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4人を殺害し“透明”になるまで切り刻んだ偽装夫婦「埼玉愛犬家連続殺人事件」死刑囚・風間博子は無実か?

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【冤罪疑惑】4人を殺害し、“透明”になるまで切り刻んだ偽装夫婦 ― 死刑囚・風間博子は無実か?
 TOCANA 2014.08.21. 
「埼玉愛犬家連続殺人事件」で確定死刑囚となっている風間博子は、殺人に関する無実を訴えて再審請求を行っていた。それに対して、さいたま地裁は8月11日、再審請求棄却を決定した――。
 風間博子は元夫の関根元とともに、同事件で2009年最高裁にて死刑の判決が確定していたが、未だにその判決には疑問が残る。では一体どんな事件だったのだろうか?
*「ボディを透明にする」埼玉愛犬家連続殺人事件とは?
 事件が起きたのは、1993年。関根元と風間博子は、犬の繁殖や売買を行う「アフリカケンネル」の共同経営者だった。ふたりは、埼玉県熊谷の繁華街にペットショップを構え、街から離れた万吉というところに「犬舎」を持っていた。
 関根は、相場の10倍、100倍ほどの値段で犬を売りつける詐欺的商売を展開していた。だが、気づいた客から返金を要求されると、応じたくないがために殺害を行なった。また、その行為に気づき、関根を強請った暴力団組長代行やその付き人、関根の不倫相手などが次々と犠牲者となった。法廷では「毒物を飲ませて殺したか、毒物を飲ませて弱らせたところを絞殺したか?」が、争われた。遺体が残っていないために、今に至るも殺害方法は明確になっていないのだ。
「ボディを透明にする」という関根の言葉に、この事件の異様さが現れている。被害者の遺体の肉をサイコロ状に細かく切り刻み、また骨を粉になるまで焼き、消滅させたのだ。
 そして、95年1月、風間と関根は逮捕された。だが、風間・関根の裁判に証人として出廷したペットショップ役員の山崎永幸は、「(風間)博子さんは無実だと思います」と明言した。
 その言葉に導かれて事件の詳細を見ていくと、さらなる異様さが浮かび上がってくる。
*異例の犯行を行い続けた犯人
 関根は山崎に、「自分は30人以上もの人間を殺している」と語ったという。
 風間は関根と結婚するとすぐに、関根の凶暴さに気づいた。自分の連れ子に対する虐待がひどいのだ。なにか気に入らないことがあると、長男を裸にして玄関前のコンクリートに正座させ、腿の上にコンクリートブロックをいくつも乗せ、竹刀で叩くなどする。風間自身も、度々暴行を受けた。
 離婚を切り出せば、それが暴力を呼び込むことは目に見えている。しかし、ずっと悩み続けていた風間に好機が訪れる。92年に共同経営店「アフリカケンネル」に税務調査が入り、「離婚して不動産名義を移したほうがいい」という、弁護士からのアドバイスを受けたのだ。税金対策のための偽装離婚だと信じ込ませて、93年1月、風間は籍を抜くことに成功する。関根は家を出て行き、別居した。だが関根はしだいに、風間が本当に自分から離れていこうとしていると気づき、そして共犯という軛で、彼女を繋ぎ止めようとしたのだ。
 埼玉愛犬家連続殺人事件では3件の事件、4人の殺人が立件されている。だが、それ以前の関根による殺人は、「ボディを透明にする」手法によって立件されていない。
 事件は複雑に入り組んでいるので、今回は再審請求に直接関わる2件目に絞って事件を紹介しよう。
*暴力団関係者すら殺害する犯人の異常性
 離婚して、風間は「ペットショップ中心」。関根は「万吉犬舎中心」となり、仕事での行動もほとんど別になっていた。
 事件のあった93年7月21日。熊谷は、数十万人が集まる、うちわ祭りの真っ最中だった。風間はこの日、犬の治療のため、珍しく万吉犬舎に訪れた。祭りによる交通規制で渋滞があるため、移動はバイクで行っている。
 ペットショップに戻った風間のところに、午後6時半頃、関根が来た。関根は「高田組組長代行の家に行っているので午後10時頃迎えに来てくれ」と、風間に頼んだ。この時、関根は「今日、組長代行の遠藤安亘さんと、一緒に居るだろう付き人の和久井奨さんを殺害しよう」という計画を持っていた。
 ごく普通の犯罪者なら、共謀していない者を現場に呼び寄せることなどしない。しかし関根は、30人以上を殺めてきたシリアルキラーだ。連続殺人者は5〜6人ほどを殺めて捜査の手が及んでこなければ、自分は捕まらない、という自信を得る。そのうちに、生命を自由に左右できるからと、自分を「神」だとまで思い始める。関根も「自分は神の伝令で動いている」と山崎に語っていた。
 関根の殺害動機は、1件目の殺人を知った遠藤氏が、彼を強請ってきたためだ。関根は、自分には不可能はない、と思っていた節があるが、暴力団の組長代行をその自宅で殺すなど、きわめて大胆不敵だ。
 ちなみに、1件目の被害者が関根とのトラブルがあったことを遺族は知っており、警察に届け出ている。万吉犬舎などはすでに警察の監視の下に置かれていた。それをかいくぐっての犯行である。
 そして関根は、この際に自分から離れていこうとする風間を、共犯者に仕立てようとしたのだ。
 夜になって交通規制が解かれていたため、風間は自分の愛車・クレフを運転して、約束の時間に遅れた午後10時半頃、遠藤宅に着いた。すでに関根と山崎は居た。家に入ると、しばらくして遠藤さんが苦しみだした。毒物を飲まされていたのか、やがて絶命する。和久井氏は、家では薬効が現れず、カリーナバンの中で絶命した。
 2人の死を目の当たりにして、風間は動転する。日頃から感じていた、関根への恐怖もあったであろう。命ぜられるままに、2人の遺体を乗せたカリーナバンを運転した。風間のクレフは山崎が運転し、カリーナバンを先導。遺体解体場所となる、山崎の家のある群馬県の片品に向かった。
 遺体を車に乗せて運んだことは、死体損壊遺棄罪にあたる。風間自身がそれは認めている。いくら脅されてのこととは言え、この罪について刑罰を科せられることは当然だ。
 だが問題は、風間が殺人まで行ったのか? ということだ。
*山崎の供述に違和感、車は誰が? 冤罪の可能性が見え隠れする不可解さ
 後に「博子さんは無実だと思います」と法廷で証言することになる山崎の当初の供述では、その夜、カリーナバンに、関根、風間、山崎の3人が乗り、遠藤宅に向かったという。山崎はカリーナバンの中で待ち、関根と風間が遠藤宅へ入り、殺害行為が行われた、というのだ。
 そして、2人の遺体を乗せたカリーナバンに関根、風間、山崎の3人が乗り、万吉犬舎に寄った。その駐車場に停まっていたクレフを山崎が運転、風間がカリーナバンを運転して付いていき、片品に向かったというのだ。
 この供述を元に、風間が殺人犯だとされた。だが、それでは一体、万吉犬舎の駐車場にどうやってクレフは現れたのか? というのが今回の再審請求の主内容だ。
*捜査員の日誌「万吉犬舎でクレフは確認されていない」
 捜査員の記した行動確認捜査日誌に寄れば、その日、午後2時47分から午後7時34分まで、万吉犬舎を監視していたが、クレフがそこに来たという記載はない。また、(山崎の供述によれば)山崎が片品から乗ってきて停めたままになっていたはずのベンツもまた、記載されていないのだ。
 そのため、「クレフは昼の間、ペットショップ近くの駐車場に停めてあり、それで自宅に帰ってから遠藤宅に向かった」という風間の供述が正しく、山崎の供述が虚偽であることが、これで証明されたことになる。ベンツに乗ってきたという山崎の供述も、犯行に使われたカリーナバンで最初から行動していたというのであれば、事前共謀を疑われるがゆえ、虚偽であろう。
 再審請求の新証拠として提出されたのは、万吉犬舎の駐車場と監視場所との位置関係を、航空写真や動画で撮影したDVDである。駐車場と監視場所の間は田畑で、遮るものは何もなく、距離も120メートルしか離れていない。駐車場には壁も柵もなく、停まっている車両そのものが見える。実際に出入りのあった車は、車両ナンバーまでが日誌に記載されている。
 さいたま地裁は再審棄却の理由として、「行動確認を実施した警察官らは、万吉犬舎前の駐車場やその周辺に出入りする自動車の存在や動き等の全てを把握し、かつ、行動確認日誌に漏れなく記載していたわけではないと強く推認できる」としている。
 要するに、クレフやベンツは、捜査員が見落としたというのだ。だが、どんなに怠惰な捜査員であっても、一時的に出入りしただけの車両ならともかく、長時間に渡って停まっていた車両を見落とすことなどあり得ない位置関係だ。ましてや優秀な人材が揃っているはずの、埼玉県警の捜査一課が見落とすことなど考えられない。
 最初に検察が立てた「筋読み」に対して、矛盾する客観証拠が出てきても、それを見直すことができないという悪弊が、ここにも見て取れる。繰り返すが、風間博子が犯した死体遺棄損壊の罪は償わなければならない。それは決して軽い罪ではないが、死刑に値する重罪でないことは明らかだ。20年近くも幽閉されるに値する罪でもない。
 再審棄却の決定に対して、8月14日、風間博子は即時抗告申立書を東京高裁に提出した。真実を見極めるために、再審が開かれることを、強く望むものである。(文=深笛義也)
<筆者プロフィール>深笛義也(ふかぶえ・よしなり)
 1959年東京生まれ。横浜市内で育つ。18歳から29歳まで革命運動に明け暮れ、30代でライターになる。書籍には『エロか? 革命か? それが問題だ!』『女性死刑囚』『労働貴族』(すべて鹿砦社)がある。ほか、著書はコチラ
 ※日本怪事件シリーズのまとめはコチラ

 ◎上記事の著作権は[TOCANA]に帰属します
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<愛犬家殺人>2被告の死刑確定へ 埼玉で4人殺害 2009-06-05 | 死刑/重刑/生命犯 問題 
風間博子さん 死刑判決への疑問  6月5日「埼玉愛犬家殺人事件」最高裁判決 2009-06-05 | 死刑/重刑/生命犯 問題) 
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風間博子さん 死刑判決への疑問 (1) 2009.06.02 Tue l 埼玉愛犬家連続殺人事件

◇ 【ヘナチョコ革命】  
  「死刑囚両親の娘」に生まれて! 2014/3/30(日) 午前 11:14 
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片岡健のブログ
   2014-01-13 埼玉愛犬家連続殺人事件・風間博子さんの肉筆資料
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