「検証すれども見直さず」河野談話めぐる苦渋の譲歩 創作された慰安婦問題: 事実の前では謙虚たれ、でっち上げには毅然たれ〜平沢勝栄氏
2014.03.28(金)JBpress ずばり勝負
マット安川 ゲストに衆議院議員の平沢勝栄さんを迎え、米中韓露との日本の外交情勢をお聞きしました。また、よく知った仲でもある横田さんご夫婦のお話など、北朝鮮の拉致問題についても詳しくお聞きしました。
*常軌を逸した韓国朴大統領の暴走にブレーキをかけよ
平沢 現在の日韓関係について、韓国の動きはちょっと常軌を逸していると思います。
韓国の主張していることはあまりにも事実と違うことが多いし、極端で、誇張している。それで世界中で告げ口外交をやっています。朴槿恵(パク・クネ)大統領は、恨みは1000年忘れないなどと言っていますが、それなら元寇が日本に攻めてきた時に、高句麗は関係なかったんですかと。
または、ベトナム戦争での韓国軍兵士の残虐行為についてはどうなんですかと。そういうことを言い出したらキリがないわけですよ。
もちろん、日本にも悪いところはあったし、韓国に迷惑をかけたことは事実です。そのことについては謙虚にならなければならない。
ただ、いつまでも日本が悪かったと、しかも事実とは違うことまで世界中に言いふらしているのであれば、あなたたちはどうなのと言わざるをえない。そうすると日韓関係は決定的になります。
歴代の韓国大統領は、就任直後は日本に対して非常に対応がよかった。任期が終わるころに支持率が下がってくると、てっとり早く支持率を上げようとして反日政策を取るようなところがありましたが、今回の朴大統領は就任直後から日本を徹底的に攻撃しています。非常に珍しい大統領で、ブレーキをかけなければいけないと思います。
*河野談話の「検証」は必要。慰安婦問題の事実を明らかにすべし
安倍(晋三)首相が河野談話について「見直すことは考えていない」と明言したのは、本当に苦渋の判断だったと思います。これは韓国に譲歩した形になりますが、米国が日韓首脳会談の土壌づくりを求めていることもあり、やむを得ないと思います。
一方で、政府は河野談話の「検証」はすると言っています。要するに、どういういきさつで河野談話が生まれたのか、その検証はすると。このへんが非常に分かりにくいところですが、私は河野談話にいっさい手をつけないということになると、大きな禍根を残すと思いますので、検証は必要だと思います。
なぜなら、この河野談話がもとになって、いま米国のあちこちに慰安婦の像が建てられているわけです。そこには説明文があり、戦時中に日本軍は20万人以上の女性を拉致してセックススレイブにしたと書かれている。そんなのウソに決まっています。
20万人以上もの女性が拉致されたとしたら、当時の朝鮮人はそれを黙って見ていたのかということになります。そもそもこの慰安婦の問題は、朝日新聞が火をつけるまで(1991年)、問題になっていなかったんですから。朝日新聞がデッチ上げみたいな話を報道してから、大きな問題になったんです。
ただ、慰安婦がいたことは間違いないし、迷惑をかけたことも間違いない。しかし、強制的に拉致するなんてことは事実とは違うと私は思います。
ましてや20万人なんていう数字がどこから出てきたのか。このまま日本が黙っていたら、事実として確定してしまいます。検証すれば、河野談話がいかにデタラメなプロセスでできたのかということが分かると思います。
*拉致問題の解決に楽観は禁物。北朝鮮は甘くない
横田さんご夫妻(滋さん、早紀江さん)が先日、北朝鮮に拉致された娘のめぐみさんの娘(キム・ウンギョン)さんに会ったのは非常によかったと思います。報道写真を見る限り、お2人のあれほどの笑顔は見たことがありません。
ただ、これで北朝鮮が大きく変わったとか、北朝鮮が譲歩したとか、拉致問題の解決にメドがついたというように軽く考えてはいけません。私は、北朝鮮は変わっていないと思います。変わったのは日本側です。
というのは、これまで日本は、北朝鮮に利用されるという理由で面会しなかったんです。お孫さんに会うだけだったら、もっと早くに会えたと思いますが、北朝鮮に利用されるということで日本側はいっさい応じなかった。
しかし、横田さんご夫妻は高齢ですし、お孫さんにどうしても会いたいという気持ちは当然のことで、日本もスタンスを変えたということだと思います。
北朝鮮は甘くはありません。日本は一歩も譲らないという毅然とした姿勢で、この問題には臨まなければいけません。
*ロシアによるクリミア併合は認められない。制裁措置は当然
ロシアが、ウクライナ南部のクリミアを軍事的な形で編入することは認められません。ウクライナが旧ソ連から独立し、その中にクリミアも入っているというのは国際条約で決まっていることです。
にもかかわらず、訳の分からない住民投票をやって結果がどうのこうのと言っても、しかもロシア軍が進駐している中での住民投票ですから、これが正しいかどうかなんて分からないわけです。
要は、ロシアは戦後できた秩序を軍事力で覆そうとしているわけで、G8の中のロシアを除くG7が何らかの制裁をしなければいけないということで一致しているのは当たり前のことです。
ただ今回、日本の対応は遅れました。それは日本とロシアの関係がよかったからです。安倍政権ができてから何度となくプーチン大統領と首脳会談を開いているほか、ソチオリンピックの時も安倍さんが開会式に出席した。
そういう中での突然のウクライナ問題で、ロシアに対する厳しい対応が欧米諸国に比べて遅れてしまった。これはやむを得ないなと思います。日本は北方領土を抱えていますから。
*集団的自衛権、武器輸出三原則の見直しは必要
集団的自衛権の解釈改憲について、先日、自民党の総務懇談会が開かれました。その中で、両方の意見が出ました。1つは、集団的自衛権について、解釈改憲みたいな形で憲法改正をしないでやるのはおかしい、きちんと憲法改正でやるべきだというものです。
もう1つは、いまの国際情勢、特に中国の動きなどを見ると、この地域はたいへん緊張しているので、解釈改憲はやむを得ないというものです。憲法改正が筋だけれども、国民投票法案も議論中ですから、間に合わないと。私はそれぞれ一理あると思います。
武器輸出三原則の見直しに関しては、防衛関係についてはいままでいろんな原則がありましたが、時代が大きく変わる中で、対応できなくなっています。
これは日本が変わったというよりも、国際環境の変化に合わせたものです。日本が国際社会で果たす役割も大きく変わってきている中で、日本はどうあるべきかという問題です。
ですから、武器輸出三原則だけではなく、集団的自衛権などほかの問題も全部横並びで、見直すべきところは見直そうというのがいまの動きです。見直しにあたっては、憲法がありますから、慎重の上にも慎重にやらなければいけません。憲法との整合性はしっかり保っていかなければいけないと思います。
「マット安川のずばり勝負」2014年3月21日放送
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