袴田さん釈放から1カ月 拘禁症から徐々に回復
産経ニュース 2014.4.27 15:44
昭和41年に静岡県清水市(現静岡市清水区)で一家4人を殺害したとして強盗殺人罪などで死刑が確定し、静岡地裁に再審請求を認められ釈放された元プロボクサー、袴田巌さん(78)の姉、秀子さん(81)ら弁護団は27日、静岡県庁で会見を開き、釈放から1カ月が経過し拘禁症から回復しつつある巌さんの近況を報告した。
弁護団によると、都内で入院中の巌さんは散歩が日課で、23日には支援者の男性とボクシングの話も交わしていた。得意なパンチを尋ねられると、巌さんはファイティングポーズをとりながら「やっぱり左フックだな。こう構えるとパンチが当たるんだ」などと話したという。散歩中に「外は気持ちがいいなあ」とつぶやくこともあり、秀子さんは「釈放直後は返事をしないことも多かったが、最近は言葉が出てくるようになった」と笑顔で語った。
巌さんは現在閉鎖病棟に入院しており、午前と午後の散歩の時間の他はテレビのある食堂に1人でいることが多いという。下着の洗濯やひげそりなどは自分でしており、病院内の自動販売機や売店で缶コーヒーやパンなどを購入したことも。弁護団では「受け入れ先が決まり次第、ただちに静岡県内の病院に転院させたい」としている。
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加賀乙彦著『悪魔のささやき』集英社新書2006年8月17日第1刷発行
(抜粋)
オウム真理教の事件については、私も非常に興味があったため裁判記録にはすべて目を通し、できるだけ傍聴にも行きました。松本被告人は、おそらく1審の途中から拘禁ノイローゼになっていたと思われます。もっと早い時期に治療していれば、これほど症状が悪化することはなかったはずだし、治療したうえで裁判を再開していたなら10年もの月日が無駄に流れることもなかったでしょう。それが残念でなりません。
拘禁反応自体は、そのときの症状は激烈であっても、環境を変えればわりとすぐ治る病気です。先ほど紹介した高カロリー剤を天井まで吐いていた囚人も、精神病院に移ると1カ月で好転しました。ムシャムシャ食べるようになったという報告を受けて間もなく、今度は元気になりすぎて病院から逃げてしまった。すぐに捕まって、拘置所に戻ってきましたが。
松本被告人の場合も、劇的に回復する可能性が高いと思います。彼の場合は逃亡されたらそれこそたいへんですから、病院の治療は難しいでしょうが、拘置所内でほかの拘留者たちと交流させるだけでもいい。そうして外部の空気にあててやれば、半年、いやもっと早く治るかもしれません。実際、大阪拘置所で死刑囚を集団で食事させるなどしたところ、拘禁反応がかなり消えたという前例もあるのです。 *強調(太字・着色)は来栖
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袴田巌さん釈放から1カ月 拘禁症から徐々に回復
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