落合監督、首位決戦3時間前「退任」 後任は高木守道氏…中日
2011年9月23日10時28分 スポーツ報知
中日は22日、落合博満監督(57)の今季限りでの退任を発表した。来季はOBで92年から95年途中まで監督を務めた高木6 件守道氏(70)=野球評論家=が復帰する。04年に監督就任して以来、日本一1度、リーグ優勝3度を達成し、今年殿堂入りを果たしたオレ流監督。シーズン終了までは指揮を執るが、首位・ヤクルトとの4連戦を前に異例のタイミングで明らかにされた退団の背景には、何があるのか。
退任決定後、初の采配となったヤクルト戦に勝利。首位とのゲーム差を3・5に縮めた試合後の会見。足早に退室しようとした落合監督は、退任についての問いかけに苦笑いで振り返ると、いつもと変わらず淡々と答えた。「契約書通り。この世界はそういう世界だ」
球団最長となる8年間も続いた落合政権。その幕切れは突然だった。21日夜、後任候補の高木氏から監督就任の内諾をもらった白井オーナーが22日早朝、落合監督に契約を更新しないことを直接伝えた。午前中に開かれた球団の役員会で急きょ議題に挙がった「退任」を了承。ナゴヤドーム内で会見が行われたのは午後3時。首位・ヤクルトとの4連戦のプレーボールを3時間後に控えたタイミングだった。
落合監督は就任1年目の04年をはじめ、06、10年と3度のリーグ優勝を達成。07年は2位からクライマックスシリーズを勝ち上がり、日本シリーズで日本ハムを破って53年ぶりの日本一に導いた。監督7年間すべてでAクラス入りと抜群の実績を誇り、今季も2位とリーグ連覇を狙える位置につけている。
今年1月に殿堂入りを果たすなど、輝かしい実績を誇る一方で、球団内では落合政権の長期化に伴う“弊害”を指摘する声が出ていた。観客動員の低迷など営業面で苦戦していることもあり、3年契約の最終年となった今季、球団、本社を含めて落合監督6 件の去就について改めて検証。決断を下したのは“落合派”の白井オーナーだった。佐藤球団代表は「成績は輝かしいもの。オーナーもフロントも高く評価しているが、8年間という期間もあり、このへんで一度新しい風を吹き込もうという方針です」と説明した。
「ドラゴンズの歴史に一時代を築いた。大変良くやってくれた。最高の花道、いい引き際にしてほしい」。契約満了を告げる席で白井オーナーからねぎらわれた落合監督6 件は「あまり心配しないでください」と答え、全日程終了まで全力を尽くすことを誓ったという。なお、本人の意向で退任会見などは行わない予定だ。
◆落合博満(おちあい・ひろみつ)1953年12月9日、秋田県生まれ。57歳。秋田工高から東洋大に進み中退。社会人の東芝府中から79年にドラフト3位でロッテ入団。82、85、86年に3冠王に輝いた。87年にトレードで中日移籍。94年にFAで巨人入りし94、96年のリーグ優勝に貢献。97年から日本ハムでプレー、98年限りで引退した。04年に中日監督に就任。04、06、10年にリーグ制覇。07年はリーグ2位からCSを勝ち抜き、チームを53年ぶりの日本一に導いた。今年1月に野球殿堂入り。
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〈来栖の独白〉
8年間の名采配、心より拍手を送ります。落合さんをなかなか理解できなかった私。が、昨季頃より少し理解できるようになり、共感する場面も増えていた。
落合監督はメディアにサービスせず、媚びなかった。当然のように、メディアへの受けは芳しくなかった。今回(引退)も「契約書通り。この世界はそういう世界だ」の一言だ。無駄口は叩かない。
「オレ流」といわれるが、落合さんは、野球に徹した。監督業に徹した。それのみに心血、時間を注いだ。記者ゴロへのサービスなど考えの外だった。「(メディアへのサービスなど)しなくてよい」、そう思う、私も。どうせ、真実を報道しない。すべてをエンタメと化してしまう。
「(記者会見など)意味がない」、小沢一郎さんの言葉だ。そういえば、この二人、似ている。メディアに無愛想なところが、似ている。
いや、肝心な所が、似ている。二人とも、プロだというところだ。落合さんは、野球と勝負に徹した。小沢一郎さんは(「衆愚」と称して)大衆に媚びず、政治に徹した。ところが、球団は、そうはいかない。利益をあげねばならない。後任が高木さんで観客動員が果たせるとは思えない(年齢一つとってみても70歳で、極めて地味、凡庸を絵に描いたような人)が、このまま落合さんでゆく決断はつかなかったのだろう。所詮、「お客様は神さま」、エンタメの世界。政界も、国民の支持、財界の支持を取り付けねばならない。話が逸れるかもしれないが、原発も似ていないか。「利益」追求ということのために、リスクを度外視する。肝心なところを二の次にする、捨てる。
ここで、一つ、訂正、補足。落合さんも小沢さんも、決して無愛想ではない。無愛想なのは「無愛想にして然るべき相手」に対してのみ「無愛想」などだ。
安田好弘弁護士は、政治資金規正法に絡み、小沢一郎さんが強制起訴され、世論の激しいバッシングに曝された時、「小沢さんがいなくなることは、プロがいなくなる、そういうことだろうな」と言った。
野球の世界においても利益(収益)が優先され、そのために人気・ポピュリズム優先となり、人の心をうならせるようなプロの采配のできる監督が姿を消す。政治の世界も然り。
この国は、よくよくプロの育たない、居心地の悪い国柄のようだ。いずれにしても、世論・国民感情をリード(ミスリード)するのは、メディアである。
◆「政治資金規正法を皆さん勘違い。小沢さんがいなくなることはプロの政治家がいなくなること」安田弁護士2011-07-21 | 政治/検察/メディア/小沢一郎
「唯一はっきりしている条文があるんです。政治資金規正法で処罰されるのは、会計責任者だけなんです。政治家は処罰されないんです。政治家は処罰の対象から外れているんです。始めから、そういう法律なんです。そもそも法律の目的というのは、会計責任者が責任を持って会計の結果について報告する、ということが義務付けられているんです。ところが皆さん、勘違いしている。小沢さんが秘書と一蓮托生で処罰されるべきだと。これほど法律違反、法律の主旨に反することは、ないんです。つまり、どこかで法律が歪められて、トリッキー歪められて、つまり、政治資金規正法は政治家取締法なんだというふうに完全に勘違いしている。この勘違い、実は検察審査会も、まったく同じ評決をしているわけですね。小沢さんは、これだけ権力を持っている人間が、小沢さんの指示なしに物事が行われるはずがない、と。しかし法律の枠組みは、およそそんなことは無いんです。もし小沢さんが有罪になるとすればですね、責任者との共犯なんです、あくまでも。単に、知っていたとか、報告受けていたとか、そんなことでは共犯になるはずありませんね。これは、税理士さんが「これで申告しますよ」と言って「ああ、はい、どうぞ」って言ったら共犯になるか、といえば、そんなことはないわけなんです。ですからもし小沢さんが共犯になるとすれば「おい、石川、こうやれ」という形ですね。「こうやらんと許さんぞ」と、指示・命令、絶対的に服従させたと、そういう場合に初めて共犯として存在する。それを皆さん、完全に誤解している。大変な誤解(笑)。それで、皆さん、恐らくテレビなどで論評していらっしゃる。
次の問題です。政治資金規正法の中に、何を記載せよとか、どのような会計原則に則れとか、何一つ書いてないんです。ですからたとえば、ちょっとお金を借りましたとか、立て替えて貰いましたとか、或いは、今日帳簿に載せるよりは来年のほうに載せとこうか、というような話は、本当に虚偽記載になるのかどうか、或いはそれを載せなければならないのかどうか、それさえもあの法律の中には書いてないんですよ。つまり、虚偽を記載してはいかん、という話だけなんですよ。何が虚偽なのか、さえ書いていない。しかしそれを検察が勝手に解釈してですね、例えば今回の場合の、今年載せずに来年載せたということが犯罪だと、虚偽だと、やったわけです。或いはAという政治団体からお金貰った、それを実はこうだった、違う人だった、と言って、それは虚偽だというわけですね。しかしAという政治団体を通して貰ったんだから、それを記載するのは当たり前の話でして、それを虚偽といえるかどうか、それこそ大変大きな問題なわけです。ですから小沢さんの一昨年の問題、或いは今年の問題、いずれも法律の解釈を彼らがやって初めて有罪に出来るだけの話でして。ですから立法者の条文とは違うんですね。
ですからこの間(かん)も法律が守られずにどんどんどんどんきている。今回典型的なことはですね、石川さんが逮捕されました。しかしその2日後、3日後ですかね、3日後には国会が開かれるわけです。国会が開かれた場合、国会議員を逮捕するためには国会の議員の議決の承諾がないといけないわけなんです。それを抜き打ち的に、先達する形で石川さんを逮捕する。これは立法権に対する侵害じゃないですか。つまり憲法違反の事を彼ら、やっているわけです。つまり憲法に違反している行為に対する批判がどこにもない。これは、私ももう、大変びっくりしたわけです。
検察はしっかりと政治をやっている、というふうに私は理解しているんです。例えば今回、石川さんの弁護をやっていて3日目か4日目ですかね、あ、検察はこれを狙っているな、というのは大体、私も、石川さんが検察にどういうことを言われているかというのを聞いて分かるんです。
つまり検察は小沢さんを逮捕することは恐らく不可能だろうと最初から思った。しかし検察審査会で勝負をかける、ということを彼らは考えている。彼らのやり方はこうだな、と。検察審査会で起訴相当を取ることによって小沢さんの政治生命を奪う、と。そのシナリオ通りに見事に小沢さんの政治生命はなくなってしまった。ま、これが今回のシナリオでですね。小沢さんを直接起訴すれば当然全面戦争になってしまうわけでして。むしろ国民を総動員して、或いは市民という名を、怒れる11人の市民を使って小沢さんの政治生命を奪うという戦術に彼ら、でてきた。
で検察審査会も、トリック、ま、検察審査会には助言者といってですね、弁護士がその場に同席していろんな助言をするわけです。法律の解釈とかそういうものを。恐らくその助言者がとんでもない助言をしたんだろうと思うんです。どういうことかというと、政治資金規正法は政治家の犯罪、取締法なんだという解説をしたんだと思うんです。
ですからとんでもない、検察でさえ起訴しなかったものを検察審査会が起訴相当という結論をだしたんだろうと、そしてそのことを検察は最初から予想、予定していたんだろうと、そう思うわけです。
先に、情緒的な風潮の中で有罪無罪が決まっていくと、そういう話がありましたけど、私は思うんですね。弁護士は弁護士として、政治家は政治家として、メディアの人間はメディアの人間として、それぞれの人間がプロ的な精神を持ってそれぞれの職責を全面的に発揮すれば、おそらくこんな体たらくな状態にはならんだろうと思うんです。法廷でも、捜査段階から弁護士が弁護人として責任をしっかりと果たせば、恐らく情緒的な社会の動きに対してたえることが出来る、或いは十分に弁護して勝つことが出来るだろうと思うんですね。
プロ性がどんどん抜けていく、今回の政権交代でも、ま、アマチュアの集団というか、益々プロがなくなる。小沢さんがいなくなることは、プロがいなくなる、そういうことだろうな、と。崩壊の社会が来たな、と。プロが居なくなるということは、結局情緒的なものに流されるし、或いは、世間の風潮に流される、とこういう時代に益々突入したな、と思っているんです。
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落合博満監督 退任/落合さん・小沢一郎さんがいなくなることは、プロの仕事師がいなくなること
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