【オウム法廷再び】「菊地被告に薬品の使用目的伝えたことない」中川死刑囚 「理解していない」
産経ニュース 2014.5.13 12:06
オウム真理教による平成7年の東京都庁郵便物爆発事件に関与したとして、殺人未遂と爆発物取締罰則違反の幇助(ほうじょ)罪に問われた教団元幹部、菊地直子被告(42)の裁判員裁判の第2回公判が13日、東京地裁(杉山慎治裁判長)で開かれ、爆薬の原料となる薬品の運搬を指示した元幹部、中川智正死刑囚(51)が出廷。薬品の使用目的を「被告に説明したことはない」と証言した。「被告は化学記号を理解できていなかった」とも話した。
争点は、運搬した薬品が爆弾の製造に使われることなどを菊地被告が認識していたかどうか。検察側は「薬品の性質などを判断できる能力があった」とし、テロ行為に使われることを認識していたと主張。無罪を主張する弁護側は「化学の知識はなく爆薬原料と知らなかった」としている。
中川死刑囚の証言によると、平成7年4月、菊地被告に山梨県内の教団施設から薬品を持ち出せないか尋ねると「できると思う」などと答えたという。中川死刑囚は「教団施設などの事情を分かっている人が『持って来られる』と言っているので、任せていいかなと思った」と振り返った。
菊地被告が薬品を運搬したのは5回で、薬品の化学記号をメモして渡したこともあったが、理解できていなかったため、「誰かに聞いて」と伝えたという。
また、運搬の際に緊張するなどして不自然な態度を取らないよう、「捕まる可能性があることは伝えなかった」としている。
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【オウム法廷再び】「17年も逃げるなら頼まなかった」中川死刑囚、菊地被告に ポア表現で井上死刑囚に怒りも
産経ニュース 2014.5.13 12:36
「今から言っても詮(せん)ないですが、17年も逃げるんだったら、頼んでいません」。東京都庁郵物爆発事件で菊地直子被告に原料の「運搬役」を指示、自ら爆弾製造にも携わった中川智正死刑囚は法廷で、長期間の逃亡生活を送った菊地被告への思いを口にした。中川死刑囚は「嫌そうな表情ではなかったので、薬品を運んでもらった」と振り返った。
東京地裁は傍聴席からの視線をさえぎるついたてと防弾パネルを設置。裁判長から氏名を問われた中川死刑囚は「中川智正です」とはっきりとした声で返答した。尋問の冒頭、「大きな傷を負わせてしまい、誠に申し訳なく思っています」と被害者の元都知事秘書、内海正彰さん(63)に謝罪した。
オウム真理教「陸上部」に所属していた菊地被告と親しかったという中川死刑囚。「被告はマラソンの選手で、私はコーチ兼チームドクターのような立場だった」と説明し、菊地被告について「部下ではないが、以前から良く知っていたので、使いやすい存在だった」と述べた。
中川死刑囚は元幹部、平田信被告(49)=1審有罪、控訴中=の公判にも出廷。平成7年の目黒公証役場事務長拉致事件の被害者の死亡の経緯に関し、井上嘉浩死刑囚(44)が「中川死刑囚が、ポア(殺害)できる薬物を点滴したら亡くなったと言っていた」と主張したことに反発。「ご遺族のためと言うが、井上君も考えてほしい」と怒りに声を震わせる場面もあった。
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◇ オウム 菊地直子被告 初公判 裁判員裁判 東京地裁(杉山慎治裁判長) 2014.5.8 無罪主張と「お詫び」
◇ オウム 菊地直子被告 第2回公判 2014.5.12 井上嘉浩死刑囚証言「菊地さんは事情を理解していると思った」
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◇ オウム平田信被告 第4回公判 〈詳報〉 中川智正確定死刑囚の証人尋問 2014.1.21 Tue.
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オウム 菊地直子被告 第3回公判 2014.5.13 中川智正死刑囚証言「菊地被告に薬品の使用目的伝えたことない」
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