
知日派として知られるアーミテージ元米国務副長官は「下手をすれば、(4月に想定される)オバマ大統領の訪日にも支障が出かねない」と説いた。ある米政府高官は「韓国は関係改善の材料を欲しがっている」と述べ日本側に進んできっかけをつくるよう促した。
*「まるでアマチュア」
とはいえ、これまで長年にわたってさまざまな問題で韓国に譲り続けてきた日本にとって、これ以上、譲歩する余地は乏しい。
竹島の式典こそ、今年も昨年と同様に首相出席は見合わせるが、解説書の改定は、教育再生を最重要政策に掲げる安倍政権の一丁目一番地だ。文部科学省は28日、竹島と尖閣諸島(沖縄県石垣市)について、「我が国固有の領土」と明記する改定を行った。
首相をはじめ、日本政府がとる現在の対韓基本姿勢は対話のドアを開きつつの「放置」だ。慰安婦問題で日本側がさらなる経済支援や謝罪を行う考えもない。
靖国参拝に激怒し、日韓関係の改善をせかすバイデン副大統領について首相周辺は、ゲーツ元米国防長官が今月出版した回顧録の一文を引き合いに出す。そこにはこう記されている。
「バイデン氏は過去40年間、全ての重要な外交政策と安全保障に関する判断でミスを犯した」
外務省筋は「一連のオバマ政権の外交はまるでアマチュアだ」と嘆く。ただそれでも、米国が死活的に重要な同盟国であることには全く変わりはない。安倍外交のジレンマは続く。
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【「靖国」後 (中)前半】中国の世論戦激化 「事なかれでは済まない」受けて立った外務省
産経ニュース2014.1.31 08:32
正月休み明けの1月初旬、東京・霞が関の外務省の一室に集まった同省幹部らは、一様に厳しい表情を浮かべていた。机上には、世界各国に駐在する中国大使らが、赴任国のメディアに投稿した安倍晋三首相の靖国参拝を批判する記事のファイルがあった。
「日本は第二次世界大戦後の国際秩序をいまだに受け入れない」
「中英両国は一緒に戦争に勝った」
中国の大使による投稿記事を分析していくと、共通した特徴が見つかった。
まず、首相の個人攻撃を行った上で「日本は軍国主義に戻りつつある」などと論理を飛躍させる。そして最後に「第二次大戦をともに戦ったわれわれに挑戦しようとしている」と相手国に中国は「戦友」であると呼び掛け、日本が「戦後秩序への挑戦」をしているのだと印象付ける論法だ。
これまでの日本の対外広報戦略は、感情的な反応は避けて、関係国への水面下の根回しで問題の沈静化を図るというものだった。それは「相手の土俵に乗る必要はない。下手に事を荒立て、かえって問題が大きくなるのはまずい」(幹部)との考えからだった。
とはいえ、今回は過去の事例とは事情が違う。中国は外務省が音頭を取り、組織的に「世論戦」を仕掛けてきた。日本の戦後の平和の歩みを意図的に歪(わい)曲(きょく)しつつ、「戦勝国」と「敗戦国」という枠組みを使って対日包囲網を敷こうとしている。
「これほど下品な行為は見過ごせない。今回は売られたケンカは間髪入れず買わなければならない」
会議では幹部の一人がこう発言し、中国大使の投稿先の各国メディアに対しては、日本も例外なく反論の投稿を行う方針を決めた。
反論文では、中国が急速に軍備拡張を行っていることや、南シナ海で力による領土・領海の現状変更を迫っていることなど、具体例を挙げて「国際社会にとって危険なのはどちらか」と訴えることも決定した。
また、靖国参拝はあくまで戦没者追悼のためであり、日本は戦後、他国に向けて一発の銃弾も撃ったことはなく、軍国主義に戻ることはない−などと淡々と説明することにした。
外務省はただちに各国の在外公館に対し、こうした指針を「マニュアル」形式にまとめ、通達を出した。
中国外務省のホームページなどによると、30日時点で、中国の在外大使が現地メディアを通じて首相の靖国参拝批判を行った国は74カ国・地域(インタビューも含む)にのぼる。日本側は46カ国・地域で反論投稿を行ったほか、インタビューに際しても中国側と同分量での出演を求めている。
こうした日本の努力によって「アジアの国々は安倍首相の防衛予算拡大を静かに歓迎しており、むしろ中国の軍拡と海洋上の強固な主張をより懸念している」(英エコノミスト誌)という評価も目立ち始めた。
ある外務省幹部はいう。
「以前は事を荒立てる不利益の方が注目されたが、現在は国際的に力を付けた中国が、日本に真正面の戦いを挑んでいる。もう『事なかれ』では済まない」
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【「靖国」後(中)後半】中国、研究者・外交官も「反日」総動員 政府主導の国内向け
産経ニュース2014.1.31 13:59
「春節(旧正月)前というのに、次々と新しい仕事が降りかかってくる。うちの会社は人使いが荒い」
1月下旬のある夜。北京市中心部の日本料理店で、中国の政府系シンクタンクに勤務する日中関係史の研究者は、焼き魚を箸でつつきながらつぶやいた。
店内の大型テレビは「安倍晋三首相のダボス会議における発言を批判する討論番組」を流していた。この研究者の同僚がゲスト出演し「今の日本は、大変危ない方向に向かっている」などと口角泡を飛ばしていた。
昨年12月26日の首相の靖国神社参拝後、研究者が所属する部署は当局から「歴代日本首相の靖国参拝の比較」「靖国参拝に関する日本世論の変化」「神道が軍国主義思想に与える影響」といった複数の研究プロジェクトが与えられた。
締め切りまで時間が少なくみんなで手分けして執筆しているという。研究者は「これで旧正月は休めなくなった」とぼやき、「昨年は本当に忙しい一年だった」と振り返った。
昨年の年初は尖閣諸島の歴史的経緯、次は沖縄の帰属問題、年末になってからは靖国関連の仕事が与えられ、日中関係の変化に伴い、研究テーマも次々と変更されたのだという。
2012年11月に発足した習近平指導部は、胡錦濤前政権と違って日本との対決姿勢を強めた。日本を論破するために、この研究者のような日本問題の専門家の重要性が高まり、仕事が急増したのだ。
ただ、中国の学者による国際関係や歴史問題に関する研究は、事実関係より政治目的が優先され、着手する前に結論が出ているのがほとんどだといわれる。
例えば、中国の指導者が日中戦争中の南京事件の死者が30万人と発言すると、その後、中国の研究者がいくら研究を進めても違う数字は出せなくなる。先行研究をわざと無視し、都合のいい史料だけを引用する中国の学術論文は中国国内だけで通用するといわれる。
このため、中国の学者が歴史や領土問題でいくら新しい成果を出しても、国際社会ではほとんど影響力がない。「国内向けのパフォーマンスにすぎない」と指摘する声もある。
首相の靖国参拝はまた、軍事科学院などの軍系シンクタンクに所属する専門家のメディアにおける露出度を急増させもした。
各テレビ局は連日のように軍事番組を流し、自衛隊が保有する戦闘機、護衛艦の性能分析や中国軍との比較も行われている。軍事専門家らはしばしば「日本との戦争勃発の可能性」などに言及している。
世界中に駐在する中国の外交官も忙しくなった。中国外務省は昨年末から、各国に駐在する外交官を総動員し、世界規模で安倍首相を批判するキャンペーンを展開中だ。
韓国やベトナム、マレーシアなどアジア各国をはじめ、米国、英国、ドイツなどの主要国、マダガスカルやコンゴ、エチオピアなど地理的にも歴史的にも日本とほとんど関係のない国々の大使らも、この宣伝活動に参加している。
もっともこうした大々的な日本批判に対し、戸惑いを見せる欧米の外交官は少なくない。北京駐在のある欧州主要国の大使館員はこういぶかる。
「中国は、日本とも良い関係を維持したい私たちを無理矢理にトラブルに巻き込もうとしている」
実際、習政権が国内外で展開する大規模な反日キャンペーンは、実際に日本外交に与えるダメージはほとんどないとの見方もあるぐらいだ。
共産党筋は「日本の首相の靖国参拝は、日中関係の問題であると同時に、中国の国内問題でもある」と指摘し、その意味を説明する。
「中国政府が日本に強い姿勢を示さないと、国民による政府批判が高まりかねない。内政で成果を挙げられない習政権は、一連の派手な抗議を通じて、自身の対日強硬姿勢を国内にアピールする目的がある」
「反日」は中国の構造的な内部矛盾の反映であるならば、日本が靖国で譲歩すれば収まるという性質のものではないことになる。
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【「靖国」後(下)】ソチ五輪開会式出席でロシア取り込み
産経ニュース 2014.2.1 07:44
「今年は午年。エネルギッシュで勤勉なウマのように今年のロシアと日本との関係を発展させたい」
春の到来を思わせる暖かな日差しに包まれた31日の外務省飯倉公館(東京都港区)。日露次官級協議に臨んだロシアのモルグロフ外務次官は、にこやかにそう切り出した。
この日の主な議題は北方領土の帰属をめぐる日露間の歴史認識の整理だった。重い話題を取り上げても日露間の基本的な信頼関係が揺らがないことに日本側の杉山晋輔外務審議官は胸をなでおろした。
*領土交渉にも影響
ロシア側が北方領土領有の根拠とするのが、「第二次世界大戦の戦果」(ラブロフ外相)だ。水面下の日露交渉では、日本の主権を本州4島と周辺の小島に限定した1945年のポツダム宣言や、旧ソビエト連邦が署名していないサンフランシスコ平和条約まで持ち出すこともある。
ロシアも中国同様、「戦勝国」としての権利を主張し、日本の言い分を「敗戦国」の不平として片付ける戦術をとっている。
そのため、昨年12月に安倍晋三首相が靖国神社を参拝した際、日本の対露交渉関係者らに一瞬、緊張が走った。参拝がロシアで「戦後秩序への挑戦」だと喧(けん)伝(でん)されれば、領土交渉にも悪影響が出かねないからだ。
実際、中国の王毅外相は昨年12月30日、ラブロフ氏との電話会談で「(中露両国は)反ファシスト戦争の勝利国として共に国際正義と戦後の国際秩序を守るべきだ」と訴え、日露間にくさびを打ち込もうとした。ラブロフ氏もこの時は「靖国の問題でロシアの立場は中国と完全に一致する」と同調している。
31日の日露次官級協議でも「旧ソ連は軍国主義・日本を打倒し、満州(中国東北部)や朝鮮、千島列島を解放した」という先の大戦をめぐるロシアの公式史観を主張したとみられる。
ただ、中国のように歴史最優先のかたくなな態度ではない。次官級協議では日露首脳会談を年内に複数回開き、領土問題の前進を図ることも確認した。
中国が仕掛ける対日包囲網から、いかにロシアを切り離すか−。安倍首相が切り札に使ったのが、ロシアのソチ冬季五輪大会開会式への出席だ。
ロシアのプーチン大統領は昨年10月の日露首脳会談で、安倍首相をこの場に正式に招待した。だが、開会式の7日は都内で「北方領土の日」の全国大会がある。安倍首相は当初欠席する意向で、プーチン氏とのパイプがある森喜朗元首相に昨年末、「開会式には出席できなくなった」と電話で伝えていた。
五輪の開会式は開催国と懇意な各国首脳が集う場でもある。オバマ米大統領やオランド仏大統領ら欧米主要国の首脳が軒並み欠席を通告しており、プーチン氏の威信も傷ついていた。
*プーチン氏顔立て
そうした情勢から、安倍首相は今年1月、「開会式に無理をしても出席したい」と再調整を指示した。「北方領土の日」の大会に出席後、政府専用機に飛び乗り、開会式の数時間前にソチに到着する強行日程を組んだ。
主要国(G8)首脳会議メンバーでただ一人、開会式に出席することでプーチン氏の顔を立てたのだ。このメッセージをロシア側も受け止めた。
プーチン氏は1月17日、中国メディアから「第二次大戦の結果と、それに基づく世界秩序を否定しようとする国や勢力がある」と問われると、「大戦の結果は揺るぎなく、国際的・法的な文書で確固としたもの」と指摘したが、日本への直接的言及は避けた。
ラブロフ氏も同月21日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)などを念頭に「(東アジア)地域の領土問題は国際化することなく、当事国間で平和的に解決されるべきだ」と述べ、中国に加担しない立場を鮮明にした。
また、国営イタル・タス通信は安倍首相の五輪開会式出席を受け、「日露関係を強化しようとの日本政府の意欲を示す好例だ」との記事を配信し、対日関係の重要性を説いた。
靖国参拝は、日露関係に目立った影響は及ぼしてはいない。それだけに、「安倍首相の開会式出席」の情報が中国側に伝わると、日露接近を警戒し、すぐに中国は習近平国家主席も出席すると発表した。
中露首脳は大戦終結70周年の記念行事を共同で行う予定だ。ロシアは日中両国をてんびんにかけるが、日本もまた対中牽(けん)制(せい)上、ロシアをカードとして利用しなければならない。国益をかけた外交戦は熾(し)烈(れつ)さを増している。
〈この企画は阿比留瑠比、水内茂幸、中国総局・矢板明夫、モスクワ支局・遠藤良介、原川貴郎、坂本一之が担当しました。〉
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